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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

4・19「ノーモアJR尼崎事故 生命と安全を守る4.19集会」とデモが闘われる〈尼崎〉 (1099号1面)


 2005年4月25日、107人の命を奪い562人の負傷者を出した「JR尼崎脱線事故」が発生し、今年で9ヵ年を迎えた。
 4月19日、野坂昭生氏・小山敏夫氏・桐生隆文氏・小西純一郎氏・丹羽通晴氏・佐野修吉氏・有田修氏・藤原浩二氏・三塩和敏氏が呼びかけ人となった「ノーモア尼崎事故、いのちと安全を守る集会実行委員会」主催で、尼崎での集会と事故現場への追悼デモ・献花行動が取り組まれた。「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」の仲間も結集した。

呼びかけ人の有田修氏による基調提起

 午後2時から、JR尼崎駅のすぐ近くにある尼崎・小田公民館ホールで約100人の闘う労働者の結集で集会が開始される。

 国労大阪地区本部の仲間が開会のあいさつを行ない、続いて元「国労闘争団を支援する京都の会」事務局長の小山敏夫氏が主催者あいさつを行なった。小山氏は、「事故の問題はまったく解決していない。JRが誰も事故の責任をとらないなかで、この集会を取り組んでいくことは非常に意義がある」とし、「2年前の集会で、地脇さんが講演でJR北海道はもっと深刻な状況になるのではないかと指摘したが、そのとおりになってしまった。分割・民営化の神話が生き続けているなかで、このことに警鐘を鳴らし続け、反対の声をあげていかなければならない」と述べた。

 続いて、基調提起が国労兵庫地区本部の有田修氏によって行なわれる。基調は、。複卆焼本の現状とJR北海道の不祥事は同根である、∧割・民営化以来増大する公共性の軽視、「儲けを優先」する体質、あらゆる職場に蔓延する効率主義、現場労働者の疲弊、人権軽視、す舁化・利益優先が招く大事故・大惨事はJRだけの問題ではない、の4点について提起された。

 一つ目では、「山崎元社長及び歴代三社長の裁判が無罪となるや、職場では社内増収の強要・事故や作業のミスを労働者個人に押し付ける社風が復活し、事故当時の上意下達・専制的な職場支配をするための労務管理・労働者いじめが横行。社員間の競争を一層煽っている」とし、「レール検査値捏造をはじめとするJR北海道のトラブルや不祥事だが、その主たる要因はJR尼崎事故と同様である」ということが強調された。

 二つ目では、JR西日本は「昨年、新たな中期経営計画と安全行動計画を掲げ、労働者に犠牲を強いるさらなる大合理化を始めた」とし、合理化の実態として「契約社員等『非正規雇用』労働者の拡大(現在西日本で約3000人)、運転士の『日勤教育』など労務管理の強化、保線・電気職場の見張りや点検業務の省略・外注化、などである」「外注労働者の重大な労災が相次ぎ、昨年8月には保線作業中に橋脚から転落死する事故まで発生している」ということが明らかにされた。

 三つ目では、「効率化という名の合理化で社員数も国鉄時代の半分以下となっている。40歳代不在のいびつな年齢構成で技術継承も深刻。重要な検査業務はグループ会社などに外注化されそこでも長時間過密労働とサービス残業が蔓延している」とした。

 四つ目では、日本航空が2010年に強行した165人の「整理解雇」の結果、出発前の緊急装置の点検忘れや非常装置の切り替え忘れ、骨折して乗務した機長がいた事実を長期にわたって隠していた、などなど1985年の御巣鷹山事故がいつ起きてもおかしくない事態となっていることが明らかにされ、また「ますます広がる規制緩和や劣悪化する『非正規雇用』労働者の実態は深刻である。公共交通の民営化に反対の声を拡げていくための産業を超えた連携が必要となっている」ということが強調された。

「鉄道安全問題研究会」の地脇聖孝氏が講演

 次に、「噴き出す分割民営化の破たん―北海道そして西日本」と題して「鉄道安全問題研究会」の地脇聖孝氏が講演を行なった。地脇氏は、「JR北海道で今、何が起きているか」として、「。複卷務て擦乃きていること ⊃邑困蕕靴範働強化 3庵躄修筏蚕僂諒壊 は働組合の動き ダ府・自民党の動き μ燭茲螢ネの民営化から、再国有化を!」の6点を提起した。地脇氏は、「JR北海道で起きていること」で、JR北海道でこの間、重大事故が何度も起きているが、レール検査データ改ざん、レール検査・補修の放置など保線業務がろくに行なわれておらず、重大事故が続く背景が極端な人減らしと労働強化というすさまじい合理化攻撃によるものであることを指摘し、「JR北海道の社員数は、国鉄分割・民営化の時点では1万3000人だったが、2011年の石勝線列車火災事故の時点では7100人、現在はさらに減って6800人とほぼ半分になってしまった。営業キロ1キロメートル当たり社員数はJR北海道は際立って少なく2・72人で、最多のJR東海の9・18人と比べると3分の1で、そもそも営業キロではJR東海よりも長いJR北海道が、この労働者数で安全な鉄道を維持できるほうがおかしい」と具体的数字をあげてJR北海道の極端な人減らしの実態を明らかにした。地脇氏はさらに、「北海道に限らず、JR各社では分割・民営化前後の極端な採用抑制と人員削減の結果、会社の中核を担うべき40歳代の社員が全体の一割しかいない。人員削減と強引な列車増発で労働者が極限まで追い詰められていることが重大事故続発の背景だ」と述べた。JRの人員削減と関連することとして、地脇氏は「外注化による技術の崩壊」もあわせて指摘し、具体例として、車両整備や保線は外注化され作業はすべて下請業者が行なっていること、その背景として、優れた技術を持っていた労働者が、国鉄分割・民営化で所属組合を理由に大量解雇され下請労働者に置き換えられたことなどをあげた。

 地脇氏は最後に、四人が死亡した英国のハットフィールド事故で、政府が民営化の失敗を宣言して、保線業務は非営利企業に移すという上下分離方式で「下」の再公有化を行なった例をあげ、「当面の緊急課題として、外注化をはじめとする合理化は直ちに中止すること」、「究極的な課題としては、信楽鉄道事故以来の鉄道事故は分割・民営化路線の延長線にある必然的な事故である以上、破綻した分割・民営化を改め、全国を一体的に運営する公共鉄道機関の復活・JRの再国有化が必要であること」として講演を終えた。

事故現場への追悼デモと献花行動

 続いて、各団体・労働者からの報告として、「JAL不当解雇撤回裁判原告団」、JR職場からの報告として国労大阪地区本部の藤原浩二氏、JR西日本元契約社員で「雇い止め」解雇された福本克基氏、大阪市交通労働者の安田匡氏、尼崎事故被害者遺族の藤崎光子氏が発言を行なった。
 国労大阪地本の藤原氏は、「増収活動や労務管理の強化など尼崎事故以前の状態に戻りつつある。窓口の出札業務はすべて契約社員や関連会社労働者に置き換えられている。契約社員は1年で契約更新、最長5年の契約で、3年たったら正社員登用試験が受けられるが合格率は30パーセントでたいへん競争が激しい」などJR職場の実態について語り、「尼崎事故の教訓を風化させてはならない」と発言した。

 大阪市交通労働者の安田氏は、橋下による「政治活動調査」アンケートと「入れ墨調査」アンケートをそれぞれ拒否して闘ってきたと語り、大阪交通労働組合執行部が闘う方針を出さないなかで、「入れ墨調査」拒否処分撤回と大阪市営交通民営化阻止を闘う決意を明らかにした。

 尼崎事故被害者遺族の藤崎光子氏は、「昨年9月に出た井手ら三者の裁判の判決は、JRが出した書面とそっくりで、なんと程度の低い判決だろうと思った。JR西日本の企業体質は一顧だにされなかった判決だった」と批判し、あくまでJR西日本の企業責任を追及していく決意を語った。

 集会の最後に、まとめとして呼びかけ人の野坂昭生氏が発言を行なう。野坂氏は、「中曽根政府が推し進めた国鉄分割・民営化以降、‥‥日本の労働運動が後退に後退を重ねた状況のなかで、『労働者派遣法』が拡大されている。労働者にとっては、まともに働いても食っていけないなかで、闘う者には徹底した弾圧が加えられている。お互いが実態を知り、手をつなぎ合って闘いを組織していかなければならない」「国鉄がJRになったとき、当時の大阪鉄道管理局の人事課長は、『箸にも棒にもかからない国労であるあなたは数が足らないから採用する」とこういうことを言い、私は本来の検修作業からすべて外され、雑作業を最後までやらされた。労働者が自らの政権を樹立した時に、てめえたちは銃殺だ、と思った。それぞれがおかれている立場や状況のなかで目いっぱい、新たな闘いに起ちあがろうではありませんか」と力強い発言で集会を締めくくった。

 午後4時30分、事故現場への追悼デモが開始される。デモ後、当時の傷跡がまだ部分的に生々しく残る事故現場のすぐ横で、デモ参加者による献花行動が行なわれた。参加者は、「二度と事故を起こさせない。生命と安全を守るため闘っていく」という決意を固め、この日の行動を終えた。