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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

「連合」、全労連を突破し
革命的労働運動の一大奔流を形成せよ
(1043号4面)

階級的革命的全国統一センター建設をかちとれ

 2012年、日本労働運動は、日帝による「国家公務員給与削減法」、消費税増税法案、「労働者派遣法」改悪、「労働契約法」改悪、大飯原発再稼働―大間原発建設再開、オスプレイ普天間配備と、連続した攻撃がかけられたにもかかわらず、「連合」、全労連を突破した闘いを未だ実現するには至っていない。労働者人民の労働現場と24時間の生活総領域で犠牲が強制されている。福島第一原発事故の収束作業では被曝労働が強制され、この1年間で作業に従事した2万人のうちの半数の労働者は白血病として労災認定される年間5ミリシーベルト以上の被曝を強制され、その記録もないままに使い捨てにされている。日本の「非正規雇用」率は全労働人口の35パーセントを超え、青年層の死因の第1位が「自殺」となる事態となっている。資本の救済のために200万人以上が受給する生活保護の削減攻撃が強まっている。

 厚生労働省の発表によると、昨年のストライキなどの争議行為をともなう争議件数はわずかに57件であった。この日本労働運動の惨状の突破をかけて、全国労働組合運動交流会(全労交)が結成された。全労交は大飯現地と普天間現地で労働者人民の闘いが向うべき場所と闘いの方針を指し示し、「非正規争議」をはじめとする闘いに集中した。

 2013年、世界大恐慌爆発情勢はますます深化する。日本労働運動が一気に共産主義に突き抜けていくための飛躍を実現しなければならない。
 2012年の日本の労組大会を俯瞰し、われわれが突破すべき課題を明らかにしていく。

〈「連合」〉

 2年に1回の定期大会を開催している「連合」(685万人)は、今年は定期大会を行わず、5月と10月に中央委員会を開催した。5月の中央委員会では、今年7月から来年6月までの方針である『2013年度 連合の重点政策』と、2020年までの組織拡大計画である『1000万連合実現プラン』を決定した。つづいて、10月に開催した中央委員会では、会長・古賀(電機連合)が昨年の定期大会からの1年間の中間総括と今後の方針基調ともいうべきものを「会長挨拶」という形で披瀝した。

 古賀は昨年の定期大会以降の「連合」の活動について、「震災からの復興と日本再生」「新たな社会・経済モデルの構築」「労働運動の社会化」の3点を総括課題として提起した。

 古賀は口では「被災地域と被災者の生活の安定」と言っている。しかし、その内容は何かと言えば、被災地全体を資本の「草刈り場」にしていくために野田政府や日本経団連が推進する「復興特区」の全面賛美だ。そして、資本が受けた打撃を「国難」とし、労使が一体となって克服せよと煽動している。また、「連合」自身が「経済成長のための原発推進」路線を取ってきたことを隠蔽するために原発問題には一切言及しなかった。原発の再稼働や建設再開を既成事実化し、再び「連合」が「原発推進」路線に復帰するタイミングを図ろうとしているのだ。「連合」・古賀の本音は9月21日に決定したエネルギー政策の発表の記者会見で言ったように、「野田政府の2030年代までに原発をゼロにするという『革新的エネルギー・環境戦略』は暴論だ。安全対策などを条件に原発の再稼働を認める」という原発推進なのだ。

 古賀が言う「新たな社会・経済モデルの構築」とは、「世界同時不況は市場任せにしてきた結果だ」という認識に基づき、「グローバル経済を律するルールの確立を国際労働運動として求めてゆく」というものだ。言わば「節度ある資本主義」なるものを資本に願う運動をやるということだ。古賀は労働運動を「社会の責任あるステークホルダーとしての労働運動」と位置づける。「ステークホルダー」とは経営用語であり、「株主」などと並ぶ「利害関係者」という意味だ。「連合」は分配の量だけを関心事とし、労働者が資本に隷属を強いられる問題なぞまったく関係ないのだ。労働者階級の立場からすれば、古賀・「連合」の運動なるものは階級性のひとかけらもない、奴隷の運動以外の何者でもない。そうであるが故に、賃金をめぐっても「人材への継続的な投資が付加価値の源泉だ」と言い放ち、「厚みのある中間層を基盤とした社会の再構築を目指す」なぞと米大統領選でオバマが繰り返した文句とまったく同一の文句を言って平然としている。そして古賀は野田政府の犒茲瓩蕕譴覆だ治瓩防塰を述べつつも、「政策を共有し得るのは、やはり今も民主党です」とし、「民・自・公3党の合意により『社会保障と税の一体改革法案』が成立したのは、今後の一つの政策決定のスタイルとして評価したい」なぞと消費税増税を賛美し、「社会保障改革国民会議を早急に設置して消費税増税を開始しろ」と尻を叩くことまでやっている。

 3点目の「労働運動の社会化」なるものは、「組合員だけの利益ではなく、非組合員のことも考えないといけない」ということであり、つまり「『連合』労働運動が労働者から見向きもされなくなった」「『連合』労働運動が社会への影響力を失っている」という危機感の吐露にほかならない。古賀は「連合」の活動が「ビジネスモデルの変化、リストラ、外注化、正規から非正規への置き換えという環境変化に対応できず、組織の役割・機能が低下し、魅力が減少するというマイナスのスパイラルに陥っている」と総括し、その突破をかけて「1000万連合実現プラン」を方針とするというのだ。

 「連合」の組合員数は結成時(1989年)の789万人をピークに減少を続け、現在は約675万人にまで落ち込んでいる。2007年に「非正規労働センター」を立ち上げて以降、パートタイム労働者を133万人組織化したが、既存の組合員が171万人減ったため、総数では38万人の減少となっている。

 しかし、労使協調路線で資本の合理化攻撃に屈服し、それと引き換えに本工の利害追求に汲々としてきた帝国主義労働運動の本質をそのままにして、「連合地域労組(仮称ローカルユニオン)設置」「クラフトユニオン構築」なぞと、いくら組織いじりを繰り返そうとも闘う労働者から見捨てられる運命に変わりはない。日帝の「領土問題」をめぐった排外主義煽動に「在留邦人の安全確保要請」(9月20日)をして加担し、普天間基地へのオスプレイ配備を強行する野田政府に「住民の理解を得ろ」なぞと沖縄労働者人民への屈服強要を煽動する帝国主義労働運動・「連合」を1日も早く突破する革命的労働運動を建設しなければならない。

〈全労連第26回定期大会〉

 全労連(113万人)は7月29日からの3日間、横浜市で第26回定期大会を開催し、向う2年間の活動方針を決定した。

 来賓あいさつを行なった日本共産党委員長・志位は「消費税、原発、環太平洋連携協定(TPP)、米軍基地などで『一点共闘』が空前の規模で発展しつつあり、全労連がかけがえのない役割を果たしている」と全労連を持ち上げた。民主党を中軸にした政府の成立に全面的に期待をかけ、それが裏切られた日本共産党の評価のブレについては一切総括せず、「組織衰退に歯止めがかからない日本共産党―全労連の生き残りは市民主義・国民主義の運動に便乗するしかない」ということだ。

 つづいて、全労連議長・大黒は「野田政府は『構造改革』をいっそう露骨に進める内閣だと規定した」と、今更ながらのことを言い、日本共産党・志位の発言を補強した。さらに「全労連の共闘対象はJA中央や日本医師会だ」とし、「全労連は、これらの国民的な闘いに深くコミットしている。『一点共闘』を『多層的重層的な共同』へと発展させるために、行動の統一などを調整するナショナルセンターとしての機能と役割が求められている」なぞと労働者人民の怒りと闘いが野田政府打倒の実力闘争として爆発することに敵対・制動することが自分たちの使命だと言い放った。肝心の労働運動の方針をめぐって大黒は、「いすゞや日産など大企業の『派遣切り』と闘ってきた裁判やJALの不当解雇に対して不当判決が相次いでいる」と、自らが闘いを裁判闘争に切り縮めてきたことには一切触れず、泣き言を言い、「公務員制度改革」攻撃に対しても、「国交労連が国家公務員の賃下げに対して裁判を提訴した」と、方針が裁判闘争しかないことをさらけ出した。

 今回の全労連大会の特徴は、組織衰退状況に対する「150万全労連の実現」なる組織拡大方針を打ち出したことだ。全労連の組織人員は「本体」の日本共産党同様に減少傾向が続いている。自治労連や全教は「団塊の世代」の大量退職が続き、全体で毎年10万人近くが組合を離れる状態になっている。全労連は年金者組合も含めた組合員を約113万人と集計しており、組織拡大目標である「150万全労連」の実現のために、毎年20万人以上の組合員を拡大するとしている。「賃上げによるデフレ脱却」「デフレ脱却で経済成長を」なぞと、世界大恐慌爆発情勢の深化のなかで資本主義世界経済にトドメを刺すのではなく資本主義経済防衛を基調とする全労連が日本労働運動の革命的発展に敵対・制動することを許してはならない。

〈UAゼンセン(旧UIゼンセン同盟)結成大会〉

 11月6日、「連合」傘下の民間最大産別のUIゼンセン同盟(116万人)と主にデパートやスーパーなどの流通産業労組を組織する「日本サービス・流通労組連合」(JSD・25万人)が組織統合し、横浜市で141万人を組織するUAゼンセン(総称)の結成大会を開催した。

 結成大会では、UAゼンセンの綱領・運動の基本をはじめ、規約・諸規定、「当面、150万産別をめざす」などの2013〜2014年度の運動方針や予算、組織機構・役員体制など、組織の全容を決定し、会長には逢見直人(UIゼンセン同盟会長付)を選出した。

 UAゼンセンは結成大会後、「製造」「流通」「総合サービス」という部門ごとの中央委員会を開催した。流通部門の「結成中央委員会」では産別旗とともに「日の丸」を掲げた。議案の『運動の基本』では「産業民主主義と参加型労使関係」を打ち出し、UIゼンセン同盟以来の反共主義と労使協調路線をあらわにした。

 両組織の統合協議は2005年から始まっていたが、組織名称や会費の問題で合意できず、中断していたが、昨年10月にJSD側からの呼びかけで協議を再開している。そして、最終的に新組織の正式名称は「全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟」でUIゼンセン同盟の現行名称を引き継ぐが、総称はUAゼンセンとすることを決めている。会費についてはUIゼンセン同盟で月額8000円となっているが、統合後3年8ヵ月間、JSD加盟組織は現行水準(5000円)に据え置くことで合意し、組織統合を決定したのだ。

 両組織が統合した最大の目的は、組織規模を拡大することによって業界団体とのあいだで産業別労使関係を作り、産業政策に影響力を高めることだ。これまでUIゼンセン同盟は「組合に加入しなければ解雇される」といった脅しを使って資本とユニオンショップ協定を結び、組織拡大を図ってきた。春闘における産別統一闘争では単組の妥結権を中央本部に移譲させ、本部方針に反した妥結をした単組には統制処分もかけ、「鉄の団結」と自慢してきた。もう一方のJSDには旧総評系の「チェーン労協」も加盟しているが、今回の組織統合への合意によってUIゼンセン同盟に最終的に屈服したということだろう。JSDの加盟組合は組織統合のための「激変緩和措置」としてUAゼンセンの2013年春闘産別統一闘争には原則参加せず、再来年以降に加盟組合ごとに参加の可否を決定するとしている。

 UIゼンセン同盟は2002年の「ゼンセン同盟」「CSG連合」「繊維生活労連」の3産別統合によって発足し、10年を経た。この10年間でパートタイマー等の短時間組合員が発足当時の約3割から現在は約5割(58万人)にまで増え、男女比率が44対56と女性組合員が過半数を占めている。UAゼンセン発足前の9月に名古屋市で定期大会を開催したUIゼンセン同盟は、会長・落合が「女性組合員の能力を活用していくことこそ組織強化の鍵だ」とし、「パートタイマーの組織化を強化する。介護事業などで働くクラフト・ゼネラルユニオンが2007年の10万人から8万人に減少している。組織拡大して影響力を高める」と強調した。また、UAゼンセンは活動の重要課題として経営側組織との「集団交渉・協議の実施」と「産別協約」の締結、未組織労働者への「労働協約の拡張適用」を打ち出し、「非正規雇用」労働者も含めた未組織労働者への影響力を強めようとしている。「産別労組の交渉力」をもって、「日の丸」を掲げる反共主義と労使協調路線のUAゼンセンが地域連合労組の組織化対象に触手を伸ばすことを許してはならない。

〈金属労協(JCメタル―旧IMF・JC)第51回定期大会〉

 金属労協(205万人)は9月の定期大会で規約を改定して英文略称をIMF・JCから「JCM(呼称JCメタル)に変更した。金属労協が加盟していた国際産別組織(GUF)である国際金属労連(IMF)が六月に国際化学エネルギー鉱山一般労連(ICEM)、国際繊維被服皮革労組同盟(ITGLWF)と組織統合し、新たなGUFである「インダストリオール・グローバルユニオン」が誕生したためである。

 「インダストリオール・グローバルユニオン」には、自動車、電機、鉄鋼、造船などの金属関係の基幹産業のほか、石油、ガス、鉱業、発電、配電、化学、繊維など多様な製造業の産別が結集している。140ヵ国の5000万人の組合員を擁する世界最大のGUFとなった。3つのGUFが統合した背景には、企業の合併・買収や国際化が進み、加盟産別によっては複数のGUFへの加盟を余儀なくされていたことがある。

 金属労協は資本と運命を一つにする帝国主義労働運動としてますます純化している。金属労協傘下の自動車総連は定期大会で「日系企業での労使紛争を未然に防止する」と、資本に屈服せず労使協調路線と対決する日系企業の労働組合破壊を自分たちの活動方針としている。また、「非正規労働者の組織化を強化する」と、本工の利害を防衛するために「非正規雇用」労働者を秩序付け、制動することを臆面もなく明らかにしている。さらに、大資本の利害を自らの利害として「TPP参加推進」を方針として確認した。基幹労連の定期大会では「電力の安定供給は生命線。代替エネルギーがない限り、原発は安定供給に必要だ」(東京製鉄労組)なぞと原発再稼働の要求が相次ぎ、さらに「造船不況」がせまるなかで「潜水艦、護衛艦など自衛隊正面装備の拡充を掲げる産業政策を実現させよう」(川崎重工労組)と軍需産業拡大を求め、「グローバル競争で日本のものづくり産業を守る基幹労連が、このような大会の場で国旗を掲揚することを強く求めたい」(IHI労連)と、「国旗掲揚」を要求する意見も出た。電機連合の定期大会では委員長・有野が消費税増税法の成立を賛美し、「社会保障と税の一体改革」のさらなる推進を煽動し、民主党を離党した小沢を「増税反対、原発再稼働反対を掲げ、選挙だけを意識した大衆迎合主義では、国の未来はない」と批判した。また、中部電力労組の定期大会に来賓としてあいさつした東京電力労組委員長・新井は「(東電に)不法行為はない。国の認可をきちっと受け、現場の組合員はこれを守っていれば安全と思ってやってきた」と東電資本の全面擁護と自己弁護を繰り返し、「脱原発」を口にする民主党に対しては「裏切った民主党議員には、報いをこうむってもらう」と恫喝した。

 下請け労働者、「非正規雇用」労働者、アジアをはじめとする海外の労働者を踏み台にして帝国主義足下の本工・産業下士官としての利害にしがみつく帝国主義労働運動を一刻も早く打倒しなければならない。

〈自治労第84回定期大会〉

 自治労は8月30日、31日に、函館市で第84回定期大会を開催した。委員長あいさつで徳永は野田政府が国家公務員の「給与削減法」だけを成立させ、「公務員制度改革関連法案」を昨年六月に上程したまま放置していることを批判した。しかし、「昨年5月の『労使合意』の無視であり、とうてい容認できないが政府・民主党に誠意ある対応を求めたい」と、あくまで民主党にすがっていく姿勢を示している。また、野田政府が地方公務員にも協約締結権を与え、消防職員に団結権を認める法案を未だに提出していないことに対して「政権を支持していたわれわれの期待を損なうものであり、極めて遺憾であると言わざるを得ない」と非難した。しかし、6月に開催され「連合」会長・古賀も出席した野田政府の「行政改革懇談会」の場では、JR東海の会長・葛西は、「利益を生み出さない公務員に協約締結権を与える必要なぞない」と発言し、「日本航空(JAL)再建」で大量の解雇攻撃を強行した京セラの稲盛もこれに同調しているのだ。資本にとって「行政改革」―「公務員制度改革」攻撃の目的は、公務員労働運動の解体であり、それを通した「外注化」、「民営化」、「非正規化」の強行以外にあり得ず、自治労本部が懇願する「労働基本権」なぞ歯牙にもかけてはいないのである。自治労本部は「自分たちが支持する政党―民主党が政権を取ったから自分たちの要求も通るだろう」なぞと、資本と労働者階級の非和解性や階級支配の現実とは無縁になっている。刑事弾圧や処分覚悟で闘った「スト権スト」の地平も捨て去り、ひたすら「公務員の労使関係の近代化」や「自律的労使関係」といったお題目を唱えて闘争を放棄し、政権党にすがる集団に成り果てている。そうであるが故に、自治労傘下の単組のなかには自治労からの脱退を決定する単組も出てきている。

 このような自治労本部の無残な状況のなかで、定期大会で決定した「2012年賃金確定闘争」など15本の方針も、「国家公務員給与の削減を地方公務員に拡大させないための方針」などの防衛的なものに終始している。その内容にしても「地方公務員については地方交付税、義務教育費国庫負担金を減額しないとした労使確認・閣議決定がある」なぞとひたすら民主党頼みになっている。また、「官製ワーキングプア問題」として自治体職場で「非正規雇用」が拡大し、全国で60万人にも達している問題についても「民主党総務部門会議が自治体の判断で一時金など諸手当を支給できるようにする地方自治法改正案を了承した」から「非正規職員にも一時金、手当てが支給できるメドがついた」「前進の兆しだ」なぞと、公務職場で「非正規雇用」が存続することを当然と考え、自慢げに報告する始末だ。

 2002年から2011年までの10年間に国家公務員は約80万人から約30万人に削減されている。経済開発協力機構(OECD)加盟国のなかで、全労働者数に占める公務員数の比率は日本が最も低くなっている。全国の自治体で「非正規雇用」で働く労働者60万人の多くは保育園や病院、学校給食など、住民に身近な公務・公共サービスで基幹的業務を担っている。労働者人民の生活に係る自治体業務は「定数削減」―「非正規化」攻撃によって劣悪になっている。「定数拡大」「増員要求」の方針を掲げることもせず、「『任期の定めのない短時間公務員制度』を創設するとともに非正規職員の雇用制限をなくし、正規職員とワークシェアリングできるようにすることなどが必要だ」なぞと自治体職場での「非正規雇用」を前提とし、固定化する自治労本部を許してはならない。

 今大会で自治労は地方自治体の交通事業(バス・地下鉄・路面電車)の労組で構成する都市交(2・7万人)との組織統合について、来年1月の臨時大会で最終的に決定することを盛り込んだ組織統合方針を決定している。

〈国労第81回定期大会〉

 国労は7月26、27日に、熱海で第81回定期大会を開催した。
 昨年の定期大会で「国鉄闘争の終結」「闘争団員の組合員資格剥奪」「闘争基金の清算」を決定し、「健全な労使関係確立をめざす」と宣言した国労は帝国主義労働運動・「連合」への合流にむけた動きを加速させている。国労はこの一年間、JR資本が強行する業務の「外注化」攻撃への屈服、JR資本への忠実度を競い合う「新人事・賃金制度」受け入れ、「非正規化」―使い捨ての容認と、労使協調、本工主義への純化を深めた。JR東日本が6月19日、車両検修などの業務の「外注化」を提案した。これに対して国労東日本本部はJR東労組とともに受け入れ、妥結した。これによって10月1日から「転籍強制」、「偽装請負」を前提とした車両検修業務の「外注化」が強行されている。国労東日本本部はこれを受け入れた理由を「会社から『偽装でないようにする』という回答を得たから」なぞと言っている。昨年1月にJR東日本が提案した「新人事・賃金制度」についても国労東日本本部は本年2月に「公平・公正な試験制度の運用」「管理者の恣意的な判断を排除」「透明性のある人事考課の実施」が担保できたとして妥結した。これによってJR東日本では四月から給与表が廃止され、労働者に分断と競争を強制する賃金・人事制度が導入されている。さらに3月には国労本部は雇い止めされた「グリーンスタッフ」(契約社員)を闘争団員と同様に「JRと雇用関係がない」という理由をもって組合員資格を剥奪して排除した。

 定期大会で委員長・石上は「安全かつ安心して働き続けることのできる明るい職場づくりはJR会社との健全な労使関係なくしてあり得ない」と言い放った。「健全な労使関係」とはJR資本の経営方針や労務対策には決して異議を唱えずに受け入れるということだ。そして、国労は労使協調路線で本工の利害の防衛をひたすら追い求める集団に成り下がるということだ。これを実践してきた石上は大会あいさつでJR資本が強行する「外注化」に言及したものの、一切「反対」の言葉は出さなかった。また、昨年の定期大会で「『連合』への加盟の時期が来ている。検討課題だ」と言及したことについて追及されると、「中執では『連合』問題について議論はしていない」というごまかしに終始した。10月23日、国労東日本本部は車両検修業務から駅業務にいたるまでの「外注化」、競争と分断の賃金制度導入、「非正規雇用」労働者使い捨てを強行するJR東日本に一切反対しない誓約として「総合労働協約」を締結した。

〈日本郵政グループ労組(JP労組)第5回定期大会〉

 JP労組(24万人)は6月13日〜15日に都内で定期大会を開催した。
 大会冒頭のあいさつで委員長・臼杵は、宅配便統合などに失敗して1000億円以上の赤字を発生させた郵政資本の責任には一切言及せず、「黒字必達」を叫び、「頑張った社員を正当に評価し、頑張りを支えるための仕組みの整備が必要だ」と郵政資本が打ち出した「新人事・給与制度」の受け入れを組合員にせまった。

 郵政資本は内部留保を四兆円も計上しながら、「1000億円の赤字」を最大限利用して年1・3ヵ月分の一時金削減、勤務日数や時間の削減、「非正規雇用」労働者4万6000人の「雇い止め計画」策定、1万人を超える「非正規雇用」労働者の「雇い止め」を強行している。JPグループ全体では20万人以上の「非正規雇用」労働者が働いている。日本で最も「非正規雇用」労働者が多い企業だ。「非正規雇用」労働者の8割が労働組合には入っていない。亀井静香の号令で郵政資本が渋々開始した「『非正規雇用』労働者の正社員化」も、今年は「時給制契約社員」については中止している。これらの攻撃によって現場では慢性的な要員不足と過重労働が蔓延しており、交通事故、郵便事故が多発し、強制された過重な販売ノルマを達成するための「自爆営業(商品の買い取り)」や、パワーハラスメント(地位を利用した精神的暴力)が深刻化している。

 これらの攻撃に加えて、郵政資本はさらに基本給を2割削減して人事評価に応じた成果給の割合を増やし、「月給制契約社員」と「正社員」の中間に「新一般職」を設けて給与を引き下げるという「新人事・給与制度」を打ち出している。郵政資本の狙いは労働者同士を極限的な分断と競争に叩きこみ、団結をズタズタに解体することだ。

 これらの攻撃に何一つ闘わず、郵政資本と一体となって「黒字必達」なぞと叫び、選挙戦への動員ばかりを号令するJP労組本部に対して現場では不満が高まっており、大会では「新人事・給与制度」受け入れ方針について、賛成378票に対して反対が約2割の87票も出る結果となった。郵政資本の合理化攻撃は丸呑みし、「ゆうメイト」などの「非正規雇用」労働者に低賃金、不安定雇用を押しつけ、本工の利害防衛に終始するJP労組本部を突破して闘う郵政労働運動の建設を何としても実現しなければならない。