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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

 辺野古現地レポート
名護新基地―本体工事を阻止しよう
(1173号7面)

現地大結集で工事を阻止

 名護新基地建設をめぐる攻防は、本格的な決戦局面に突入している。天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会(青年実)は、沖縄・首里日雇労働組合(沖日労)の労働者たちとともに現地闘争に決起し、早朝行動を中心に、現地攻防の先頭で闘いぬいている。

 1月の宜野湾市長選をめぐって、現職・佐喜真も安倍・自民党も、名護新基地建設には一言も触れずに、徹底的な「争点隠し」をしておきながら、選挙が終わると今度は、「オール沖縄という言葉は、実態と大きくかけ離れている」(官房長官・菅)、「(新基地建設反対が)沖縄の民意という理屈はもう通じない」(政府関係者)、「今後は、工事を躊躇することはない」(防衛省幹部)などと好き勝手に強弁して、埋め立て本体工事を強行しようと攻勢を強めている。

 しかし、辺野古現地における労働者人民の頑強な闘いが、安倍の野望を敢然と阻んでいる。キャンプ・シュワブゲート前でも、海上でも、体を張った闘いが連日にわたって展開されている。その闘いは、警視庁機動隊まで投入した弾圧によっても、打ち砕くことはできない。「戦争のための基地は、沖縄にも、どこにも要らない」。「新基地絶対反対」。これが、強権発動の安倍政府に対する回答だ。

 工事車両用ゲートの前には、連日朝6時から、多くの沖縄労働者人民が結集し、座り込みで、デモで、集会で、ゲート前を制圧し、とりわけ水曜、木曜は、「集中行動日」として、数百人規模でゲート前を完全制圧し、工事車両の搬入を阻止し続けている。これによって、水曜、木曜は、工事が完全にストップの状態だ。数百人の集中が解けた昼や午後の時間帯に、わずかばかりの工事車両が、機動隊の助けを借りてアリバイ的に入るだけだ。

 安倍政府は、昨年10月29日、「埋め立て本体工事に着手」と鳴り物入りで騒ぎ、中断していた工事を再開したものの、実際にやっているのは、キャンプ・シュワブ陸上部での兵舎解体やガレキ撤去、整地作業だけだ。とうてい、「埋め立て本体着工」とは言えない。キャンプ・シュワブ内の辺野古崎付近で見つかった遺跡の文化財認定をめぐり、名護市教委による試掘調査が行なわれていること、「美謝川の切り替え」や「土砂運搬方法の変更」などの申請手続きが進まないことも一因となっているが、このような状況を強制している最大の要因こそ、大衆的な現地結集と実力の闘いにほかならない。

 現地では、創意工夫をこらした闘いが展開されている。その典型が、工事車両用ゲート前でのコンクリートブロックの積み上げだ。

 その行動は、1月22日から始まった。座り込んで抗議行動を展開する労働者人民に対し、警視庁機動隊まで動員して激しい暴力をふるい、強制排除と不当逮捕をほしいままにする権力に対抗するためだ。ゲート前にブロックを積み上げ、その上にも周囲にも、人が座り込んで工事車両の入構を阻止する。これなら、機動隊が労働者人民を排除しても、その後にブロックが立ちはだかることになる。

 機動隊員どもは、列になってこのブロックをバケツリレーならぬ「ブロックリレー」で、あるいはリヤカーまで持ち出して総がかりで移動させ、大汗をかきながら封鎖を解除して工事車両を通過させるのだが、機動隊がゲート前から撤収したら、その後にはまた、労働者人民が元の位置にブロックを積み直してゲートを封鎖してしまうという、奇想天外な闘いだ。このような攻防を、多い時で日に4度もくり広げている。われわれも、労働者・市民とともに、積んで、積んで、また積んだ。

 その間、ブロックの数は日ごとに増え続け、終いには約1500個、総重量22トンにも達した。この「作戦」への共感・驚嘆は瞬く間に「本土」にも拡大し、1個約100円しかしないブロックであるにもかかわらず、「本土」から高い送料を払ってわざわざ航空便で送ってくる人も相次いだという。

新局面を迎えた現地攻防

 困り果てた権力は、ブロックを販売しているホームセンターなど、名護市内の販売業者に対して、「反対派に売るな」と片っ端から脅して回った末に、1月30日、「威力業務妨害」容疑で「捜索差し押さえ令状」を執行し、ブロックをすべて押収し去った。「令状」では、「容疑者」は、沖縄平和運動センター議長・山城博治氏となっている。

 しかし押収後も、ブロックのカンパが沖縄各地や「本土」各地の労働者人民から寄せられているという事実が示すように、闘いへの支持と共感は大きく広がっている。現場では、あの手この手を次々にくり出して、頑強な闘いが展開されている。海を隔てて遠く離れた東京の国会で、首相・安倍が「これ以上の先送りは許されない」と叫んだところで、工事は遅々として進まない。

 焦りに駆られた安倍政府―沖縄防衛局は、今や、なりふり構わぬ強攻策に出ようとしている。第1は、大浦湾にコンクリートブロックを投下するという策動だ。土砂で埋め立てを強行するには、それに先行して、「海洋汚染防止」のために総延長3000メートル以上とも言われる「汚濁防止膜」を張らねばならない。これを固定するために、巨大なコンクリートブロックを大量に沈めるというのである。これが、埋め立て本体工事への事実上の着手となる。その攻撃が切迫している。第2は、高架橋の建設策動だ。キャンプ・シュワブから国道329号線を挟んで向かい側にある山を削って、埋め立て用の土砂をベルトコンベアでキャンプシュワブ内に搬入し、そのまま海中に投下しようという計画だ。そのために、329号線をまたぐ形の高架橋を、第2ゲートないし第3ゲート付近に建設しようというのである。すでに、事前調査が行なわれていて、工事への着手は、「4月以降」とも言われている。こんなことを断じて許すわけにはいかない。

 この策動を打ち砕くため、「集中行動日」である2月18日木曜のゲート前大行動において、2つの重要な行動方針が提起された。

 第1は、これまでの水曜・木曜に加えて、火曜日も「集中行動日」にして、ゲート前大行動を行なおうという提起だ。1週間のうち、ど真ん中の3日間にわたって、工事を完全に止めようというのである。そうなれば、「工期五年」という安倍政府の計画は、完全に破綻する。何年かかっても新基地はできない。

 第2は、埋め立て工事を強行するならば、現在の工事車両用ゲートから第2ゲートに主戦場を移し、第2ゲートを封鎖してしまおうという提起だ。第2ゲートないし第3ゲート付近とされる高架橋の建設を何としても阻止するために、今度は、第2ゲートを抑えてしまおうという作戦だ。実際に、この日は、早朝から全体が第2ゲートに移動して、強制排除にくり出した機動隊と対決しつつ、ゲート前行動をやりぬいた。第2ゲートの近くには、米海兵隊の40もの弾薬庫がある。毎日のように実弾の出し入れが行なわれている米海兵隊の生命線だ。中東反革命戦争の戦場へも、ここから弾薬が運ばれ続けている。「第2ゲートは、帝国アメリカの象徴だ。ベトナム戦争の時ですら、ここに座り込んだことはない。埋め立て工事を強行するなら、ここに座り込んで封鎖する。そうなれば海兵隊は、演習も戦争もできない。われわれは工事を止める。アメリカの戦争も止める」、「新基地を作らせたら沖縄は終わりだ。日本も終わりだ。今が頑張る時だ」という山城博治氏の提起に、300人余の参加者から、割れんばかりの拍手と歓声が沸き起こった。

「代執行訴訟」と「和解案」

 「県」知事・翁長の「辺野古埋立承認取消処分」の「取消」を求めて国土交通相が起こした「代執行訴訟」は、2月15日、第4回口頭弁論を迎え、知事・翁長が「被告」本人尋問のために出廷した。弁論に先立ち、福岡高裁那覇支部向かいの城岳公園には、800人の労働者・市民が結集して集会がもたれた。

 弁論では、翁長が、「県」側の尋問に答える形で「処分取り消し」の正当性・必然性を主張したのに対して、国側は、反対尋問で、「県」側が敗訴した場合には「司法判断に従うのか」を、何度も執拗に聞き返した。裁判の結果を見越して、翁長から言質を取り、抵抗の外堀を埋めておこうというわけである。これに対して、翁長は、「行政の長としてしっかりと受け止める」と回答した。最高裁などで判決が確定した場合には、これに従うという表明である。

 さらに、弁論後に行なわれた進行協議では、1月29日の第3回弁論で裁判所が示した2つの「和解案」についても話し合われた。「2つの和解案」とは、「根本的な和解案(根本案)」と「暫定的な和解案(暫定案)」なるもので、先に「根本案」を検討し、まとまらない場合は「暫定案」を検討するよう、裁判所が勧告しているという。2月15日の協議では、「暫定案」について「県」側が「前向きに検討したい」と回答し、国側は「根本案の修正を検討している」と答えたと伝えられている。裁判所は、「県」に対して「暫定案」の公表を認める一方で、「根本案」の公表は認めなかった。

 「暫定案」は、々颪蓮崑綣更堊幣戞廚鮗茲蟆爾押沖縄防衛局長も「行政不服審査法」に基づく「審査請求」を取り下げ、埋め立て工事を停止する、国と「県」の双方は、「不作為の違法確認訴訟」など他の判決が出るまで解決に向けた協議を行なう、B召糧酬茲瞭睛討確定し判決が出た場合には、双方は直ちに結果に従う、などの内容である。

 「根本案」の内容については、裁判所が公表を禁じているとはいえ、すでに一部のマスコミによってリークされている。それによれば、 峺」は、「埋立承認取消」を「撤回」する、国は名護新基地の供用開始後、30年以内の返還または軍民共用化を目指して、米側と協議を開始する、I疆郡峇霖呂諒峇圓泙納辺住民に騒音被害の程度に応じて1日150円から300円を国が賠償する、などであるという。またしてもカネだ。何より、安倍の意向そのままの、新基地建設が大前提の話が、どうして「根本的」な解決策になりうるのか。まったく話にならない。

 裁判所がこの「根本案」の公表を認めなかったのは、裁判所も国も、「根本案」をベースにした取引に、知事・翁長を引き込める余地がまだあると読んだからであろう。「根本案」の内容が公式に明らかになったら、労働者人民の怒りが沸騰して、取引話が丸ごと吹き飛んでしまうことを恐れたからであろう。

 弁論をやる前から、新基地建設が大前提の「和解案」を裁判所が用意していたという事実は、新基地建設をめぐる裁判所の姿勢を露骨に示すものだ。最初から「結論ありき」の訴訟だということだ。にもかかわらず、翁長は、判決に従うことを法廷で約束した。このことは、「裁判官の心証に配慮した法廷技術」の問題や、「行政の長としての立場」の問題には、決してとどまらない問題をはらんでいる。

 しかし、そもそも、新基地建設阻止の闘いの帰趨を、裁判官の「司法判断」や、知事の「行政的対応」に委ねるわけにはいかないのは、当然のことだ。実力阻止、絶対阻止の闘いがあるだけだ。安倍がどんなに暴虐に出ようと、裁判所がどんな判決を出そうと、そして翁長がどのように振る舞おうとも、決して沖縄労働者人民の闘いがやむことはない。

 実力闘争への確信を深める沖縄労働者人民と連帯し、名護新基地建設を阻止しよう。本体工事を実力阻止しよう。青年実は、その闘いの先頭に起って闘いぬく決意だ。