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7・13法相・金田による死刑執行を弾劾する (1234号8面)

2人への死刑執行を徹底弾劾する

 7月13日、法相・金田勝年の死刑執行命令により、2人の死刑囚の死刑執行が強行された。大阪拘置所に収監されていた西川正勝死刑囚(61歳)と、広島拘置所に収監されていた住田紘一死刑囚(34歳)が、国家権力の手によって虐殺されたのである。前回の2016年11月の死刑執行以来、約8ヵ月での執行となった。

 2016年8月の内閣改造時に法相に就任して以降、金田にとって2度目の死刑執行であった。2012年12月に安倍極右政府が発足して以来の死刑執行は、ついに11度目を数え、執行者数は19人となった。2006年の第1次安倍政府時の10人と合わせると、通算29人になる。安倍政府の死刑執行への突出ぶりがいよいよ際立っている。今回の死刑執行によって、全国の拘置所に収監されている死刑囚は124人(再審開始決定により釈放された袴田厳氏を除く)となった。

 日帝・法務省は、死刑執行にあたり今回も死刑囚の名前と犯罪事実、執行場所を公表した。「京都と松江、姫路で、スナックの女性経営者四人を相次いで殺害」「岡山市で元同僚の女性を殺害し、遺体を切断して遺棄」などと、ブルジョアマスコミを使って犯罪事実を大々的に宣伝することで、死刑囚が「凶悪な人格」であることを印象づけている。「これだけ凶悪な人間ならば、死刑で当然」ということをアピールし、「死刑推進の世論」を形成しようという、もはや定番となったやり方である。法相・金田は、「いずれの事件も、身勝手な理由から被害者の尊い人命を奪うなどした極めて残忍な事案で、それぞれの被害者や遺族の方々にとって、無念このうえない事件だ。裁判所で十分な審理を経て、最終的に死刑が確定したもので、慎重な検討を加えたうえで、死刑の執行を命令した」と言いなしている。法務省は、今回もまた、死刑執行に対して都合の悪い情報は伏せたまま、ただただ、「死刑執行支持の世論」を作り、死刑反対運動を圧殺することを目的に「情報公開」を行なったのである。

 安倍政府は、とにかく切れ目ない死刑執行の犲太哭瓩鮑遒襪海箸如∈8紊了犒瑳更圓瞭散攤遒蠅北起となっているのだ。そのような意図に基づく死刑執行を、断じて許すことはできない。

 法相・金田による7・13死刑執行を徹底弾劾する。

再審請求中の死刑囚への死刑執行を許すな

 今回の死刑執行において強調すべき点の1つは、再審請求中の死刑囚に対する死刑執行に踏み切ったことである。西川死刑囚は、死刑執行時、再審請求中であった。

 現在、124人いる死刑囚のうち、7割以上の91人が再審請求を行なっている。死刑囚が再審請求によって無罪判決をかちとった例は、過去に4度ある。そして、袴田厳氏は、2014年に、静岡地裁の再審開始決定によって、東京拘置所から釈放されている。また、刑事訴訟法は、「法相は死刑確定から6ヵ月以内に執行を命じる」ように規定しているが、「再審請求などの手続きや共犯者の裁判が終わるまでの期間は、この6ヵ月に算入しない」とも定めている。そのために、法務省は、死刑執行に踏み込むにあたり、「再審請求や恩赦出願などを行なっておらず、予定もない」(法務省関係者)ことを重視し、再審請求中の執行を回避する傾向があった。過去、再審請求中の死刑囚への死刑執行は、1999年の1例のみとされる。

 今回の死刑執行は、そんな犂稽祗瓩鯒砲襪發里箸靴胴圓覆錣譴拭6眦弔蓮∋犒瑳更堙日の記者会見で、再審請求中の死刑囚に対する死刑執行について「一般論として、再審請求の手続き中はすべて死刑の執行命令を発しないとなれば、請求を繰り返すかぎり、永久に刑の執行をなしえないことになり、刑事裁判の実現を期することは不可能となる。再審請求中であったとしても、当然に棄却されることを予想せざるをえないような場合は、死刑の執行を命ずることもやむをえない」と言い放ったのである。今後、法務省が、再審請求中の死刑囚に対する死刑執行にさらに踏み込むことを、許すことはできない。

「裁判員制度」下での死刑制度強化、治安管理強化を許すな

 今回の死刑執行において強調すべき点の2つは、「裁判員制度」下で死刑判決を受けた死刑囚に対する、死刑執行が行なわれたことにある。2015年12月、「裁判員制度」によって死刑判決がうちおろされた死刑囚に対して、初めて死刑執行が強行されて以降、今回の住田死刑囚の事例が、3度目となった。住田死刑囚は、2013年2月に第1審・岡山地裁の裁判員裁判において死刑判決を受け、2013年3月に高裁への控訴を取り下げて死刑判決が確定している。この死刑判決確定自体、拙速の感がぬぐえない。

 「裁判員制度」は、労働者人民の中から無作為に「裁判員」として選ばれた者が、重大な事件の公判に参加させられる制度であり、2011年5月以降、実際の公判での運用が開始されている。「裁判員制度」導入をテコにして、現場の法廷では裁判の迅速化などの諸制度改悪が進められてきた。「公判前整理手続き」などで裁判の迅速化が進めば被告や弁護士の負担が増え、公判で被告側が不利になることが明白であることや、「被害者参加制度」の導入が、「遺族」「犯罪被害者」が裁判に加わって感情に訴えて法廷で証言することで、死刑判決を煽りたてるものであることが指摘されてきた。そして、「裁判員」は、圧倒的な検察側の情報の洪水にまみれながら、短期間のうちに、死刑判決に参加しなければならず、いわば「裁判員」に指名された者が死刑判決に強制的に参加させられる制度である。「裁判員制度」下での死刑執行のさらなる加速を断じて許すことはできない。「裁判員制度」そのものを、労働者人民の闘いで粉砕しなければならない。

 近年、判決の厳罰化がより加速し、死刑判決が増加している。安倍政府の進める治安管理強化の狎擇蟷キ瓩箸靴董∋犒裟度が存在しているのである。

 安倍政府が振りかざす「死刑執行を望む世論」なるものは、重要な情報を国家権力のごく一握りの人間が握り、「世論」を都合よく誘導した末に作られたものに過ぎない。そんな虚構なぞ、袴田巌氏に48年間の超長期の勾留を強制した「袴田事件」をはじめとした、数々の冤罪事件が表面化する中で、既に崩れ去っている。警察権力が無実の労働者人民を不当逮捕してウソの「自白」を強制し、「物的証拠」を平気で捏造し、司法権力が追認して労働者人民を監獄に叩き込んでいく横暴ぶりが次々に暴露されているのだ。

戦時国家体制形成の一環としての死刑制度の廃止かちとれ

 世界の趨勢を見れば、死刑制度は廃止の方向にある。2016年末の段階で、死刑廃止国は141ヵ国(すべての犯罪に対して廃止:104ヵ国、通常犯罪のみ廃止:7ヵ国、事実上廃止:30ヵ国)であり、死刑存置国は57ヵ国となっている。2016年に死刑を執行した国は、日帝を含め23ヵ国に過ぎない。最近でも、モンゴルが、今年7月1日に、例外なく死刑を廃止する105ヵ国目の国となった。一方で、エジプトやサウジアラビアなど、強権支配と戦時国家体制形成が加速する反動諸国で、軒並み死刑執行が乱発されている。このことを見ても、死刑制度が支配者どもを利するものであり、死刑制度廃止こそが労働者人民の要求であることは明らかである。

 そんな世界の趨勢を見て、日本弁護士連合会は、2016年10月に開催した「人権擁護大会」において、「2020年までの死刑制度廃止と終身刑の導入」を国に求める宣言を採択している。この宣言では、死刑囚の再審無罪が相次ぎ、国際社会が死刑廃止に向かっていることや、「犯罪の抑止効果を示す根拠の欠如」などを理由に、「改めて死刑執行を停止し、制度の廃止を目指すことを求める」としている。

 しかし、戦時国家体制形成を急ぐ安倍政府は、こうした世界の趨勢も、日弁連の動きもまったく意に介することはない。安倍政府は、度重なる「国連人権勧告」に無視を決め込んでいる。「国連自由権規約委員会」は、2014年の段階で、死刑廃止を求めるだけでなく、昼夜独居処遇による収容体制の見直し、検察側資料の十分な開示、死刑事件における義務的かつ効果的な再審査の制度の確立、および拷問等による自白の証拠不採用など、厳しい勧告を出しているが、安倍政府は、一向に改善にすら手をつけようとしない。安倍政府は、いよいよその傲慢ぶりを全面化させながら、迫り来る朝鮮反革命戦争突入をみすえ、治安管理強化をさらに進めているのである。

 死刑制度そのものが戦時国家体制形成の一環としての攻撃であることを見逃してはならない。安倍政府は、死刑制度を堅持することで、かつての治安維持法弾圧のように、戦争に反対する者や勢力を極刑によって爐澆擦靴甅瓩箸靴撞垰Δ掘△△襪い六犒瑳更圓鰈喝することで組織壊滅型弾圧を加速させようとしているのだ。そして、日帝国家権力は、東アジア反日武装戦線や連合赤軍の死刑執行にも踏み込もうとしている。

 安倍政府による死刑制度存続なぞ、断じて許してはならない。

 安倍政府は、治安管理強化のための弾圧立法制定を急ぎ、通常国会で「共謀罪」新設を強行し、7月11日に施行している。そして、2020年「東京オリンピック・パラリンピック」を口実にした、「国際テロ対策」と称する警察の権限強化に動いている。治安管理体制の構築を推し進めることで、「人民の海」を干しあげ、闘う労働者人民への弾圧をより強化しようとしているのだ。

 安倍政府による治安管理体制強化を粉砕しよう。戦争遂行の安倍極右政府を打倒しよう。