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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

3・31卒業式処分発令抗議・該当者支援総決起集会が闘われる
(1221号6面)

2人が不起立決起

 東京都立学校での卒・入学式で「日の丸・君が代」を強制する都教委の「10・23通達」と対決する教育労働者の闘いが3月の2016年度卒業式でも闘いぬかれ、2人が決起した。都教委は、3月13日及び21日に、2人を都庁に呼び出し、事情聴取を強行した。例年、都教委は、この事情聴取の後、3月下旬に不起立者への処分を発令してきた。今年は、3月31日になっても発令していない。

 3月31日、午後1時30分から、文京区民センターで「5者卒・入学式対策本部」が主催した「処分発令抗議・該当者支援総決起集会」が闘われた。「5者」とは「『日の丸・君が代』予防訴訟をひきつぐ会」「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」「『日の丸・君が代』不当解雇裁判をひきつぐ会」「『日の丸・君が代』強制反対・再雇用拒否撤回を求める2次原告団」「同3次原告団」で構成されている。この集会には、不起立を闘った当該2人をはじめ、現役の教育労働者、教職員のOB、また支援者ら70人を超える労働者人民が結集し、東京・山谷日雇労働組合、東京都地域連合労働組合、神奈川県地域連合労働組合も結集した。

 「五者卒・入学式対策本部」の山口氏が司会に起ち、「今年で、『10・23通達』から14回目の卒業式でした。14年間、連綿と不起立が闘われ、今年も2人が不起立を闘いました」とあいさつを行なう。

 続いて、「5者卒・入学式対策本部」の川村氏が「今年の卒業式をめぐる状況」の報告を行なった。「都教委は、1月の校長連絡会、副校長連絡会で『生徒への指導が適正か、教職員の指導状況を確認』するよう指示を出した。さらに、今年度は、卒業式の3週間前までに都教委に提出する卒業式の進行表の中に生徒の不起立に対する対応が書かれていないと、『司会は、生徒の不起立者多数の場合爐患立ください瓩箸いΑ戮箸いκ幻世鯑れるよう、強い指導をした。『10・23通達』を、生徒の指導にシフトしている。2008年から、多くの学校で、進行表に『不起立の生徒がいたら司会が起立を促す』という文言が入れられるようになっていた。これまではその文言がなくても都教委は、進行表を受け取っていたが、今年度は受け取らなくなった。さらに、それでも起立しない場合は、副校長がマイクで起立を促し、生徒が全員起立したことを確認したうえで司会にマイクを渡す、という進行を指示していた」「1月25日に、『5者』が行なった『職務命令を出すな』『卒業式処分をするな』『服務事故再発防止研修をするな』という都教委要請行動に対しては、無回答という対応に出ている」「都知事・小池は、全都立学校の校長・副校長にメールで卒業式の『お祝いのメッセージ』を送り、卒業式の祝電メッセージの冒頭で読むこと、メッセージを校内に掲示することを指示した。これは、3年生たちが選挙権を持つことを意識し、7月の都議会選をにらんだものと見られる」「2月14日に、公表された保育所の『運営指針』で『国旗と国家に親しむ』と明記し、幼稚園の『教育要領』見直し案にも同様の趣旨が盛り込まれている。幼児にまで国旗・国歌の強制が始まっているのだ」。

不起立決起の教育労働者が報告と闘う決意を表明

 「該当者の発言」として、初めに不起立4回目のSさんが発言に起つ。Sさんは、卒業式の現場で管理職が「厳粛さ」なぞそっちのけで起立を強制しようとする姿をリアルに報告した。「副校長は、『あなたは〇月〇日の職務命令に従って起立斉唱してください』と言って来た。私は、『迷惑ですから静かにしてください』と言ったが構わず続ける。『あなたは、校長の職務命令に従わず、国歌を斉唱できないのですか』と繰り返す。大きな声なので周りの生徒たちにも聞こえ、振り返る。しかし、『〇〇先生・・・・・』と繰り返し言い続ける。私が、『静かにしてください』と言っても聞かない。『△時△分、起立できないことを現認しました』『卒業式が終わった後、校長室に来て事情聴取に応じてください』と、約40秒の『君が代』斉唱の間の30秒間くらいはこのようなことを言い続けた。『厳粛』も何もあったものではなかった。そこで、校長室に行った際、『なんででかい声でやるんだ』と聞くと、校長は『都教委に言われている通りにやっただけです』と答えた。そういう指示が出ていたという事だ」「どうやら、副校長会が『忖度』して勝手に自分たちの首を絞めたんじゃないかと思う」「『君が代』は、非常に危険なツールだ。管理統制、人々を動員するために使われる、非常に危険性をもっている道具だと思う。それに対する警戒心で不起立を闘っていきます」。

 次にOさんが報告に起つ。「この1ヵ月の間、何度か校長室に呼ばれました。校長と副校長は、私が過去に2回処分されたのは知っています。副校長は、『人間関係ができれば、考えを変えられると思った』と言い、また『僕の考えが甘かった。この問題は、そんなに簡単じゃなかったんだ』と、説得することをあきらめたようでした」「何度も不起立をやっている人でも、1回ずつ悩んだり、迷ったり、苦しんだりして、でも、どうしても起てないから、最後座るんです」、「定時制で来年卒業する3年生の担任をしていて、来年の卒業式には出たいと思っていたので、正直、今年は迷いました」「この闘いは、『1人だから目をつぶるということをしない』ことが大事だと考え、明日の卒業式に行かず、不起立をしなかったら、一生後悔すると思い、卒業式に出て、不起立しました」「案の定、来年度は4年生の担任ではなくなりました」「この問題に少しでも疑問を感じる人は、たとえ処分を懸念しても、もやもやした気持ちは消えないし、座れば面倒くさいことが待っているし、生徒に『ごめんね』という気持ちにもなる。誰もが不幸になる通達です。起った人も、座った人も、休暇を取った人も一緒に頑張りたいと思います」。

 質疑応答の後、行動提起がおこなわた。行動提起は、処分を発令しようとしている都教委に対して「処分を発令するな」というファックスを集中することが提起された。最後に、「卒業式における『君が代』処分をしないことを求める決議」を全体で確認し、総決起集会を終えていった。


3・23教育委員会は「君が代」処分をするな!都庁前ビラまき行動が闘われる

 2016年度卒業式で、2人の教育労働者が「君が代」不起立を闘った。これに対し、東京都教育委員会は、3月13日、3月21日に当該の教育労働者を呼び出し、「事情聴取」を行なった。この「事情聴取」に対して、「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会(被処分者の会)」は、厳重に抗議し、本人が指定する第3者の事情聴取への「立ち会い」を求めた。しかし、都教委は「都教委の裁量で認めない」として拒否した。この不当な「事情聴取」にもとづき、3月23日、都教委は、定例会を開催し、2人に懲戒処分を決定しようとしている。これを許さない闘いとして、「被処分者の会」と「東京『君が代』裁判原告団」が共同で早朝からの都庁前ビラまきに取り組んだ。これには、東京・山谷日雇労働組合の仲間も参加した。

 2012年1月、東京「君が代」裁判1次訴訟において、最高裁は、「社会通念上著しく妥当を欠き、懲戒権者の裁量権の範囲を超え、違法」として減給処分を取り消した。しかし、都教委は、2013年以降、4回目以上の不起立に対して減給処分を強行し、累積加重処分を脅しにして教職員に服従を強いるやり方を繰り返している。同判決は、「不起立・不伴奏等が真摯な動機による行為である」と認めた上で、「職務命令は思想・良心の自由の間接的強制に当たる」として「1回目で戒告処分とすることに関しては、裁量権の範囲内における当不当の問題として論ずる余地がある」と述べ、さらに、2013年9月の東京「君が代」2次裁判最高裁判決は、「(思想・良心の自由に関わっての)不服従に対する不利益処分は、慎重な衡量的な配慮が求められる」として、都教委に「謙抑的な対応」を求める「補足意見」を加えている。にもかかわらず、都教委は、再三にわたる原告団の紛争解決の要請を拒み、話し合いの席にも着こうとせず、3月23日もまた処分を決定しようとしているのだ。

 都庁前ビラまきは、「本日、教育委員会は、『君が代』処分をしないでください」という見出しのビラが用意され、午前7時40分過ぎには、都庁第1庁舎と第2庁舎の連絡通路や新宿駅西口から都庁につながる「中央通り」で開始された。都庁に出勤する労働者が増えてくる8時過ぎになると、それまで都庁敷地内でのビラまきを見ているだけだった警備員が、「敷地内でのビラまきはしないで下さい。敷地外に出てください」と規制に入ってくる。都教委が、道義性なき「君が代」処分への怒りと行動が拡大することを妨害するために指示を出しているのは明らかだ。ビラまきの労働者は、不当な規制に抗議しつつ「中央通り」沿いで8時半までビラまきを貫徹した。