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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

5・11「君が代」不起立被処分者に対する「再発防止研修」粉砕闘争が闘われる (1182号6面)

思想転向を強要する「再発防止研修」を徹底批判

 3月24日の石神井特別支援学校の卒業式で「君が代」不起立を闘った田中聡史氏に対して、東京都教育委員会は、4月15日に「減給10分の1、1ヵ月」の不当処分を発令した上で、この「君が代」不起立を「服務事故」と言いなし、5月11日、水道橋の東京都教職員研修センターに田中氏を呼び出し、「服務事故再発防止研修(再発防止研修)」の受講を命令した。これに対して、「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会(被処分者の会)」は、「再発防止研修」抗議・該当者支援の行動を呼びかけた。

 5月11日、早朝から都教職員研修センター前には「被処分者の会」をはじめとする闘う団体ののぼりが林立し、当該の田中聡史を先頭にして教育労働者など60人が駆け付け、都教委に対する抗議と当該・田中氏を激励する行動に起ち上がった。この日の行動には、東京・山谷日雇労働組合、神奈川県地域連合労働組合の仲間も合流した。

 午前8時20分、この日の行動を呼びかけた「被処分者の会」の岩木共同代表が司会を務め、早速、センター門前での抗議集会が開始される。

 はじめに、「被処分者の会」事務局長・近藤氏が、強行されようとしている「再発防止研修」の不当性を訴え、行動提起を行なう。「『10・23通達』にもとづく『再発防止研修』に対する抗議行動も13年目の闘いに入った。2004年7月の『研修執行停止申立』に対する東京地裁決定は、『繰り返し同一内容の研修を受けさせ、自己の非を認めさせようとするなど、公務員個人の内心の自由に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであれば、そのような研修や研修命令は合理的に許容される範囲を超えるものとして違憲違法の問題を生じる可能性があると言わねばならない』という警告を発している」「ところが、都教委は、毎年『再発防止研修』を繰り返してきたのみならず、2012年度より7月に行なわれていた『研修』を入学式直前の4月に繰り上げ、内容を『地方公務員法(服務規律)について』から『教育における国旗掲揚及び国歌斉唱の意義と教職員の責務について』に変更した」「そして、『事前課題(受講前報告書)』の作成、当日の『研修時間』の90分から210分への延長、2ヵ月の長期にわたる『所属校研修』の導入、2回目の『センター研修』の義務付けなど、『再発防止研修』を質・量ともに強化した」「しかも、『研修』に先立って課された『受講前報告書』の内容は、『君が代』斉唱時に起立しなかったことを一方的に『服務事故』と決めつけ、『原因・理由』を述べること、職務命令に従うこと、入学式・卒業式で『国旗・国歌』を指導することを記述させようとするものだ」「このような『研修』は、明らかに受講者に思想転向を強要するものであり、2004年東京地裁決定に反して『思想・良心の自由』を真っ向から踏みにじるものであり、断じて許すことはできない」「都教委は、裁判に負け続け、その仕返しとして『再発防止研修』を強化している。こんなことを絶対に許さず、13年間の粘り強い闘いで勝利をかちとりましょう。早朝から昼過ぎまでの長時間の闘いになりますが、最後まで闘いぬきましょう」。

 弁護団の申し入れ、抗議声明、闘う団体の発言で抗議・激励集会

 弁護団の澤藤弁護士がセンターの総務課長・渡辺に対して申し入れを行なう。「当該の教師は、自分の良心に誠実に生きようとした人であり、『再発防止研修』は、減給処分という傷を負わせた上に、その傷に塩を塗り込む行為だ。教師に対して『良心を国家に引き渡せ』という攻撃を直ちに中止することを申し入れる」。「被処分者の会」の抗議声明が読み上げられ、続いて、「練馬教育問題交流会」「河原井さん・根津さんらの『君が代』解雇をさせない会」「許すな!『日の丸・君が代』強制、止めよう!安倍政権の改憲・教育破壊全国ネットワーク」が「君が代」不起立処分の撤回と「再発防止研修」の中止を求める要請を行なう。これに対する渡辺の回答は、「要請の趣旨は伝えます。この場ではお答えできません」という、毎回、同じ判を押したようなセリフだ。

 8時50分の田中氏の入場を前にして怒りのシュプレヒコールををあげ、田中氏を拍手で送り出す。「『再発防止研修』反対!」「『再発防止研修』を中止しろ!」「転向を強制するな!」「『日の丸・君が代』を強制するな!」「思想・良心の自由を守れ!」「すべての処分を撤回しろ!」「『10・23通達を撤回しろ!」「被処分者とともに闘うぞ!」「該当者と連帯して闘うぞ!」。

 田中氏の入場後も激励の行動として抗議集会は続けられる。

 澤藤弁護士は、「舛添知事が石原の教育行政を払拭するのではないかと期待していたが、まったくだめだ。自分の家族の旅行代金を『会議費』として『政治資金収支報告書』に記載している。虚偽の記載で有罪になり、公民権停止になる問題だ。『木の葉が沈み、石が浮かぶ世の中』と言うが、今の世の中はまったくその通りになっている。舛添に教育を語る資格はないし、『君が代』不起立を闘う教師を処分したり、『再発防止研修』の受講を命令する資格はない。逆に、田中さんを講師にして舛添に研修を受けさせねばならない」。

 「東京『君が代』裁判第3次訴訟」原告の池田さんは、「最高裁への要請署名が5月上旬現在で個人で1万筆、団体で500筆集まった。昨日の最高裁への要請行動には市民団体も参加してくれた。教師への統制が子どもたちへの『日の丸・君が代』強制につながることを許さないという内容の要請をしてくれた。私たちは、最高裁に対して、『10・23通達』によってどれだけ多くの人たちが苦しみ、傷つけられたかということを想像してください』という要請を行なってきました」。

 「東京『君が代』裁判第四次訴訟」原告の加藤さんは、「先週6日の第10回目の口頭弁論では、Sさんが弁論を行なった。Sさんは、『障害2級』の認定を受け、退職後の生活を考えると不起立はしたくないと考えていたが、定年退職前の最後の沖縄への修学旅行で生徒と一緒に沖縄の激戦地を見て回り、やっぱり燹愼の丸・君が代』の強制に従ってはならない。日本を戦争の道に進ませてはならない瓩箸い思いを強くして教員最後の卒業式で静かに座った。『戒告』処分は、Sさんにとって決して程度の軽い処分ではない。Sさんのような『障害者』も含めた教職員の生活を脅かし、起立することを強制し、精神的苦痛をもたらすことを許してはならない」。

都教委の居直りを許さず「10・23通達」撤廃をかちとろう

 東京・山日労は、「今、山谷の日雇い労働者は、1週間から10日に1回回ってくる都立公園の掃除の仕事で8000円弱の収入を手にし、それで生き延びなければなりません。そういった厳しい状況のなかで組合の活動費を作るために、街頭でのカンパ活動を行なっています。これまでは、山谷を知っている比較的高齢の人がカンパしてくれていましたが、最近は、『非正規雇用』の問題や『労働者派遣法』改悪の問題をアピールすると、明らかに『非正規雇用』で働いている若い世代の人がカンパをしてくれるようになっています。『日の丸』『君が代』強制や戦争への動きの強まりの問題と、『ブラック・バイト』や『奨学金』、『非正規雇用』で苦しめられている若者の問題は、結びついていくと感じています。筋を通して闘ってゆけば、必ず運動は広がるし、前進するという確信をもって今後も闘っていく決意です」。

 抗議集会の締めくくりに、シュプレヒコールを再度あげ、「研修」終了時刻の午後0時15分に、再度、研修センター前に結集することが確認され、抗議・激励行動は、一旦、終了した。

 午後0時15分、闘う労働者は、再度、研修センター前に集合し、「研修」を終えて出てくる田中氏を迎える体制を取り、抗議集会を再開する。「被処分者の会」の星野共同代表は、「舛添知事というトップにいる人間が、都民のこと、学校教育のことを考えない。『10・23通達』で『日の丸・君が代』を強制し、一つの価値観に生徒たちをまとめ上げるのは、戦争への道であり、人権侵害であり、絶対に許せない」。

 続いて、シュプレヒコールをあげ、「研修」を終えて研修センターから出てくる田中氏を迎える。田中氏は、「研修」に対して「2012年から5年続けて、まったく同じ『研修』を受けさせられている。監視要員が付き、トイレに行くときも着いて来る。人権侵害以外の何ものでもない。『研修』を強制すべきではないという思いを再度強く持ちました」と、『研修』への怒りを表明した。

 抗議集会の締めくくりに「被処分者の会」の近藤事務局長がマイクを取り、「3時間30分に及ぶ『研修』という名のイジメ、精神的肉体的圧迫をはねのけ、田中さんが戻ってきたことを皆さんと喜びたい。今回、『再発防止研修』の対象になった教師は、3人います。『研修』は今日で終わりではなく、2回目の『研修』が3ヵ月後に行なわれます。7月と8月の2回目の『再発防止研修』に対する闘いにも多くの皆さんが結集されることを呼びかけます」「研修センターの壁には、『めざせ授業力向上 東京教師道場実施中』などというスローガンが掲げられている。都教委は、最近、『アクティブ・ラーニング』(積極的に学ぶ)を掲げているが『愛国心』を刷り込み、『日の丸・君が代』を強制して国家に従順な人間作りを強行しておいて、何で『アクティブ・ラーニング』などと言えるのか。乙武は、ハレンチな行為をしておきながら、『道徳』の教科化に賛成した。舛添や乙武に『道徳』を語る資格はありません。私たちの怒りをさらに広げて行きましょう」と訴え、すべての行動が締めくくられた。