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5・14「共通番号制度法」成立阻止闘争に決起(1060号8面)

 国会議事堂前駅に登場し、国会に肉迫

 安倍極右政府が、国家権力の下に戦時体制形成のために、労働者人民のあらゆる情報を掌握し、管理・監視・統制・支配の道具として使うための「共通番号制度法」(「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律などの四法」)を成立させようとしている。

 「共通番号制度法」案は、3月1日に安倍政府により国会に上程され、3月22日から衆院内閣委員会で審議を開始し、4月26日に内閣委員会で採決、5月9日に衆院本会議で共産党、社民党が反対する中で可決し、参院に送付された。現在、参院内閣委員会で審議されており、今国会で何としても成立させようとしている。

 反戦・全学連の部隊は、「共通番号制度法」案が衆院で可決されたことを弾劾し、「共通番号制度法」成立阻止の闘いに決起した。

 5月14日午前10時、青ヘルメット、青ゼッケンに身を固めた部隊は、国会直近の地下鉄国会議事堂前駅に登場し、国会へ進撃を開始する。わが部隊の登場に戦々恐々とする権力は、機動隊、警視庁公安を動員し、弾圧のシフトを強いて襲いかかってくる。これをものともせず、反戦・全学連の部隊は、「『共通番号制度法』の成立を阻止するぞ」「労働者人民への治安管理強化を粉砕するぞ」「戦時体制形成を粉砕するぞ」とシュプレヒコールをあげる。権力はヘルメットを奪い、横断幕、ゼッケンを引きちぎろうとするが、部隊はこれを跳ね返し、断固とした闘いをうちぬいた。

 続いて、反戦・全学連の部隊は、11時にJR御茶ノ水駅頭に登場する。労働者人民に「共通番号制度法」の攻撃を明らかにし、ともに闘うことを呼びかける情宣を開始する。駅頭を通過する労働者人民の関心は高く、立ち止まって横断幕を見る人、ビラを撒く同志に声をかけビラを受け取り激励していく人が何人もおり、用意したビラは吸いこまれるように減っていく。約一時間の情宣を終え、最後に再び「『共通番号制度法』の成立阻止!」「労働者人民への監視・管理強化粉砕!」「戦争動員体制の形成粉砕!」「朝鮮反革命戦争粉砕!」「差別主義・排外主義攻撃粉砕!」とシュプレヒコールをあげ、この日の闘いを終えた。

 「共通番号制度」とは、住民基本台帳に記載された者(在日朝鮮人などの特別永住者と3ヵ月以上日本に滞在する中長期在留外国人=「在留カード」発行対象者を含む)すべてに共通番号を振り、あらゆる情報を掌握し、管理・統制・支配の道具として使うためのものである。

 「共通番号制度法」が成立すれば、2015年秋までにすべての労働者人民に背番号(共通番号)を振り、2016年1月以降にその番号を記載した「通知カード」を郵送し、この「通知カード」と引き換えにICチップの入った顔写真付きの「個人番号カード」を交付するとしている。

国家権力による労働者人民の管理・監視・支配の一元化を粉砕せよ

 昨年、野田政府は、消費税率引き上げと一体のものとして「共通番号制度」を持ち出し、国会に上程した。消費税率引き上げに関わって給付付き税額控除制度などを実施するために「共通番号制度」は必須としてきたのだ。しかし、安倍政府の下で持ち出された「共通番号制度」は、その大義名分すらかなぐり捨て、「共通番号制度」を導入することが自己目的化されている。

 「共通番号制度」の本質は、1970年代から自民党がくり返し持ち出し、そのたびに労働者人民の反撃によって粉砕されてきた「国民総背番号制」そのものだ。

 「共通番号制度法」案の第一条(目的)は、「行政による国民情報管理を効率化すること」と規定している。これは国家権力が労働者人民の年金・医療・介護・保育などの社会保障の負担と給付の状況や税・所得情報などのあらゆる個人情報(プライバシー)を一元的に掌握・管理し、労働者人民の監視と統制・支配のために野放図に情報を利用できるようにするということだ。「共通番号制度」によって、労働者人民の情報は警察や裁判所などに「その他政令で定める公益上の必要」を名目にしてフリーパスで提供される。提供を受けた警察や裁判所は、「法」成立とともに設置される「特定個人情報保護委員会」による立ち入り検査などの監督も受けることはない。労働者人民は自分の個人情報をどの国家権力―行政機関が利用したのかについて確認することもできない。まさに知らないうちに国家権力が労働者人民の情報を掌握できるシステムが作られるのだ。

 2017年1月からは国税庁や日本年金機構が「共通番号」で個人情報を交換することを可能にするという計画を打ち出している。

 「共通番号制度」の運用については、当初は税、社会保障、防災の三分野で開始するとしているが、「税・社会保障・防災の分野に限定」と言っても、「法」案の別表に挙げられている利用対象は膨大であり、公営住宅の管理や日本学生支援機構の奨学金利用も含まれている。さらに、「施行後3年をめどに利用範囲の拡大を含めた見直しを検討」とされ、民間での利用拡大を検討することが明記されている。電気・水道・ガスなど公共料金関係から開始される可能性があると言われている。そうなれば、「通知カード」か「個人番号カード」がなければ、行政手続きだけでなく、就職(ハローワークでの求職活動)、病院での診療、ライフライン(電気・水道・ガスなど)の契約などができなくなる。まさに、労働者人民の生活総領域が、国家権力によって常時監視される「個人番号カード」なしではできなくなるのだ。さらに、「国家による身分証明書」たる「個人番号カード」の受け取り、所持を拒否する労働者人民は「非国民」扱いを受けることにもなる。

資本に利益を提供し、戦時国家体制形成へと突き進む「共通番号制度」を粉砕せよ

 NTTやNECなどのIT産業などには、「共通番号制度」のシステム構築のために総額数千億円もの膨大な資金が提供される。個人情報をビジネスのネタにしている資本にとっては「既存ビジネスの効率化」「新たなビジネスの創造」による収益源となる。すでに日本経団連は2010年12月に「私たちは、番号制度の導入を支持します」なるパンフレットを発行し、日本生産性本部が事務局となり、大企業の経営者たちや「連合」会長が幹事に名を連ねた「私たち生活者のための『共通番号』推進協議会」なるものも発足している。

 また、日本経団連など経済界は、露骨に「(『共通番号制度』の)利便性と効率性を高めるためには、広く民間利用を認めるべき」と要求している。首相・安倍は5月10日、参院内閣委員会の冒頭で「個人番号を民間で幅広く利用できるようにし、成長戦略に結びつけることが重要という意見もある」と答弁し、利用範囲の拡大の意図をあからさまにした。

 民間において「共通番号制度」が利用される場合、資本にとってその利用価値は膨大なものとなる。「共通番号」で示される多数の個人情報が収集され、交換、結合されれば、膨大な量の個人情報が「資産価値」を産み、営利目的で利用されるのだ。

 日帝がモデルとしたアメリカの「共通番号制度」やスウェーデン、韓国の「共通番号制度」などでは、個人情報の大量流出や「なりすまし犯罪」が多発し、社会問題となり、手に負えない状況となっている。銀行口座をはじめ各種のIDやパスワードがセキュリティーのために「頻繁な変更を」と言われている時代に、「生涯一番号」が危険極まりないものであるということは、誰の目にもあきらかである。

 もう一点明らかにしなければならないのは、「秘密保全法」との関係である。「秘密保全法」では、国が「秘密」と指定できるものを、々颪琉汰粥↓外交、8共の安全及び秩序の維持としている。「公共の安全及び秩序の維持」なるものは対象が極めて不明確であり、いくらでも拡大できる。

 「秘密保全法」では、国の情報は労働者人民には知らせない、「共通番号制度法」では、労働者人民の情報は国が集約して管理・監視するという。こうして戦時国家体制が着々と形成されようとしているのだ。

 「共通番号制度」の強行成立を狙う安倍・自民党の目的は、朝鮮反革命戦争を遂行するための戦時体制を構築することだ。労働者人民を戦争に動員するために、あらゆる情報を国家権力が掌握するシステムを構築しようとしているのだ。

 この攻撃を粉砕する闘いは、反革命国会を粉砕し、革命的反戦闘争の爆発で安倍政府を打倒することだ。労働者人民のあらゆる情報を一元的に管理・支配し、労働者人民に極限的な犠牲を強制し、戦争突撃を強める安倍政府に、労働者人民の怒りを実力・武装の闘いとして爆発させ、「共通番号制度法」を粉砕しよう!


 多くの労働者人民の反対にもかかわらず、「共通番号制度法」は、5月24日、参院本会議で可決・成立した。これを徹底して弾劾するとともに、施行を何としても阻止すべく闘いぬかなければならない。