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4・26東京「再雇用拒否撤回第3次訴訟」控訴審判決公判闘争が闘われる (1223号4面)

東京高裁の不当判決弾劾

 4月26日、東京高裁民事第5部で「再雇用拒否撤回第3次訴訟」の判決公判闘争が闘われた。「再雇用拒否撤回第3次訴訟」は、都立学校の教職員3人が卒業式等の「君が代」斉唱時に校長の職務命令に従わず起立しなかったことのみを理由に、定年等退職後の再雇用である非常勤教員としての採用を拒否されたことに対する損害賠償請求事件として2014年1月15日に提訴された。原告の3人は、卒業式等で「君が代」不起立を闘い、懲戒処分を受け、東京「君が代」裁判を闘っている。2011年3月に定年退職を迎えた3人は、退職後の生活保障のために再雇用を求めて「非常勤教員」選考試験を受けたが、採用を拒否された。都教委は、「君が代」斉唱時に起立しなかったことのみを理由に、「勤務成績不良」であるとして採用から排除したのだ。

 2016年4月18日の東京地裁判決は、「不合格の理由は不起立のみである」と認定しながらも、原告の主張をことごとく棄却した。「 悖隠亜Γ横劃銘』およびこれに基づく校長の一連の職務命令は憲法や教育基本法に違反する。∈陵儺馮櫃蓮原告の思想・信条の自由および信仰の自由をを理由とした不利益扱いであり憲法に違反する。『10・23通達』およびこれに基づく起立斉唱命令は、思想、良心、宗教の自由を規定した『国際自由権規約』に違反する。ず陵儺馮櫃蓮都教委の裁量権逸脱として違法無効」という主張を全面的に否定したのだ。先行する東京「再雇用拒否撤回第2次訴訟」判決は、地裁、高裁とも継続雇用を認め、都教委の裁量権逸脱・濫用をみとめている。だが、同案件である本訴訟では、非常勤教員への96パーセント〜98パーセントという高い合格率を「たまたま偶然が重なった」として、採用を「法が期待する権利」とは認めず、「事実上の期待権」にとどめた。また、非常勤教員制度が継続雇用制度であることを認めず、「満額年金支給までの雇用と年金の接続」を認めなかった。そして、「職務命令よりも自己の見解を優先させ、職務命令違反したことは選考で不利に評価されてもやむを得ない」とした。「思想転向しないから再雇用を拒否されたのは当然だ」と言い放ったのだ。この不当判決を覆すべく、原告3人は、2016年4月26日に控訴し、3回の控訴審闘争を闘いぬいた。

都教委の主張を全面的に採用した高裁判決を許すな

 12時30分、弁護士会館前に結集した原告と支援は、横断幕を先頭にして裁判所前まで行進し、裁判所前に結集している他の「君が代」裁判の原告や支援者に拍手で迎えられた。午後1時25分に開廷となった法廷は、支援の傍聴者が多く、入り切れない支援者がでるほどであった。高裁裁判長・永野は「本件控訴をいずれも棄却する」「控訴費用は控訴人らの負担とする」という判決主文を言い渡すと、逃げるように法廷から出て行った。判決結果が、裁判所前で待つ支援者に対して、法廷から出てきた傍聴者によって、「不当判決」と書かれた旗で示される。

 裁判所前は、ただちに不当判決に対する抗議集会の場となった。原告のA氏は、「不安があったが、非常に残念な判決だ」。B氏は、「今日の判決に怒り心頭です。判決は、『継続雇用ではない。新たな雇用であり、都教委に裁量権もある』と言っている。まったくひどい判決です。上告して闘います」と怒りとさらなる闘いにむけた決意を明らかにした。

 虎ノ門の会場で行なわれた報告集会では、原告団と弁護団による控訴審判決を批判する声明が発表された。今回の判決は、原告が主張した憲法19条(思想・良心の自由)違反、憲法20条(信教の自由)違反、教育基本法10条(不当な支配の禁止)違反のすべてを認めなかった。また、非常勤教員制度が「定年退職後の教職員の雇用と年金の連携の施策を補完する機能を果たしている面のあることは否めないものの、雇用期待は、あくまでも事実上の期待に過ぎない」と「法が期待する権利」を否定した。さらに、判決は、卒業式で「大多数が起立する中で、積極的な妨害行為に及ばずとも、一部の教職員が起立しないことは、・・・式典の厳粛さを大きく害する」として原告を非難している。まさに、「はじめに結論ありき」で都教委の主張を全面的に採用した判決だ。

 判決公判闘争から報告集会をともに闘いぬいた原告と支援者は、上告審の闘いで必ず勝利する決意を固め、当日の闘いを終えていった。