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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

「駆け付け警護」「宿営地の共同防衛」粉砕!
自衛隊の南スーダン第11次派兵を阻止せよ
(1204号10面)

策動される自衛隊南スーダン第11次派兵

 自衛隊・統合幕僚監部は、10月28日、「南スーダン派遣施設隊」の第11次派兵を発表した。今回の部隊編成は、陸上自衛隊東北方面隊の第9師団第5普通科連隊(青森県青森市)を基幹とし、八戸(青森県)、岩手(岩手県)、船岡(宮城県)の各駐屯地の施設部隊などの隊員を加え、総勢約350人から成る部隊である。11月20日に先発隊約130人が、青森空港から定期就航便で出撃し、さらに、11月30日に主力第1波約120人が、12月14日に主力第2波約100人がそれぞれ、青森空港からチャーター便で出撃する。

 安倍政府は、昨年9月の「安保法制関連法」成立直後から、南スーダンに派兵する陸自部隊の任務に、他国部隊の戦闘に援軍として駆け付ける「駆け付け警護」と「宿営地の共同防衛」を加える検討に入っていた。その後、今年3月に「安保法制関連法」が施行されると、安倍政府は、「駆け付け警護」「宿営地の共同防衛」に耐えられるような自衛隊の強化を進め、9月中旬から10月にかけて実動訓練を実施した上で、「駆け付け警護」「宿営地の共同防衛」任務付与を前提とした、南スーダン派兵の地ならしに入る。10月8日、防衛相・稲田は、南スーダンの首都・ジュバを訪問し、「南スーダン派遣施設隊」第10次部隊を視察した。そこで、防衛相・稲田は、「治安が落ち着いていることを見ることができ、関係者からもそういう風に聞くことができた。持ち帰って政府全体で議論したい」なぞと、たった7時間の滞在の末に、そう言いなした。そして、10月23日の、朝霞駐屯地での自衛隊中央観閲式で、首相・安倍が、居並ぶ自衛隊員に対し、「安保法制関連法」下において「諸君たちには、新しい任務が与えられることとなります」と、「駆け付け警護」と「宿営地の共同防衛」の任務を付与する姿勢を明らかにした。ついには、11月1日に、首相補佐官(国家安全保障担当)・柴山が南スーダンを訪問して現地を視察し、大統領・キーンらと会談すると、翌11月2日、安倍政府は、「南スーダンの地域によっては楽観できない状況ではあるものの、ジュバ市内は比較的落ち着いている様子を改めて確認した」との「報告概要」をまとめた。そして、安倍政府は、「駆け付け警護」「宿営地の共同防衛」任務付与を「可能だ」と最終判断し、「国家安全保障会議」や自民党・公明党内の了承手続きを経て、11月15日にも、閣議決定するとしている。その閣議決定を受け、防衛相・稲田が、派兵部隊に対し、「駆け付け警護」「宿営地の共同防衛」任務の実施を指示しようというのだ。

 安倍政府は、派兵する自衛隊の動揺を抑えるために、様々な方便を使っている。「駆け付け警護」「宿営地の共同防衛」任務を付与した場合の活動範囲を「首都・ジュバ周辺に限定する」としてみたり、「他国軍を保護するのは基本的に現地政府や国連の歩兵部隊だ」「施設部隊の自衛隊が他国軍を駆け付け警護することは想定されない」として、「自衛隊員のリスク低減」をこれでもかと強調した「運用方針案」を作成したりしている。しかし、その「運用方針案」の中で、「邦人に不測の事態が生じる可能性は皆無ではない」として「邦人保護」を強調したり、「『駆け付け警護』は、自衛隊部隊の近くで非政府組織(NGO)などの活動関係者が襲われ、他に対応できる国連部隊が存在しない等の極めて限定的な場面で、要請を受け、応急的かつ一時的な措置として行なう」と説明している。このような、実際の戦闘を想定した態勢を作り、訓練を重ねて派兵しておいて、「自衛隊員のリスク低減」も何もあったものではない。安倍政府は、いつものごとく、随所にウソとペテンをちりばめながら、自衛隊南スーダン派兵をあくまで強行することで、自衛隊の猩働者人民虐殺の軍隊瓩悗龍化を進めようとしているのだ。

内戦状態が続く南スーダン

 2011年7月にスーダンから、南スーダンが分離・独立した。国連は、「国連平和維持活動」(PKO)として、ただちに国連南スーダン派遣団(UNMISS)を設置してスーダンと南スーダンとの衝突に身構えた。UNMISSには、合計62ヵ国からおよそ1万6000人の軍人、警察官、専門家らが参加し、両者を分離させる部隊として活動している。

 自衛隊は、このUNMISSに2012年1月以降、陸自の施設部隊を約半年交代で送り込み続けている。派兵部隊は、「比較的治安が安定している」といわれる首都・ジュバに宿営地を設営し、現在、派兵部隊強化のための条件整備を行なうとともに、現地で道路や橋梁などの社会インフラ整備を行なっているとされる。施設部隊の活動に必要な機材は、ジュバから約2000キロ離れたケニアの港湾都市・モンバサや、国連の物資集積基地があるウガンダのエンテベから輸送している。また、南スーダンPKOの司令部要員の派兵についても、陸上自衛官3人がジュバのUNMISS司令部に派兵されている。

 日帝は、「南スーダンの国づくりに貢献する」と称して、石油権益などを確保するための活動に踏み込んでいる。PKOとこれに連動した政府開発援助(ODA)の活用を「車の両輪」に据え、医療・教育施設の建設に加え行政や衛生・農業といった分野で非政府組織(NGO)とも連携した人材育成・技術協力も進め国家の基本的機能の構築を支援するという。日帝は、自衛隊派兵をテコに、南スーダンに食い込み、石油資源などの権益を確保しようとしてきた。

 2012年の安倍政府発足以降、南スーダン派兵はさらに強化されてきた。活動範囲が東エクアトリア、西エクアトリア両州にも拡大され、それに伴い人員も増員された。

 しかし、南スーダン北部では、スーダンとの対立が続き、戦闘が頻発している。そればかりか、2年以上にわたり、南スーダン内部での内戦も激化している。2013年12月以降、大統領・キールの出身民族であるディンカ人と、反乱軍を率いる前副大統領・マシャールの出身民族であるヌエル人との民族対立が激化し、北部の油田地帯を主戦場とする戦闘が続いてきた。国連は、この内戦による死者を、少なくとも5万人と見積もっている。また、「国内避難民」も270万人に達している。

 この内戦は、今年4月末に、両派勢力の妥協による「暫定政府」が発足することで、一段収束に向かったとされた。しかし、そんな「暫定政府」発足なぞ、所詮は妥協の産物でしかなく、じきに破綻した。7月、首都・ジュバで、大統領派と副大統領派との大規模な銃撃戦が発生し、戦車やヘリコプターも出撃する事態となった。その結果、ジュバだけで270人以上が死亡した。この7月の戦闘は、政府軍の勝利に終わったが、この戦闘発生時、自衛隊は、「安全を優先して宿営地にこもる姿勢」をとっていたとしている。そのことを踏まえても、この時点で自衛隊が、戦闘に踏み込んでいた可能性があったことは間違いない。事実、11月2日に、南スーダンの情報相・ルエスは、7月の大統領派と副大統領派との大規模戦闘の際に、南スーダン政府軍とUNMISSのPKO部隊との間でも一時、交戦があったとの認識を示している。さらに、国連施設も略奪の被害を受けている。大規模戦闘で混乱状態に陥った際には、本来はPKO部隊と協力すべき南スーダン政府軍との戦闘や、国連施設に対する略奪行為など、想定していない事態に巻き込まれる現実を示しているのである。なお、7月の戦闘後、国外退避した「国際協力機構」(JICA)の職員たちは、いまだ南スーダンに戻ることができず、従来、南スーダンで行なっていた、インフラ整備などの事業は、現在も放置された状態のままである。

 内戦は、いまだ続いており、10月中旬には、ジュバから約600キロ離れた地域での戦闘で、50人以上が死亡している。そして、7月以降、新たに25万人が「難民」となり、人口の3分の1にあたる約400万人が食糧を入手しにくい状態に置かれている。10月以降、1日に平均で3500人が国外に逃れている状態である。

戦争遂行の安倍政府を打倒せよ

 内戦の激化を受け、国連は、4000人の「地域防護部隊」の増派を決定した。現地政府は、一旦は国連の増派を拒否していたが、11月に入り、しぶしぶ了承した。しかし、決して納得はしていない。情報相・ルエスは、「われわれは、主権国家だ。市民は、派兵部隊を嫌っている。任務の詳細が分からなければ受け入れられない」と発言しているのである。その派兵部隊の中に、自衛隊が含まれるのは言うまでもない。

 しかも、当のUNMISSの活動自身が、停滞必至の大きな危機の中にある。11月1日、国連事務総長・潘基文は、7月のジュバでの大規模戦闘の際に、PKO部隊の指揮命令系統が不適切であり、かつ市民を守ろうとしなかった点を指摘し、隣国・ケニア出身の司令官・オンディエキを解任した。11月2日、この司令官解任に逆ギレしたケニア政府は、「南スーダンのPKOが構造的な機能不全に陥っているにもかかわらず、特定の一個人に責任を押しつけようとしている」と反発し、約1000人のケニア軍の部隊の引き揚げを発表した。ケニア政府がPKO活動に非協力的な態度を取るようになれば、自衛隊の輸送活動をはじめとした、現地での活動に影響が出るのは必至である。

 このように、南スーダン情勢は、内戦の激化、PKO活動の停滞という、混沌とした状況の中にあることは間違いない。だいたい、7月以降、派兵された自衛隊自身が、「車の両輪」と位置付けてきたNGOの国外退避をも受け、まともな活動ができていないことも、露呈しているのである。誰が見ても、自衛隊の即時撤退が必至であるにも関わらず、こんな状況を前にした防衛相・稲田らが「落ち着いている」なぞと大ウソを吹いて回っているのだ。安倍政府の対応は、「とにかく派兵ありき」の態度に終始している。2016年版「防衛白書」の中で、コラム欄を増大させているが、その中で「自衛隊員のリスクについて」の一文を置いて、「新たな任務に伴う新たなリスクが生じる可能性」について「法律上及び運用上の安全確保の仕組みによって、極小化、局限化し、隊員を派遣します」とし「隊員の安全対策に全力を挙げてまいります」としている。こういう空文句の数々を並べ立てることで動揺を抑えながら、とにかく自衛隊を南スーダンの前線に送り出そうとしているのだ。

 そんな過酷な状況の中での自衛隊の活動は、常に、戦闘との遭遇が予想されるものであり、そのことは、当の自衛隊員も自覚している。今年3月、PKO派兵に参加して帰還した、中部方面隊の福知山駐屯地(京都府)所属の隊員が、宿営地に着弾したとされる銃弾を持ち帰り、福知山駐屯地の史料館に「日本隊宿営地に着弾した5・45ミリ小銃弾」と銘打って、誇らしげに展示していたことが発覚している。狎鐫呂鬚ぐった自衛隊瓩梁減澆鬟▲圈璽襪靴茲Δ帆世辰討い燭里鰐棲里任△襦

 「安保法制関連法」施行下、自衛隊を猩働者人民虐殺の軍隊瓩悗閥化した末に、中東労働者人民に銃口を向け、虐殺することを、断じて許してはならない。「駆け付け警護」「宿営地の共同防衛」を粉砕し、自衛隊の南スーダン第11次派兵を断固として阻止しよう。南スーダン出兵部隊が所属する青森駐屯地に進撃する現地実力闘争を闘いとろう。自衛官に出兵拒否を訴え、自衛隊の隊内叛乱の組織化をなし切ろう。

 反革命翼賛国会を粉砕し、安倍極右政府による戦時国家体制形成―ファシズムへの突撃と対決しよう。革命的反戦闘争の爆発をかちとり、国際反革命戦争の拡大・激化へ突き進む安倍極右政府を打倒しよう。中東反革命戦争、朝鮮反革命戦争を粉砕する革命的反戦闘争の爆発をかちとろう。