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4・26法相・谷垣による死刑執行を弾劾する(1057号8面)

2人の死刑執行を徹底弾劾する

 4月26日、法相・谷垣の死刑執行命令により、2人の死刑囚の死刑執行が東京拘置所で強行された。東京拘置所に収監されていた浜崎勝次死刑囚と、宮城吉英死刑囚が、国家権力の手によって虐殺されたのである。

 昨年12月に安倍極右政府が発足してから早くも2度目の死刑執行であり、前回の執行からわずか2ヵ月と、死刑執行のハイペースぶりに拍車をかけるものとなった。安倍政府による死刑執行は、これで計5人となった。死刑執行にあたり法相・谷垣(前自民党総裁)は、「死刑制度の存廃について様々な議論はあるが、必要なものとして国民の認知は得ている」「記録を精査した上で判断した。執行の間隔に特段理由があるわけではない」と言いなした。法相・谷垣は、今後も粛々と死刑を執行していく姿勢を改めて強調したのだ。

 前回の死刑執行から2ヵ月足らずの間にも司法権力による死刑判決が乱発され、今回の執行前の段階で死刑囚は136人に膨れあがっていたが、この執行によって、全国の拘置所に収監されている死刑囚は134人となった。
 法相・谷垣による2人の死刑執行を徹底弾劾する。

 日帝・法務省は、死刑執行にあたり今回も死刑囚の名前と犯罪事実、執行場所を公表している。ブルジョア・マスコミを使って犯罪事実を大々的に宣伝することで、死刑囚が「凶悪な人格」であることを印象づけさせている。このことで、「これだけ凶悪な人間ならば、死刑で当然」ということをアピールし、「死刑推進の世論」を形成しようというやり方である。法務省は、今回もまた、死刑執行に対して都合の悪い情報は伏せたまま、ただただ「死刑執行支持の世論」を作り、死刑反対運動を圧殺することを目的に「情報公開」を行なったのである。

 今回、死刑が執行された2人は、暴力団・山口組系の組員であった。千葉県市原市で2005年に暴力団組長2人を射殺した事件で、2人の死刑が確定していたものであるが、死刑確定から執行までの期間が大幅に短縮されている。昨年までの10年間の平均では約5年7ヵ月だが、浜崎死刑囚は確定から1年4ヵ月という早期の執行となった。千葉地裁は2005年に宮城死刑囚を、2007年に浜崎死刑囚をそれぞれ死刑とし、東京高裁もこの判決を支持。そして、最高裁は宮城死刑囚に対して2009年6月に、浜崎死刑囚に対して2011年12月にそれぞれ上告棄却決定をうちおろし、死刑が確定していた。谷垣は、今回この2人の死刑囚を選んだ理由について「個別の執行をどういう風にしたか、お答えは差し控えたい」としているが、できるだけ死刑執行への批判が起こらないような人格を特定して執行することで、死刑執行の既成事実を積み上げ、大量執行へのレールを敷こうとしているのは明白である。

死刑制度撤廃をかちとれ

 政府主導で形成された、「死刑執行を望む世論」なるものを「追い風」に、司法権力による死刑判決が乱発されている。殺人事件の起訴に対する第一審での死刑判決の割合が、直近の5年間で、戦後の混乱期並みに増加するまでになっている。裁判員制度導入の結果もあり、厳罰化傾向が顕著に出てきている。こうして死刑囚の数は増え続けている。「収監されている死刑囚の数が多すぎる」なぞとする「世論」を受けながら、安倍政府はさらに死刑執行を強行しようとしている。

 そんな日帝政府に対する非難が、世界中から上がっている。歴代の日帝政府は、国連総会決議、国連人権理事会の普遍的定期審査、そして国際人権規約委員会の勧告等で、再三、死刑の廃止に向けて努力することを強く要請されているが、一切無視を決め込んだままである。昨年12月20日には、国連総会において、全ての死刑存続国に対し、死刑廃止を視野に執行を停止するよう求める決議が、過去最多の111ヵ国の賛成多数で採択されているにもかかわらず、である。4月10日には、国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルが2012年の死刑執行に関する報告を発表。2012年に計7人の死刑を執行した日帝政府を「残念な後退」と名指しで批判している。なお報告書によると、2012年には全世界で少なくとも、前年比2人増の682人の死刑が執行された。新たに死刑判決を受けたのは58ヵ国で1722人を数えた。ただ、イランなどとともに「ワースト5」に挙げられた中国が執行数を公表していないため、実際の執行人数は大幅に上回るとみられている。いずれにせよ、主要帝国主義国で死刑執行を継続しているのは日帝以外には米帝だけであり、しかもその米帝にしても、今年3月15日にメリーランド州で死刑廃止法案が州議会を通過し、法律で死刑を廃止する18番目の州となるのは確実となっているのである。2012年度に米帝足下で死刑を執行したのは、9つの州のみとなっている。あの米帝ですらも死刑廃止に向かっているにもかかわらず、日帝は世界の死刑廃止の潮流に背を向け続けている。

 「死刑執行を望む世論」にしても、世界の国々では死刑廃止を決定するにあたり、「世論」の多数が死刑支持であったところを転換させている。日帝足下では、政府の「まず死刑執行ありき」の姿勢が、「世論」を誘導しているにすぎない。そのやり口は、今回の谷垣も同様である。谷垣は、「一国の治安の維持、あるいは一国の国民感情、国民の安心・安全をどう確保していくか、そういった観点をまずしっかり考えるべきではないかと思っている」と、あたかも死刑制度が支持され、制度の維持は「犯罪の抑止に役立っている」がごとき発言をしている。「抑止力」の観点から見ても、「死刑が犯罪を抑止する」という、説得力のある科学的証拠は一貫して得られておらず、実際には「犯罪抑止力」に結びついていないことは、今日の世界的な共通認識となっている。

 実際には、国家権力による虐殺行為そのものである死刑執行自身にたいする、労働者人民の広範な疑問があるのは間違いない。警察権力が無実の労働者人民を不当逮捕してウソの「自白」を強制し、「物的証拠」を平気で捏造し、司法権力が追認して労働者人民を監獄に叩き込んでいく横暴ぶりが暴露されている。労働者人民のあいだで、そんな国家権力に対する広範な怒りが噴出しているのである。

戦時体制形成をみすえた治安管理強化を許すな

 安倍極右政府は、明確に朝鮮反革命戦争突入とファシズムへの接近を意識しながら、今後も死刑執行を積み重ねようとしている。安倍政府は、狡觜饉腟舛虜納紊隆牒瓩日帝であることを自覚するがゆえに、戦時体制形成に突き進むなかで、治安管理強化に突撃している。その前提として、死刑制度がある。あたかも犯罪それ自身が犯人個人の「自己責任」であるかのごとく言いなしながら、死刑判決が司法権力によって乱発され、国家権力による虐殺が正当化され、既成事実化されていくのである。

 何より、死刑制度そのものが戦時体制形成の一環としての攻撃であることを見逃してはならない。安倍極右政府は、死刑制度を堅持することで、かつての治安維持法弾圧のように、戦争に反対する者や勢力を極刑によって爐澆擦靴甅瓩箸靴撞垰Δ掘△△襪い六犒瑳更圓鰈喝することで組織壊滅型弾圧を加速させようとしているのだ。そして、日帝国家権力は、東アジア反日武装戦線や連合赤軍の死刑執行にも踏み込もうとしている。

 現在、安倍政府は「共謀罪」新設をも見据えた治安管理強化を進めている。おりしも、安倍政府は労働者人民の一元管理を狙った「共通番号制導入」のために、「マイナンバー法」の今国会での成立に突き進んでいる。また、安倍政府は発足直後から「盗聴法」改悪を声高に叫び立てている。安倍政府の意を受け、法制審議会特別部会は、捜査当局にとって都合のよい部分的な録音・録画の検討、「盗聴法」の改悪、「刑事免責制度」などの導入についても具体的な検討に入っている。くり返し広範に起こる「取り調べ可視化」要求に対し、安倍政府はそれを逆手にとり、警察・検察に有利になるような制度改悪へとすり替えてしまおうと画策しているのである。現在でもやりたい放題の弾圧を進める公安警察どもに、今まで以上の組織壊滅型反革命弾圧のフリーハンドを与え、一挙に治安維持法弾圧を再来させようというのだ。労働者人民を管理・統制し、弾圧と戦争動員を狙う安倍政府の策謀を、阻止しなければならない。

 安倍政府の戦争政策の一環としての治安管理強化なぞ、断じて許してはならない。労働者人民の闘いで死刑制度を撤廃しよう。戦争遂行にひた走る安倍極右政府を打倒し、日帝国家権力解体へ進撃しよう。