解放トップ
トップに戻る
解放最新号
バックナンバー
論文
定期購読

東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

11・11法相・金田による、「裁判員制度」下で2度目の死刑執行を弾劾する (1205号8面)

 福岡拘置所での死刑執行を徹底弾劾する

 11月11日、法相・金田勝年の死刑執行命令により、1人の死刑囚の死刑執行が強行された。福岡拘置所に収監されていた田尻賢一死刑囚(45歳)が、国家権力の手によって虐殺されたのである。前回の2016年3月の死刑執行以来、約8ヵ月での執行となった。

 今年8月の内閣改造時に法相に就任して以降、金田にとって初の死刑執行であった。金田は、今回の死刑執行について「誠に身勝手な理由から被害者の尊い人命などを奪うなど極めて残忍な事案であり、被害者や遺族の方にとって無念このうえない事件だと思います」とした。金田は、今年8月の内閣改造時に法相に就任した際に、「死刑の判決は、極めて凶悪かつ重大な罪を犯した者に裁判所が慎重な審理を尽くして言い渡す。裁判所の判断を尊重しつつ、法の定めに従って慎重かつ厳正に対処するべきだ」としていた。その発言からたった3ヵ月での死刑執行となった。

 2012年12月に安倍極右政府が発足して以来の死刑執行は、ついに10度目を数え、執行者数は17人となった。2006年の第1次安倍政府時の10人と合わせると、通算27人になる。安倍政府の死刑執行への突出ぶりがいよいよ際立っている。今回の死刑執行によって、全国の拘置所に収監されている死刑囚は128人(再審開始決定により釈放された袴田厳氏を除く)となった。

 日帝・法務省は、死刑執行にあたり今回も死刑囚の名前と犯罪事実、執行場所を公表した。「熊本県宇土市の病院長宅に侵入し、病院長の妻を殺害して金品を奪った」「熊本市の住宅で会社役員の妻を殺害し、現金などを奪った」などと、ブルジョアマスコミを使って犯罪事実を大々的に宣伝することで、死刑囚が「凶悪な人格」であることを印象づけている。このことで、「これだけ凶悪な人間ならば、死刑で当然」ということをアピールし、「死刑推進の世論」を形成しようという、もはや定番となったやり方である。法務省は、今回もまた、死刑執行に対して都合の悪い情報は伏せたまま、ただただ、「死刑執行支持の世論」を作り、死刑反対運動を圧殺することを目的に「情報公開」を行なったのである。

 安倍政府は、とにかく切れ目ない死刑執行の犲太哭瓩鮑遒襪海箸如∈8紊了犒瑳更圓瞭散攤遒蠅北起となっているのだ。そのような意図に基づく死刑執行を、断じて許すことはできない。
 法相・金田による11・11死刑執行を徹底弾劾する。

「裁判員制度」下での死刑制度強化、治安管理強化を許すな

 今回の死刑執行において特筆すべきは、「裁判員制度」下での2度目の死刑執行であったということである。前回の2015年12月、「裁判員制度」によって死刑判決がうちおろされた死刑囚に対して、初めて死刑執行が強行されている。今回の事例を見ると、田尻死刑囚は2011年に第1審・熊本地裁の裁判員裁判において死刑判決を受け、その後、2012年に最高裁への上告を取り下げて死刑判決が確定している。いかにも拙速の感はぬぐえない。

 「裁判員制度」は、労働者人民の中から無作為に「裁判員」として選ばれた者が、重大な事件の公判に参加させられる制度であり、2011年5月以降、実際の公判での運用が開始されている。「裁判員制度」導入をテコにして、現場の法廷では裁判の迅速化などの諸制度改悪が進められてきた。「公判前整理手続き」などで裁判の迅速化が進めば被告や弁護士の負担が増え、公判で被告側が不利になることが明白であることや、「被害者参加制度」の導入が、「遺族」「犯罪被害者」が裁判に加わって感情に訴えて法廷で証言することで、死刑判決を煽りたてるものであることが指摘されてきた。そして、「裁判員」は、圧倒的な検察側の情報の洪水にまみれながら、短期間のうちに、死刑判決に参加しなければならず、いわば「裁判員」に指名された者が死刑判決に強制的に参加させられる制度である。「裁判員制度」下での死刑執行のさらなる加速を断じて許すことはできない。「裁判員制度」そのものを、労働者人民の闘いで粉砕しなければならない。

 近年、判決の厳罰化がより加速し、死刑判決が増加している。安倍政府の進める治安管理強化の狎擇蟷キ瓩箸靴董∋犒裟度が存在しているのである。

 安倍政府が振りかざす「死刑執行を望む世論」なるものは、重要な情報を国家権力のごく一握りの人間が握り、「世論」を都合よく誘導した末に作られたものに過ぎない。そんな虚構なぞ、袴田巌氏に48年間の超長期の勾留を強制した「袴田事件」をはじめとした、数々の冤罪事件が表面化する中で、既に崩れ去っている。警察権力が無実の労働者人民を不当逮捕してウソの「自白」を強制し、「物的証拠」を平気で捏造し、司法権力が追認して労働者人民を監獄に叩き込んでいく横暴ぶりが次々に暴露されているのだ。

戦時国家体制形成の一環としての死刑制度の廃止かちとれ

 世界の趨勢を見れば、死刑制度は廃止の方向にある。2014年の段階で、死刑廃止国は140ヵ国であり、死刑存置国は58ヵ国となっている。実際に死刑を執行した国は、日帝を含め22ヵ国に過ぎない。しかも、2015年には、フィジー、マダガスカル、スリナムの3ヵ国が、死刑を廃止した。さらに、モンゴルも、2015年12月に、死刑を廃止する新刑法を制定し、2016年9月に施行されている。一方で、エジプトやサウジアラビアなど、強権支配と戦時国家体制形成が加速する反動諸国で、軒並み死刑執行が乱発されている。このことを見ても、死刑制度が支配者どもを利するものであり、死刑制度廃止こそが労働者人民の要求であることは明らかである。

 そんな世界の趨勢を見て、日本弁護士連合会は、今年10月に開催した「人権擁護大会」において、「2020年までの死刑制度廃止と終身刑の導入」を国に求める宣言を採択している。この宣言では、死刑囚の再審無罪が相次ぎ、国際社会が死刑廃止に向かっていることや、「犯罪の抑止効果を示す根拠の欠如」などを理由に、「改めて死刑執行を停止し、制度の廃止を目指すことを求める」としていた。

 しかし、戦時国家体制形成を急ぐ安倍政府は、こうした世界の趨勢も、日弁連の動きをも、まったく意に介することがない。何しろ、日弁連の声明発表からたった1ヵ月での死刑執行に、平気で踏み込んでいるのである。安倍政府は、度重なる「国連人権勧告」に無視を決め込んでいる。「国連自由権規約委員会」は、2014年の段階で、死刑廃止を求めるだけでなく、昼夜独居処遇による収容体制の見直し、検察側資料の十分な開示、死刑事件における義務的かつ効果的な再審査の制度の確立、および拷問等による自白の証拠不採用など、厳しい勧告を出しているが、安倍政府は、一向に改善にすら手をつけようとしない。安倍政府は、いよいよその傲慢ぶりを全面化させながら、迫り来る朝鮮反革命戦争突入をみすえ、治安管理強化をさらに進めている。

 死刑制度そのものが戦時国家体制形成の一環としての攻撃であることを見逃してはならない。安倍政府は、死刑制度を堅持することで、かつての治安維持法弾圧のように、戦争に反対する者や勢力を極刑によって爐澆擦靴甅瓩箸靴撞垰Δ掘△△襪い六犒瑳更圓鰈喝することで組織壊滅型弾圧を加速させようとしているのだ。そして、日帝国家権力は、東アジア反日武装戦線や連合赤軍の死刑執行にも踏み込もうとしている。

 安倍政府による死刑制度存続なぞ、断じて許してはならない。
 安倍政府は、治安管理強化のための弾圧立法制定を急いでいる。「刑事訴訟法」等改悪を強行し、「共謀罪」新設を狙っている。また、2020年「東京オリンピック」を踏み台にした、「国際テロ対策」と称する警察の強化に動いている。治安管理体制の構築を推し進めることで、「人民の海」を干しあげ、闘う労働者人民への弾圧をより強化しようとしているのだ。

 安倍政府による治安管理体制強化を粉砕しよう。戦争遂行の安倍極右政府を打倒しよう。