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3・25法相・岩城による死刑執行を弾劾する (1176号12面)

2人の死刑囚の死刑執行を徹底弾劾する

 3月25日、法相・岩城光英の死刑執行命令により、2人の死刑囚の死刑執行が強行された。大阪拘置所に収監されていた鎌田安利死刑囚(75歳)と、福岡拘置所に収監されていた吉田純子死刑囚(56歳)が、国家権力の手によって虐殺されたのである。前回の2015年12月の死刑執行以来、約3ヵ月での執行となった。

 岩城は、今回の死刑執行について「誠に身勝手な理由から尊い命を奪った極めて残忍な事案であり、被害者や遺族の方にとって無念この上ない事件だ」とした上で、死刑制度への疑問が噴出していることについて「さまざまな意見があることは承知しており、念頭に置いている。人の生命を絶つという極めて重大な刑罰なので、慎重な態度で臨む必要がある」としながらも「法治国家では確定した裁判の執行が厳正に行なわれなければならないのは言うまでもない」と言い放っている。

 岩城が2015年10月の内閣改造によって法相に就任してから2度目の執行であり、2012年12月に安倍極右政府が発足して以来の死刑執行は、ついに9度目を数え、執行者数は16人となった。2006年の第1次安倍政府時の10人と合わせると、通算26人にもなる。安倍政府の死刑執行への突出ぶりがいよいよ際立っている。今回の死刑執行によって、全国の拘置所に収監されている死刑囚は124人(再審開始決定により釈放された袴田厳氏を除く)となった。

 日帝・法務省は、死刑執行にあたり今回も死刑囚の名前と犯罪事実、執行場所を公表した。「女性5人を次々に殺害し、反省もない」「元看護師が静脈への空気注射で連れ合いを殺害」などと、ブルジョアマスコミを使って犯罪事実を大々的に宣伝することで、死刑囚が「凶悪な人格」であることを印象づけている。このことで、「これだけ凶悪な人間ならば、死刑で当然」ということをアピールし、「死刑推進の世論」を形成しようという、もはや定番となったやり方である。法務省は、今回もまた、死刑執行に対して都合の悪い情報は伏せたまま、ただただ、「死刑執行支持の世論」を作り、死刑反対運動を圧殺することを目的に「情報公開」を行なったのである。

 今回死刑執行された鎌田死刑囚は、大阪府警等の取り調べで「自白」したが、公判で「全く覚えがない」「警察官から暴行され、うその自白をした」として無実を主張していた。1999年の1審・大阪地裁判決は、殺人など一連の事件について「死刑」としたが、身代金要求については「無罪」とした。だが、2審・大阪高裁は1審の「無罪」部分を破棄、最高裁で「死刑」が確定した。再審請求も棄却されている。鎌田死刑囚は、死刑執行前にも「法廷で、警察や検察で話したことは真実でないと言っても、裁判官は聞く耳を持たない」と司法への怒りを露わにしていた。一方、吉田死刑囚は、4人の元看護師による共謀での、2人の連れ合いの殺害について、公判で「主犯格」とされたものの、「持ちつ持たれつの中、知恵を出し合い、共謀へと及んだ」と「主犯格」であることを否認していた。吉田死刑囚もまた、再審請求を棄却されている。

 安倍政府は、とにかく切れ目ない死刑執行の犲太哭瓩鮑遒襪海箸如∈8紊了犒瑳更圓瞭散攤遒蠅北起となっているのだ。そのような意図に基づく死刑執行を、断じて許すことはできない。

 法相・岩城による3・25死刑執行を徹底弾劾する。

死刑制度廃止、治安管理強化を許すな

 前回の2015年12月、「裁判員制度」によって死刑判決がうちおろされた死刑囚に対して、初めて死刑執行が強行されたことは、まだ記憶に新しい。

 最高裁によると、「裁判員裁判」では2015年12月17日までに26人に死刑判決が言い渡され、このうち、7人の死刑が確定している。

 「裁判員制度」は、労働者人民の中から無作為に「裁判員」として選ばれた者が、重大な事件の公判に参加させられる制度であり、2011年5月以降、実際の公判での運用が開始されている。「裁判員制度」導入をテコにして、現場の法廷では裁判の迅速化などの諸制度改悪が進められてきた。「公判前整理手続き」などで裁判の迅速化が進めば被告や弁護士の負担が増え、公判で被告側が不利になることが明白であることや、「被害者参加制度」の導入が、「遺族」「犯罪被害者」が裁判に加わって感情に訴えて法廷で証言することで、死刑判決を煽りたてるものであることを指摘してきた。そして、「裁判員」は、圧倒的な検察側の情報の洪水にまみれながら、短期間のうちに、死刑判決に参加しなければならず、いわば「裁判員」に指名された者が死刑判決に強制的に参加させられる制度である。「裁判員制度」下での死刑執行のさらなる加速を断じて許すことはできない。「裁判員制度」そのものを、労働者人民の闘いで粉砕しなければならない。

 近年、判決の厳罰化がより加速し、死刑判決が増加している。安倍政府の進める治安管理強化の狎擇蟷キ瓩箸靴董∋犒裟度が存在しているのである。

 安倍政府が振りかざす「死刑執行を望む世論」なるものは、重要な情報を国家権力のごく一握りの人間が握り、「世論」を都合よく誘導した末に作られたものに過ぎない。そんな虚構なぞ、袴田巌氏に48年間の超長期の勾留を強制した「袴田事件」をはじめとした、数々の冤罪事件が表面化するなかで、既に崩れ去っている。警察権力が無実の労働者人民を不当逮捕してウソの「自白」を強制し、「物的証拠」を平気で捏造し、司法権力が追認して労働者人民を監獄に叩き込んでいく横暴ぶりが次々に暴露されているのだ。

戦時国家体制形成の一環としての死刑制度の廃止かちとれ

 世界の趨勢を見れば、死刑制度は廃止の方向にある。2014年の段階で、死刑廃止国は140ヵ国であり、死刑存置国は58ヵ国となっている。実際に死刑を執行した国は、日帝を含め22ヵ国に過ぎない。しかも、2015年には、フィジー、マダガスカル、スリナムの3ヵ国が、死刑を廃止した。さらに、モンゴルも、2015年12月に、死刑を廃止する新刑法を制定し、2016年9月に施行されることになった。一方で、エジプトやサウジアラビアなど、強権支配と戦時国家体制形成が加速する反動諸国で、軒並み死刑執行が乱発されている。このことを見ても、死刑制度が支配者どもを利するものであり、死刑制度廃止こそが労働者人民の要求であることは明らかである。

 しかし、戦時体制形成を急ぐ安倍政府は、こうした世界の趨勢も、まったく意に介することもない。安倍政府は、度重なる「国連人権勧告」に無視を決め込んでいる。「国連自由権規約委員会」は、2014年の段階で、死刑廃止を求めるだけでなく、昼夜独居処遇による収容体制の見直し、検察側資料の十分な開示、死刑事件における義務的かつ効果的な再審査の制度の確立、および拷問等による自白の証拠不採用など、厳しい勧告を出しているが、安倍政府は、一向に改善にすら手をつけようとしない。安倍政府は、いよいよその傲慢ぶりを全面化させながら、迫り来る朝鮮反革命戦争突入をみすえ、治安管理強化をさらに進めている。

 死刑制度そのものが戦時国家体制形成の一環としての攻撃であることを見逃してはならない。安倍政府は、死刑制度を堅持することで、かつての治安維持法弾圧のように、戦争に反対する者や勢力を極刑によって爐澆擦靴甅瓩箸靴撞垰Δ掘△△襪い六犒瑳更圓鰈喝することで組織壊滅型弾圧を加速させようとしているのだ。そして、日帝国家権力は、東アジア反日武装戦線や連合赤軍の死刑執行にも踏み込もうとしている。

 安倍政府による死刑制度存続なぞ、断じて許してはならない。

 安倍政府は、治安管理強化のための弾圧立法制定を急いでいる。「刑事訴訟法」等改悪や「共謀罪」新設の、今通常国会での成立を狙っている。また、2015年11月の「パリ武装襲撃事件」に続く、今年3月22日の「ベルギーテロ事件」を口実に、治安管理強化をさらに強化しようとしている。とりわけ、今年5月末開催の「伊勢志摩サミット」や2020年「東京オリンピック」を踏み台にした、「国際テロ対策」と称する警察の強化に動いている。警察当局は、「官民一体となった日本型テロ対策」なるものを掲げ、「大規模集客施設の管理者への自主警備の強化の要請」によって大型イベントでの監視体制を構築し、さらに「爆発物の原料となりうる化学物質を販売する薬局やホームセンターに不審者の通報を要請」「ホテルやインターネットカフェなどへの本人確認の徹底の協力を依頼」などの、民間業者に対する密告奨励を推し進めてきている。こうして、「伊勢志摩サミット」を口実とした、一挙的な治安管理態勢の構築を推し進めることで、「人民の海」を干しあげ、闘う労働者人民への弾圧をより強化しようとしているのだ。

 安倍政府による治安管理体制強化を粉砕しよう。戦争遂行の安倍極右政府を打倒しよう。