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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

7・6 「心神喪失者等医療観察法」施行九カ年糾弾!
対国立精神・神経医療研究センター(旧武蔵病院)デモへ
(1105号2面)

                         全国「障害者」解放運動共闘会議

「心神喪失者等医療観察法」の撤廃をかちとろう

 2005年7月15日、「精神障害者」を隔離し抹殺する「心神喪失者等医療観察法」施行が強行されました。全国「障害者」解放運動共闘会議(全「障」共)は来たる7月6日「法」施行9ヵ年への怒りを込めて「『心神喪失者等医療観察法』施行9ヵ年糾弾!対国立精神・神経医療研究センター(旧武蔵病院)デモ」を現地で闘います。すべての闘う「精神病者」、「障害者」、共に闘う労働者人民・学生に、この闘いへの結集を呼びかけます。 

 「心神喪失者等医療観察法」は、その目的に「病状の改善及びこれに伴う同様の行為の再発の防止を図り、もってその社会復帰を促進する」とあり、「犯罪行為」の原因を「心神喪失状態」などを引き起こした「精神障害」と規定しています。そして、「犯罪を行なった際の精神障害者」が「改善」されるまでは「同様の行為の再発」つまり「再犯のおそれ」があるから、特別な施設(保安処分施設)に隔離・拘禁するというものです。燹崟鎖西祿押廚「改善」しなければ「再犯のおそれ」があるから、地域では生きさせない瓩箸靴董∧欅遜菠施設に隔離・拘禁された人々は「精神障害者」としての存在自体を否定されるという、明らかな「精神障害者」差別法です。またこの「法」は、「医療法」ではなく、司法―国家権力に大きな権限を与える治安目的の「法」です。医療関係者が「もう入院の必要はない」と判断して「退院許可申請」を行なったにもかかわらず、裁判所が申請を却下した事例が相当数あることからも明らかです。国家権力が恣意的に、科学的根拠のない「再犯のおそれ」に基づいて「予防拘禁」できる点において、紛れもない保安処分です。

 日帝・政府は、「精神障害者」への差別を利用して、保安処分の導入を狙ってきました。「触法精神障害者」なる言葉で差別を煽り、「処遇困難者専門病棟」の建設をもくろんできました。しかしこれは、全国の「精神障害者」を先頭とした闘いによって頓挫しました。それでも保安処分導入に執着する日帝・政府は、2001年に大阪で起きた「池田小学校児童多数殺傷事件」の被告に精神病院への通院歴があったことに飛びつき、当時の首相・小泉は、「精神的に問題のある人が逮捕されても、また社会に戻ってひどい事件を起こす」と放言し、マスコミを総動員して、「精神障害者は危険」「何をするかわからない」という差別キャンペーンを大々的に張り、「心神喪失者等医療観察法」の制定へと大きく踏み出しました。そして、多くの反対を受けながらも、2003年7月10日、「心神喪失者等医療観察法」を成立させました。2005年の「法」施行後、5年間で、保安処分の適応を受けた「精神障害者」のなかから、「自殺」17人、「自殺未遂」23人が出ているとされており、まさに「精神障害者」抹殺の「法」です。しかも「重大犯罪」を対象にするといいながらも、かすり傷一つの軽傷でも適用されるなど、「法」の適用が乱発されています。

保安処分施設の建設阻止・解体へ

 「心神喪失者等医療観察法」は、保安処分施設の建設が進まず、「受け入れ」の態勢もままならぬまま、施行期日の2005年7月15日を迎えました。施行当時、全国で唯一の保安処分施設となったのが、旧武蔵病院(現在の国立精神・神経医療研究センター)でした。何が何でも「法」を施行せんとする政府の意を受けて、「法」施行の空白期間をなくすことに与したのが旧武蔵病院です。旧武蔵病院は、1940年に「傷痍軍人武蔵療養所」として設立され、1945年に旧厚生省に移管されて「国立武蔵療養所」となりました。都立松沢病院と同じく「ロボトミー」などを中心とした「治療的活動」という名の「精神障害者」虐殺を強行する悪名高い病院として存在してきたのです。2010年には「国立精神・神経医療研究センター病院」と名称を変更し、「神経研究所」「精神保健研究所」など合わせて七部門からなる国立精神・神経医療研究センターの病院部門として機能しています。国立精神・神経医療研究センターは、政府の医療政策を実践する機関として存在しており、「精神保健研究所」では「『心神喪失者等医療観察法』についての研究や普及啓発、治療技法に関する研究、精神鑑定及び精神保健観察のあり方に関する研究等を司ること」となっている。また「触法精神障害者の暴力行為に対する生物学的研究にも取り組んでいる」とされ、各部門相互が密接につながり、保安処分施設の存在を支えています。2010年には、全国で初めての「身体合併症治療の機能」を有した保安処分施設を開設しています。

新たな保安処分導入を許すな

 旧武蔵病院に続き、全国で続々と保安処分施設の建設が強行されてきました。昨年末現在で「指定通院医療機関」の指定数が3006ヵ所とされており、「指定入院医療機関」はすでに30ヵ所の病院が指定・運営されています。現在、山形県、愛知県での建設が準備されています。

 一方、厚労省障害保健福祉部の2014年度予算においては、「地域移行・地域定着支援などの精神障害者施策の推進」の項目に232億円が計上されていますが、そのうち「心神喪失者等医療観察法関係」には208億円(約90パーセント)が計上され、「高齢・長期入院の精神障害者の地域移行・地域定着支援の推進」には1・2億円しか計上されていません。「精神障害者の地域移行・地域定着支援の推進」とは名ばかりで、政府の政策が「精神障害者」を治安対策の対象として隔離・抹殺することに重点を置いていることは明らかです。

 保安処分施設の存在なくして、「心神喪失者等医療観察法」施行もありえません。「法」成立を許した今、「法」撤廃をかちとるための有効な闘いは、保安処分施設の建設を阻止し、解体する闘いです。差別糾弾闘争を武器に、保安処分施設に直接デモをぶつけ、「入院患者」との連帯をかちとっていきましょう。

 また、2014年4月1日から施行されている改悪「精神保健福祉法」では保護者制度が廃止され、医療保護入院―強制入院の要件として、精神保健指定医一名の診断と家族等(配偶者、親権者、扶養義務者、後見人又は保佐人などのいずれかの者)の合意での医療保護入院―強制入院が可能とされてしまっています。個人の意志は完全に無視・黙殺されているのです。これは「精神障害者」の基本的人権の一切を奪う行為であり、この「法」は「心神喪失者等医療観察法」と同様の「精神障害者」への隔離・拘禁の保安処分攻撃です。「心神喪失者等医療観察法」共々撤廃させましょう。

 法務省は、「精神障害者」に対する保安処分導入に続き、保安処分の運用対象を拡大することを狙っています。2006年に法制審議会「被収容人員適正化方策に関する部会」が設定され、「初犯者」「薬物犯罪者」を対象とする「刑の一部執行猶予」「社会貢献活動」という名の新たな保安処分導入が狙われてきました。保安処分の適用対象拡大に対する反対闘争が闘われましたが、安倍極右政府は2013年3月、「刑法等の一部を改正する法律」案と「薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律」案を閣議決定して参院に上程し、成立させました。改悪法においては「薬物使用等の罪を犯した者」は「再犯率」が高い、「初犯者」は「再犯」の恐れがあると決めつけ、「刑の一部」を長期にわたる「執行猶予」として課し、「保護観察」即ち、「執行猶予取り消し」の恫喝のもとに「社会貢献活動」を強制することによって、「善良な社会の一員」なるものにするとしています。「刑法」に「再犯の恐れ」を導入して保安処分の適用対象を拡大しようとしているのです。「刑法」改悪―新たな保安処分導入を許してはなりません。

 本闘争は、第1に、「精神障害者」差別にもとづく保安処分法である「心神喪失者等医療観察法」施行9ヵ年を糾弾し、闘う「精神障害者」を先頭とした差別糾弾闘争の飛躍をとおして、「心神喪失者等医療観察法」撤廃をかちとるための闘いです。第2に、保安処分施設を全国に先駆けて建設した国立精神・神経医療研究センター(旧武蔵病院)を糾弾し、保安処分施設を解体すべく闘いぬくことです。これを突破口として、全国の保安処分施設の建設を阻止し解体しましょう。第3に、「心神喪失者等医療観察法」施行を導水路として策動されている新たな保安処分導入を阻止し、刑法の改悪を阻止する闘いです。

 差別糾弾闘争と労働者階級との階級的共同闘争で戦時「障害者」差別―抹殺攻撃と全面対決しよう! 「安楽死、尊厳死の法制化」攻撃を粉砕しよう! 改悪「精神保健福祉法」の撤廃をかちとろう! 改憲と核武装に突き進む安倍極右政府を打倒しよう! 「障害者」差別を生み出すファシズム、帝国主義を打ち倒し、共産主義社会の建設をとおして「精神病者」解放・「障害者」解放をかちとろう! 「心神喪失者等医療観察法」施行九ヵ年糾弾! 対国立精神・神経医療研究センター(旧武蔵病院)デモを闘おう!

〈編集部責任転載〉