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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

全国寄せ場で盛大に夏祭り
8・13〜15 山谷夏祭りの大成功をかちとる 〈東京・山谷〉

(1195号4面)

改憲―戦争突撃を粉砕する労働者の団結めざし山谷夏祭りを開催

 8月13日から15日までの3日間、山谷・玉姫公園を会場にして、東京・山谷日雇労働組合(東京・山日労)が呼びかけた「2016年山谷夏祭り実行委員会(実行委員会)」によって山谷夏祭りが開催された。7月の参院選で「改憲勢力」が3分の2を超える議席を占め、本格的戦争にむけた改憲攻撃が激化している。日雇い労働者の町・山谷では、「2020年オリンピック開催」を契機にした再開発が取り沙汰され、簡易宿泊所(ドヤ)から外国人旅行者を当て込んだホテルへの建て替えが始まり、山谷労働者を再開発の犲挧蘯圻甍靴い砲掘排除する攻撃が強まっている。このような情勢の中、「実行委員会」は、「安倍の改憲―本格的戦争突撃許さん」「山谷の主人公は山谷労働者だ」「労働者が準備する夏祭り」「労働者が主人公になる夏祭り」を「2016年山谷夏祭り」の基調として確認した。労働者を犠牲にする悪政への怒りが強まる中、家族や「ふるさと」を失い、過酷な工事現場で働き、飢えや路上死と隣り合わせの生活を送っている山谷の日雇い労働者が1人さびしく「お盆」を過ごすのではなく、炊き出しで同じ釜の飯を食い、日頃の苦労を分かち合い、盆明けからの厳しい生活と闘いにむけて英気を養うための山谷夏祭りを成功させようと、「実行委員会」メンバーは献身的に準備作業を担った。

 夏祭りの準備作業で多忙の中、東京・山日労と「実行委員会」は、7月25日に、東京都の山谷対策係、産業労働局との交渉を闘った。「反戦・反失業」を基調にした山谷夏祭りを成功させる上で、山谷労働者が直面している問題を解決していくことが不可欠だからだ。交渉の議題は、第1に、東京都が99パーセントの運営費を補助金として出している「城北労働・福祉センター(センター)」への補助金減額をめぐってであり、第2に、センターが仕事紹介を受けたい労働者に対して繰り返している「利用者カード」発行拒否=仕事紹介からの排除について、東京都としての見解を示し、是正を要求するという内容だ。

センターの仕事紹介からの排除を許さない対東京都交渉(7月25日)

 交渉は、第1の議題の冒頭から労働者の怒りが叩きつけられた。センターの2016年度予算では、委託費、宿泊費、給食費などが合わせて2000万円以上減らされている。これを追及すると、山谷対策係は、「労働、生活、福祉などの相談件数が減り、宿泊・給食などの応急援護も減っているので、減らしています」と答えてくる。これに対して、交渉団からは、「相談件数が減っていることが理由と言っているが、相談したり、宿泊・給食の応急援護を受けようにも、そのために必要な『利用者カード』を新規に発行せず、減らしているからじゃないか」「相談できなくしておいて、『相談件数が減ったから予算を減らした』などというのはペテンだ」という追及の声が上がった。この追及を皮切りに、交渉は、第2の議題であるセンターの「利用者カード」発行拒否問題も同時に追及する場となった。特に、センターによる「利用者カード」発行拒否に対する山谷労働者の怒りは強く、厳しい追及が闘われた。交渉団が「『利用者カード』発行が増えると不都合があるのか?」と追及すると、山谷対策係は「ない」と答える。だが、交渉団が「それなら、まず『利用者カード』を申請した労働者全員に発行し、それから一人ひとりに生活保護受給やハローワークでの登録、『生活困窮者自立支援制度』などを提案するという順番でいいじゃないか。『利用者カード』を発行しないために、生活保護やハローワークになどに『行け』と言い、追い払っている状況を変えろということだ」という当然の要求をすると、山谷対策係は、「先にカード発行はできない」と繰り返した。さらにその理由を追及すると、「理由は、答えられない」と言うのみだ。まったくの居直りだ。交渉団は、「理由も言えずに『先にカードを発行することはできない』などという回答は、居直りでしかない。結局、山谷労働者が『仕事がしたい。仕事紹介を受けたい』と言っても、東京都とセンターは拒否するということだ。われわれは絶対に許さない」と弾劾を叩きつけ、東京都による山谷対策の削減―山谷の再開発に加担して労働者を排除する攻撃を粉砕することを交渉団全員で確認し、当日の交渉を終えていった。

8月13日、玉姫公園での夏祭りに突入

 山谷夏祭りの初日である8月13日、東京・山日労と「実行委員会」の労働者は、東京・山日労が立て看を出し、月・水・金の労働相談―机出しをやっている拠点であるセンター前に結集し、隊列を整えて夏祭り会場である玉姫公園に移動を開始する。警視庁浅草警察の私服デカが遠巻きに監視するものの、何の手出しもできない。玉姫公園では、東京・山日労のビラを読んで、夏祭りの準備作業に合流しようとする労働者が待ち構えている。センター前からの隊列が到着すると、公園のゲートが開かれる。

 山谷夏祭りの初日は、夕方5時からの炊き出しの配食開始までに、ステージ、炊き出しカマド、炊き出しの切り込み場、屋台などの設営作業、3日間で1000食近い炊き出しの食材の搬入と調理、ステージ企画の準備をやり終えなければならない狠惨決戦瓩澄「実行委員会」で入念な打ち合わせをした労働者は、35度近い猛暑のなかで予定の作業を次々とこなしていく。途中から、鳶の工具を腰に付けた労働者が、飛び入りで作業に入ってくる。東京・山日労が呼びかける山谷夏祭りの特徴の一つは、山谷労働者が日頃の建設現場仕事で鍛えた腕で足場材を組み、ステージや屋台などを作ることだ。「労働者が準備する夏祭り」の本領発揮だ。中には、アブレ続きで現場に出ることができず、玉姫公園で自分の技術を確かめる労働者もいる。野宿が続き、山谷夏祭りの炊き出しを期待している労働者は、多い。「実行委員会」は、空きっ腹を抱えた労働者を待たせることなく、炊き出しの配食を実施するために奮闘する。東京・山日労が駅頭で行なってきた支援の呼びかけを知り、炊き出しの調理作業に参加してくれる労働者・市民も頑張ってくれる。午後5時半、予定より30分弱遅れたものの、すべての準備が整い、公園の外周で開場を待っていた300人を超える労働者が、一斉に玉姫公園に入ってくる。

支援労働者の連帯あいさつと全国寄せ場からの連帯メッセージ

 炊き出しを受け取って会場に敷かれたゴザの上で味わう労働者、無料のウーロンハイやカキ氷の提供を待つ労働者、開店した屋台で酒やツマミを買い込んで仲間と歓談する労働者で、玉姫公園が埋め尽くされる中、東京・山日労の労働者がステージ中央に立ち、2016年山谷夏祭りの開会を宣言し、開会のあいさつを行なう。「今の山谷には民間の求人がほとんど無く、輪番の仕事で得た8000円弱の収入で10日間近くを生き延びなければならない労働者が多い。そんな中でも『実行委員会』は、『山谷の仲間たちに大いに食べてもらい、楽しんでもらう夏祭りをやろう』と準備作業を頑張ってきた。仲間のために頑張るということが労働者の団結の出発点であり、労働組合運動が成立する基本だ。この仲間と玉姫公園に集まった仲間が一つに力を合わせ、俺たち日雇い・野宿労働者を犲挧蘯圻甍靴い砲靴毒喀する動きを打ち砕こう。参院選で『改憲勢力』が3分の2を超える議席を獲得したことで、一気に強まる改憲―本格的戦争突撃を粉砕して行こう」。

 続いて、山谷夏祭りで使う野菜や肉、氷などを大量に提供してくれた地域生協の労働者がステージに立ち、連帯のあいさつを行なう。「山谷労働者の団結を広げ、強めるための夏祭りを、自前で準備し切った皆さんに、敬意を表します。安倍が労働者を犠牲にし、本格的戦争に突撃する動きを強める中、地域生協でも『環太平洋パートナーシップ協定(TPP)』への批判が強まっています。労働者が命と生活を守り、団結を強めるための活動に、今後もできる限りの支援をしたいと思います」。

 次は、同じ時期に夏祭りを開催している全国の寄せ場からの連帯メッセージの紹介だ。「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」からは、「釜ヶ崎のセンターの周辺では、朝市つぶし、アオカンの仲間の荷物廃棄、花園公園での行政代執行が強行されています。これこそが、『センター縮小・移転』の正体です」「釜ヶ崎は、俺たち日雇い労働者の街です。釜ヶ崎の主人公は、俺たちです。俺たちが生きていくうえで不利益をこうむる権利の侵害に対しては、絶対に許さず闘いぬきます。『センター縮小・移転攻撃』=釜ヶ崎解体攻撃を団結して粉砕します」。福岡・築港日雇労働組合からは、「安倍政府がわれわれにもたらすものは、戦争による他国の労働者である仲間殺しと失業・野宿―野垂れ死ににほかなりません。こんなものに負けるわけにはいきません。ファシストとの街頭制圧戦も激しくなるでしょう。労働者にとって、ますます厳しい時代ですが、しがみつくものが何もないわれわれこそが、時代を切り拓いていく闘いの最先頭に立てる、生きがいのある時代の到来です。この夏祭りで打ち固めた団結で、さらなる『反戦・仕事よこせ』の闘いに撃って出、安倍政府打倒に進撃しましょう」。沖縄・首里日雇労働組合からは、「沖縄では、今、安倍政府による凶暴な高江ヘリパッド建設、名護新基地建設の攻撃との決戦攻防の時を迎えています。沖日労は、この攻撃を撃ち破るべく、多くの沖縄労働者人民とともに、現地攻防に連続的に決起しています。沖日労は、『暑気払い団結・交流会』を成功させ、沖縄の日雇いの団結をさらに打ち固め、秋の闘いに向かっていく決意です」。

山谷夏祭りの成功を寄せ場労働運動の前進へ

 開会の集会が終わると第1日目の企画が始まる。恒例のビール早飲みと綱引き競争だ。猛暑の中、冷え切ったビール瓶を手にした参加者は、会場からの割れんばかりの声援と笑いを受け、一気にビールを飲み干した。綱引き競争に参加した仲間は、仕事が無いために発揮する機会が無い全身の力を出し切り、一丸となって綱を引き合った。砂ぼこりを上げて繰り広げられる熱戦に、会場から圧倒的な声援が送られた。声援と拍手で盛り上がった企画に続いて、カラオケ大会で多くの労働者が自慢のノドを披露した。その後は、映画「山谷(やま)―やられたらやりかえせ」の上映だ。天皇主義右翼ファシスト・金町一家解体戦が頂点の時に山谷に居た労働者は、最近、山谷に辿り着いた労働者に当時の様子を伝え、山谷の労働者の闘いの中心に位置するのが金町一家解体の闘いであることを熱く語った。プログラム最後の盆踊りには、今年も太鼓の名手が登場し、盆踊りの列に入ることを躊躇する労働者を、そのバチさばきで列の中に引き込んでいった。こうして、山谷夏祭りの初日は、労働者が主人公となる夏祭りとして盛況のうちに終了時間を迎えていった。

 2日目は、午後5時からの炊き出しから始まり、企画としてスイカ割り、綱引き競争、カラオケ大会が行なわれた後、これも恒例となった「東京大衆歌謡楽団」のステージがアンコールを含めて1時間にわたって行なわれた。メジャーとしてデビューした後も、山谷夏祭り、越年・越冬闘争でのステージを年間行事として組み、山谷労働者との結びつきを大切にする「東京大衆歌謡楽団」には、圧倒的な感謝の拍手が送られた。

 山谷夏祭りの最終日である8月15日は、綱引き競争の熱戦が繰り広げられた後にカラオケ大会が行なわれ、続いて、「実行委員会」メンバーが「迷演」を披露する寸劇・「人生山あり谷あり」の上演だ。悪徳手配師と悪徳業者によって賃金不払い―使い捨てを受けた労働者を先頭にして東京・山日労が闘う実力争議の場面では、大きな拍手と笑いが会場を覆った。

 3日間の山谷夏祭りは、アブレ―野垂れ死に攻撃に直面する山谷労働者が同じ境遇にある山谷の仲間のために奮闘した。また、新たに山谷に辿り着いた労働者や「非正規雇用」で使い捨てを受けてきた若年層の労働者は、金町一家解体戦や悪徳業者追及の闘い、行政による排除攻撃との対決の闘いと、それを通して培われた団結があることを山谷夏祭りに参加することで実感した。さらに、今年の山谷夏祭りには、山谷の闘いに共感する労働者が現場に駆け付け、様々な作業に参加する姿が例年以上に増え、カンパや物資の提供も昨年を上回った。労働者を犠牲にする資本や安倍政府への怒りが強まり、「反戦・反失業」を基調にして闘うことへの支持が広がっているということだ。東京・山日労は、この成果を寄せ場労働運動の更なる飛躍・前進、安倍政府打倒にむかう隊列の拡大に結びつけることを決意している。