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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

9・8、9・9、9・11「労働者派遣法」改悪阻止の対国会闘争を連続して闘う (1159号1面)

 反安保労研全国センターに結集する労働者は、「労働者派遣法」改悪案の9月8日参院厚生労働委員会での採決阻止、9月9日参院本会議での採決阻止、9月11日の衆院本会議での「修正採決」阻止の対国会闘争を連続して闘いぬいた。

 6月19日に衆院を通過した「労働者派遣法」改悪案は、安倍極右政府がいくら「正社員化を促す」「労働者保護に資する改正だ」と強弁しようとも、上程した法律の条文のどこを探してもそのような文言は一片も存在しないシロモノだ。

9・8参院厚生労働委員会・9・9参院本会議採決阻止に決起

 9月3日、安倍が参院厚生労働委員会に出席した後、情勢は一気に参院での委員会採決―本会議採決へと煮詰まっていった。9月3日の理事懇談会で自民党は、「法」案施行日を原案の9月1日から9月30日に「修正」するとともに、(1)派遣労働者の受け入れを継続する際の「過半数労働組合からの意見聴取」(2)派遣期間が切れる派遣労働者に対する「雇用安定措置」(3)違法派遣があれば派遣先が労働者に労働契約を申し込んだとみなす「労働契約申し込みみなし制度」について、「実効性を高めるために法案を修正したい」と表明した。すでに、原案で施行日としていた9月1日は過ぎている。施行日が過ぎた「法」案の審議が続行されること自体が、国会が翼賛国会に堕していることを示している。安倍は、「みなし制度が適用される混乱を避ける」と、資本と派遣会社の利害に立つことを平然と言い放った。10月1日からの「労働契約申し込み見なし制度」施行を何としても潰すために、翼賛野党に「修正」や「付帯決議」で華を持たせて採決に持ち込もうという魂胆なのだ。

 9月8日、午前10時から12時まで参院厚生労働委員会が開催され、その日のうちに委員会採決が強行される可能性が高くなった。反安保労研全国センターに結集する労働者は、降りしきる雨を衝き、横断幕を先頭にして委員会採決阻止に向けて参院前に布陣した。公安デカが弾圧の機会を窺うが、闘う部隊の気迫を前にして何一つ手出しできない。布陣と同時に闘う部隊は、「『労働者派遣法』改悪を阻止するぞ!」「『生涯派遣化』攻撃を粉砕するぞ!」『非正規雇用』労働者の使い捨てを許さないぞ!」「派遣労働者と連帯して闘うぞ!」「『労働者派遣法』を撤廃するぞ!」「参院での採決を阻止するぞ!」とシュプレヒコールを叩きつけ、全国センターの同志がアジテーションを開始する。委員会採決が強行されようとしているにもかかわらず、衆院採決の時と同じように、対国会闘争を闘う勢力は反安保労研全国センターの部隊のみだ。全労連、全労協、日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)が事務局団体となっている「安倍政権の雇用破壊に反対する共同アクション(雇用共同アクション)」が昼休み行動として参院前に来たものの、昼休み終了後に早々と解散した。委員会開会から2時間後、自民党議員の羽生田が質疑打ち切りの動議を提出しようとするが、野党の抗議によって委員会は休憩に入った。休憩後の午後3時半、委員会は再開し、「修正動議」が出され、3時55分に「修正案」が可決となった。わずか1時間前に提示された「修正案」が質疑応答もされずに採決が強行され、可決となったのだ。休憩時間の間に自・公と翼賛野党が「手打ち」をしたのは明らかだ。闘う部隊は、委員会採決の強行を徹底弾劾するシュプレヒコールを参院に叩きつけ、9月9日に強行されようとしている本会議採決を絶対阻止する決意を固め、当日の行動を終えた。

 9月9日、参院は、本会議を午前10時から開くことを決定した。「労働者派遣法」改悪案の採決のための開会だ。反安保労研全国センターの部隊は、この日も、降りしきる雨を衝いて参院前に布陣し、本会議採決阻止の対国会闘争に決起した。この日も、参院前に登場したのは反安保労研の部隊のみだ。本会議では与・野党がアリバイ的な賛成・反対討論を行なった後、10時50分に、「同一労働同一賃金推進法」案などとともに「労働者派遣法」改悪案の「修正議決」が強行された。闘う部隊は、怒りを込めて「『労働者派遣法』改悪案の採決強行弾劾!」「労働者使い捨て『法』案の可決を許さないぞ!」「衆院での再可決を阻止するぞ!」とシュプレヒコールを参院に叩きつけた。

9・11衆院本会議「修正採決」阻止に決起

 9月11日、「安保法制関連法」案粉砕の第3弾の対国会デモを闘いぬいた労働者の部隊は、反安保労研全国センターの呼びかけに応え、参院で「修正議決」した「労働者派遣法」改悪案の衆院本会議での「修正採決」阻止の対国会闘争に決起した。9月9日に参院で「修正議決」された改悪案は、施行日の変更などの「修正」とともに、前代未聞の39項目に及ぶ付帯決議が付いている。これを、「連合」は、「民主党(とりわけ組織内議員)の追求の成果」と宣伝している。はじめから「労働者派遣法」改悪を阻止する気などさらさらなく、衆院での採決を与党と民主党の「取り引き」で1週間遅らせて「『連合』の運動の成果」なぞとアリバイ作りをしたように、参院では「修正をかちとった」「付帯決議があるから労働政策審議会での審議の可能性を残した」と「成果」を宣伝し、闘いの幕引きしようという魂胆なのだ。正午、衆院本会議での「修正採決」のために30分間だけの開会を決定した衆院前に布陣した反安保労研全国センターの部隊は、ただちに「『労働者派遣法』改悪案の採決を阻止するぞ!」「『連合』、全労連を突破して闘うぞ!」とシュプレヒコールを衆院に叩きつけ、闘いを開始した。この日も、対国会闘争に決起したのは反安保労研の部隊のみだ。午後12時25分、衆院本会議で「修正採決」が強行されたという情報が入る。闘う部隊は満身の怒りを込めて弾劾のシュプレヒコールを叩きつけた。

 「労働者派遣法」は、1985年の制定から四回の改悪が行なわれている。これまでの改悪案の成立から施行までの期間は、3ヵ月〜9ヵ月あったが、今回は1ヵ月もない。翼賛野党を屈服させるために付けた39本もの付帯決議のために、制定しなければならない政省令は41本にも及ぶと言われている。労働政策審議会は「労働者派遣法」改悪案の成立をうけて、さっそく9月11日から審議を開始しているが、9月30日の施行日に間に合うか定かでないと言われている。これらのことは、安倍と日帝資本が直接雇用の義務から逃れるために「労働契約申し込み見なし制度」を潰すことに必死になったことを物語っている。「常用代替防止」の原則を根底から破壊し、「9割非正規化」を強行しようとする日帝資本の攻撃がさらに激化するのは必至だ。「労働者派遣法」改悪案の成立を見込んだ派遣会社は、「必要な時に、必要なスキルを、必要なだけ提供します」「経費削減策=派遣です」などを売り文句とした「九割非正規化」に向けた営業活動をはじめている。今こそ、「正規」―「非正規」を貫く団結をを形成し、職場生産点を制圧して「直接雇用」「無期限雇用」の原則を資本に強制する革命的労働運動の建設を一挙的にやりきらなければならない。

「常用代替防止」原則の破壊―「9割非正規化」攻撃を粉砕せよ

 「労働者派遣法」改悪案は、派遣期間制限について、通訳、秘書などの「専門26業務」とその他の業務の区別を廃止したうえで、業務単位から人単位に変更して一律3年としている。さらに、2012年改悪で新設した原則1年・最長3年の派遣期間制限を超えて派遣労働を受け入れるなどの違法派遣に課していた「労働契約申し込み見なし制度」は、改悪後は派遣先企業が3年ごとに派遣労働者を入れ替えることによって実質的に無効となる。つまり、派遣先企業は、人さえ入れ替えれば、直接雇用の義務を免除され、無期限に派遣労働を利用することができるようになるのだ。派遣労働は、雇用主と実際の使用者が異なる間接雇用であり、人身売買や違法な中間搾取などをもたらすものとして、戦後厳しく禁止されてきた。「労働者派遣法」が1985年に制定された際には、直接雇用が派遣労働に代替されないように、専門性が高く、一時的・臨時的な業務に厳しく限定されていた。これが「常用代替防止」の原則だが、今回の改悪は、この原則を根底から破壊し、「正規雇用」労働者を「非正規雇用」労働者に入れ替えて「九割非正規化」攻撃を強行しようとするものだ。戦後70年の日本の歴史を巻き戻す攻撃である「安保法制関連法」制定攻撃と一体の、「戦後労働法制」の一大解体攻撃だ。

 安倍が「労働者派遣法」改悪案を衆院で「労働者保護に資する改正だ」と強弁し強調していた「雇用安定措置」なぞ、何ら実効性のないものであることは満天下に明らかになっている。安倍は、「雇用安定措置」と称して派遣会社に、(1)派遣先への直接雇用の依頼(2)派遣元での無期雇用(3)新たな派遣先の提示(4)その他を課すと答弁した。

 だが、「派遣先への直接雇用の依頼」は、派遣先企業による雇い入れは努力義務でしかなく、罰則はない。仮に派遣会社が要請したとしても派遣先に断られればそれまでだ。「労働者派遣法」改悪案では、3年の派遣見込みがある場合、派遣会社は必ず直接雇用を依頼しなければならないが、1年以上3年未満だと努力義務にとどまる。「勤続3年を迎える前に雇い止めにされる場合はどうなるのか」という質問に対して厚生労働大臣・塩崎は、「努力義務が適用される。罰則はない」と、平然と答弁した。派遣会社の営業社員は、自分の営業成績を上げるために派遣社員を手放そうとしない。直接雇用は派遣会社にとっては損失となる。本当に直接雇用をさせたいならば強い「規制」が必要だが、「労働者派遣法」改悪案にはそんな「規制」はないのだ。

ウソとペテン、党利党略に満ちた反革命翼賛国会の「審議」

 「派遣元での無期雇用」も、何ら実効性のないものだ。2012年の厚生労働省の調査によると、派遣労働者を内勤社員や管理職に転換させた派遣会社は、「事業所ベースで約4パーセント」。人数ベースは調べてもいないのだ。派遣会社は、今でも平然と「無給の自宅待機」を「無期雇用」と強弁しているありさまなのだ。

 「新たな派遣先の提示」は、派遣会社の通常業務に過ぎないものだ。問題は、提示する仕事について、「合理的なものに限る」とする規定の内容だ。しかし、「合理的」の内容については「労働者派遣法」改悪案には何ら具体性はない。現実には、「派遣切り」に遭った労働者が次に提示された仕事は時給が下がり、通勤時間も長くなると言った事例が多く存在しているのだ。

 「常用代替防止」のための措置もまったく実効性がないものだ。これまで事業所ごとに最大3年だった派遣受け入れ制限は、今回の「労働者派遣法」改悪により、過半数労組の意見を聞けば半永久的に延長できるようになる。安倍は、「延長の前に労組に意見聴取する仕組みがあるので派遣は増えない」と答弁しているが、必要とされているのは、過半数労組の「同意」ではなく、組合の意見を聞くだけでいいというものである。それでも安倍は、「歯止めになりうる」と言うが、厚生労働省の調査によると、現行法下で「派遣期間を1年から延長すべきではない」と主張した組合はわずか1・2パーセントに過ぎない。本工主義労働運動が「非正規雇用」労働者を狷Г濛罩瓩砲靴銅己保身に汲々としていることを、安倍は、知った上でウソの答弁をしているのだ。

 安倍は、「労働者派遣法」改悪案の成立で「正社員化を促す」と言っているが、そんな気なぞまったくないことは今年度の政府予算を見てもハッキリしている。派遣先企業が派遣労働者を「正社員」として雇用した際に国から支給される「キャリアアップ助成金」は、今年度の予算額の積算人数が、約3300人分しかないことが明らかなっている。派遣労働者の総数は、約126万人。この半分を「正社員」にするだけでも、約190年かかる計算だ。「正社員化を促す」なぞというのは、ペテン以外の何物でもないのだ。

 「労働者派遣法」改悪案は、日本年金機構の情報漏れ問題で国会が紛糾し、ようやく7月8日に参院に付託されたものの、実質審議は、7月30日の厚生労働大臣・塩崎への質疑から始まり、採決強行を睨んで安倍が出席した9月3日までのわずか8回であった。その審議自体も、「維新の党」などが「労働者派遣法」改悪案の悪辣さを隠蔽し、免罪するために「イチジクの葉」として提案した「同一労働同一賃金推進法」案なるものとセットで審議を行なうというものであり、「審議」とは名ばかりのウソとペテンに満ちたものであった。