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8・29 法相・谷垣による死刑執行を弾劾する (1115号12面)

死刑執行を徹底弾劾する

 8月29日、法相・谷垣の死刑執行命令により、またもや2人の死刑囚の死刑執行が強行された。仙台拘置支所に収監されていた小林光弘死刑囚と、東京拘置所に収監されていた高見沢勤死刑囚が、国家権力の手によって虐殺されたのである。

 前回の死刑執行時からわずか2ヵ月での執行であり、死刑執行のペースがより早まっている。そして2012年12月に安倍極右政府が発足して以来、法相・谷垣による死刑執行は、ついに6度目を数え、執行者数は11人となった。安倍政府の死刑執行の突出ぶりがいよいよ際立っている。2006年の第1次安倍政府時の10人と合わせると、通算21人にもなる。今回の死刑執行によって、全国の拘置所に収監されている死刑囚は125人(再審開始決定により釈放された袴田厳氏は除く)となっている。

 死刑執行当日、法相・谷垣は「いずれも身勝手な理由で尊い人命を奪った事件。遺族は無念このうえないと思う」「わが国には死刑制度があり、法務大臣は法を守らなければならない」と死刑執行を正当化した。今回、谷垣は9月初旬の安倍政府の内閣改造を前に最後の職務として、しかも国会閉会中に、駆け込み的に死刑執行を行なったのだ。

 日帝・法務省は、死刑執行にあたり今回も死刑囚の名前と犯罪事実、執行場所を公表した。「ガソリンでサラ金店舗を放火」「暴力団抗争で銃殺」などと、ブルジョア・マスコミを使って犯罪事実を大々的に宣伝することで、死刑囚が「凶悪な人格」であることを印象づけさせている。このことで、「これだけ凶悪な人間ならば、死刑で当然」ということをアピールし、「死刑推進の世論」を形成しようという、もはや定番となったやり方である。法務省は今回もまた、死刑執行に対して都合の悪い情報は伏せたまま、ただただ「死刑執行支持の世論」を作り、死刑反対運動を圧殺することを目的に「情報公開」を行なったのである。

 今回死刑執行された小林死刑囚は、2007年に上告棄却により死刑判決が確定していた。しかし、第一審から「殺意がなかった」とくり返し訴え、今年8月6日に第3次再審請求が棄却された後も、弁護人との間で第4次再審請求の準備をしていた。その最中に小林死刑囚の死刑が執行されたのである。また、高見澤死刑囚は、2012年10月に最高裁で上告棄却されて死刑が確定してから、わずか約1年10ヵ月での執行となった。法務省は、死刑囚の再審請求について「形式的な再審請求を繰り返す『執行逃れ』と言わざるを得ないケースもそれなりにある」なぞと悪罵する始末であり、今後の早期の死刑執行の道筋作りに躍起となる法務省の意図を隠そうともしない。

 法相・谷垣による死刑執行を徹底弾劾する。
 法相・谷垣は7月、日本外国特派員協会での記者会見の場で「いろいろな国が死刑を廃止している。世界の流れは十分承知しているが、日本では国民の支持を受けている」「近い将来に死刑を廃止する可能性はあまり大きくないと思う」なぞと、世界中で噴きあがる日帝への非難に対する居直りを決め込んでいる。世界中で死刑制度廃止の流れが加速するなか、あえて死刑制度存続を強調する安倍政府の突出ぶりが際立っている。

死刑制度存続を許すな

 今年7月、国連自由権規約委員会の第6回日本政府審査において日本政府は、改めて死刑制度の廃止を含む勧告を受けている。そして、日本各地の拘置所に収監されている死刑囚が、昼夜間独居の状態で収容され、しかも数十年、最長で約40年という長い期間留め置かれている。死刑囚は、いつ死刑を執行され、命を絶たれるのか不安にさいなまれながら、日々の獄中生活を過ごしている。特に、今年3月27日に釈放された無実の袴田巌氏の場合、実に48年もの超長期の獄中生活を強制されていたのである。袴田氏は、そんな獄中生活を強制されるなかで大きく健康を害し、釈放後も「後遺症」に苦しんでいる。国連自由権規約委員会の第6回日本政府審査でも、そんな袴田氏の問題が取り上げられている。国連自由権規約委員会は、死刑廃止を求めるだけでなく、昼夜独居処遇による収容体制の見直し、検察側資料の十分な開示、死刑事件における義務的かつ効果的な再審査の制度の確立、および拷問等による自白の証拠不採用など、厳しい勧告を出している。

 「袴田事件」をきっかけに、死刑制度に対する労働者人民の間での広範な怒りや疑問がいよいよ噴出するなかで、安倍政府はあえて死刑廃止の「世論」に真っ向から対抗し、死刑制度を存続させようとしているのである。

 「死刑執行を望む世論」なるものは、重要な情報を国家権力のごく一握りの人間が握り、「世論」を都合よく誘導した末に作られたものに過ぎない。そんな虚構なぞ、「袴田事件」をはじめとする数々の冤罪事件で、既に崩れ去っている。警察権力が無実の労働者人民を不当逮捕してウソの「自白」を強制し、「物的証拠」を平気で捏造し、司法権力が追認して労働者人民を監獄に叩き込んでいく横暴ぶりが次々に暴露されているのだ。

 そもそも、死刑制度そのものが戦時体制形成の一環としての攻撃であることを見逃してはならない。安倍政府は、死刑制度を堅持することで、かつての治安維持法弾圧のように、戦争に反対する者や勢力を極刑によって爐澆擦靴甅瓩箸靴撞垰Δ掘△△襪い六犒瑳更圓鰈喝することで組織壊滅型弾圧を加速させようとしているのだ。そして、日帝国家権力は、東アジア反日武装戦線や連合赤軍の死刑執行にも踏み込もうとしている。

 安倍政府による死刑制度存続なぞ、断じて許してはならない。

 安倍極右政府は、迫り来る朝鮮反革命戦争突入をみすえ、治安管理強化をさらに進めている。
 7月9日、法務省の諮問機関である法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」は「可視化の義務付け」などとともに、「盗聴法」改悪、「司法取引(=密告・売り渡し)」導入、代用監獄の維持などを盛り込んだ答申案をまとめた。この「特別部会」答申案に沿って、法制審議会での審議の上で、安倍政府は次期臨時国会にも関連法案を提出しようとしている。こんな弾圧立法が成立すれば、警察権力はいよいよやりたい放題になる。かつての、特高警察による治安維持法弾圧の再来なぞ、何としても阻止しなければならない。

 安倍政府の戦争政策の一環としての治安管理強化など、断じて許してはならない。労働者人民の闘いで死刑制度を撤廃しよう。戦争遂行にひた走る安倍極右政府を打倒し、日帝国家権力解体へ進撃しよう。