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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

8・13〜15山谷夏祭りの大成功をかちとる〈東京・山谷〉
(1239号4面)

7月21日に「実行委員会」を結成、「反戦・反失業」を闘う団結めざし夏祭り準備に突入

 8月13日から15日までの3日間、山谷・玉姫公園を会場にして、東京・山谷日雇労働組合(東京・山日労)が呼びかけた「2017年山谷夏祭り実行委員会(実行委員会)」によって山谷夏祭りが開催された。

 6月15日に「共謀罪」を強行成立させた安倍は、秋の臨時国会に自民党改憲案を提案すると公言している。日雇い労働者の町・山谷では、「2020年オリンピック開催」を契機にした再開発が取り沙汰され、簡易宿泊所(ドヤ)から外国人旅行者を当て込んだホテルへの建て替えや、多くの野宿労働者が夜露をしのいできた「イロハ通り商店街」でアーケード撤去にむけた準備作業が始まっている。山谷労働者を犲挧蘯圻甍靴い掘排除する攻撃が強まっているのである。また、国土交通省―元請けゼネコンが「社会保険(健康保険・年金)に加入していない労働者の建設現場への入場を認めない」という攻撃を強める一方、厚生労働省は、「不正受給防止」を理由にして日雇雇用保険の手帳を取り上げようとしている。

 東京・山日労は、このように、改憲―本格的戦争突撃が強まり、日雇い労働者から一切の権利を奪い、生きるための仕事さえ奪う攻撃が激化する中、「反戦・反失業」を基調にした寄せ場労働運動の前進・拡大をもってこれを粉砕するべく、山谷夏祭りの開催を決定し、「実行委員会」の結成を呼びかけた。7月21日に開催された「第1回実行委員会(結成会議)」には、多くの山谷労働者が結集した。越年・越冬闘争、金町一家解体を決意した日雇い労働者全国総決起集会、「建国記念の日」粉砕闘争、寄せ場春闘、4・28沖縄人民解放闘争、「共謀罪」制定阻止の連続的な国会前行動、全国寄せ場交流会などが呼びかけた「6・15安保粉砕・政府打倒全国統一行動」、宇都宮病院糾弾闘争などを闘いぬいた労働者が夏祭りの成功をかちとるべく、一堂に顔を揃えた。「結成会議」では、「山谷労働者の団結で夏祭りの成功をかちとるぞ」「『2020年オリンピック開催』を口実にした日雇い・野宿労働者の排除を許さんぞ」「『共謀罪』の制定強行を許さんぞ」「改憲攻撃を粉砕するぞ」「『反戦・反失業』をたたかうぞ」「安倍政府を打倒するぞ」などの「2017年山谷夏祭り」のスローガンを確認した。結集した労働者からは、「『共謀罪』制定で安倍は支持率を落とした。さらに追い討ちをかける労働者の団結を作り上げよう」という声が上がった。「会議」では、さっそく、「本部」「炊事」「設営」などの班編成を行ない、全体で行なう資金作りのカンパ活動の日程の確認、炊き出しメニューの検討、ステージや屋台などの設営にむけた準備作業に入った。

8月8日、「『白手帳』取り上げ許さんぞ」と対厚生労働省交渉を闘う

 山谷夏祭りにむけた実行委員会の結成後も、山谷労働者は様々な闘いに起ち上がった。7月23日には、「『日の丸・君が代』問題等全国学習交流集会」とデモを闘い、7月25日には、ソマリアへのP―3C派兵阻止の行動を闘い、8月2日には、「第2回実行委員会」を開催し、新たに「実行委員会」に結集した労働者を迎え、「本部」「炊事」「設営」の各班が詳細な計画を練り上げた。8月5日には、大間原発(青森県)建設阻止現地闘争を片道900キロの道のりを走って闘いぬいた。そして、8月8日には、狷う夏祭り瓩遼槊糧揮ともいうべき対厚生労働省交渉に起ち上がった。

 本年5月、玉姫職安は、「平成29年度手帳更新について」という掲示を行なった。この掲示は、「日雇雇用保険制度における『日雇労働被保険者』の定義が明確化され」として、\験菠欷郤給中で「東京都特別就労対策事業」(輪番紹介)以外の雇用見込みがない、◆崚豕都特別就労対策事業」(輪番紹介)のみを希望している、「東京都特別就労対策事業」(輪番紹介)以外の仕事も希望しているが雇用見込みがない労働者は、「白手帳」(日雇労働被保険者手帳)から「求職受付票」(段ボール手帳)に切り替えるという内容となっている。さらに、掲示では、「東京都特別就労対策事業(輪番紹介)は『雇用が決まっている』『見込みがある』とは見なされません」としている。この掲示が意味するものは、番号順に回ってくる輪番紹介の仕事しか行っていない労働者から「白手帳」を奪い、日雇雇用保険の対象から排除するということだ。また、「求職受付票」(段ボール手帳)に印紙を必要枚数(2ヵ月で26枚)貼って、「白手帳」を取得する道を断つものだ。「輪番の仕事だけでは印紙の枚数が足りず、『アブレ金』の受給はできないから、『白手帳』は不要だ」というのが厚生労働省―玉姫職安の言い分だ。さらに、1973年の爛イル・ショック瓩婆唄峙畤佑激減した際、山谷労働者が「仕事を出せ」と実力決起したことを受け、失業対策として開始された「東京都特別就労対策事業」(輪番紹介)について、玉姫職安は、東京都が「仕様書」で「山谷地区の日雇い労働者による公園清掃などの軽作業」としているにもかかわらず、「雇用される企業が決まっていない」などという難癖をつけて「日雇いでの雇用見込み」と見なさないとして、これまで貼っていた日雇雇用保険印紙を今年2月から貼らなくなっているのだ。

 これらの日雇雇用保険をめぐった運用の変更は、関西などで数年前に起きた日雇雇用保険の「アブレ金の不正受給」をめぐって、会計検査院が調査に入り、昨年10月に厚生労働省に対して「是正改善の処置を求める意見」を出したことが契機になっている。結局、会計検査院は、「不正受給の可能性を減らすために、『白手帳』を減らせ」と言っているおり、これに応じて、厚生労働省は、「『日雇労働被保険者』の定義の明確化」などと称して「白手帳」を奪い、「白手帳」を取得する道を断とうとしているのだ。そもそも、日雇い労働者の就労の特徴として、「その日の朝、仕事が決まる」ということがある。そのために、これまで「雇用見込み」を条件として「白手帳」を発行することは無かった。全国の職安では、1日でも日雇いで働き、雇用主から「就労証明書」の発行を受け、職安で申請すれば「白手帳」は発行されてきたのだ。日雇い労働者の就労の特徴をまったく無視し、「手帳減らし」だけを目的にした今回の攻撃に対して、東京・山日労は、厚生労働省に要求書を突きつけ、8月8日の交渉を闘った。

 厚生労働省職業安定局雇用保険適用係との交渉では、「白手帳を『交付すべき人』かどうかの運用を厳密にする」という点と「東京都特別就労対策事業」(輪番紹介)を「日雇いの雇用見込みと見なさない」という点めぐって、徹底的な追及が行なわれた。交渉団からは、「『白手帳』を減らせば、不正受給の可能性は減らせるだろうが、『求職受付票』に切り替えることで労働者がこうむる不利益を、どう検討したのか!」「印紙を貼らない業者がますます増えるだけじゃないか!」「『アブレ金』を受給できるだけの求人開拓をしていない職安の責任はどう取るんだ!」「『求職受付票』から『白手帳』を取得する道を示せ!」「日雇い労働者の就労実態をまったく無視した『雇用見込み』を撤回しろ!」「東京都は、輪番の仕事を日雇い労働者の失業対策の仕事と位置付けているぞ!」と、当然の追及が行なわれた。厚生労働省は、「会計検査院からの指摘があるので」「『日雇雇用保険』制度を維持するためにご理解ください」という弁をくり返した。交渉団からは、「自分たちに不利益になることをどうして『理解』できるというのか!『理解』しない!」という怒りの声が飛んだ。厚生労働省は、終始、「会計検査院の指摘だから『理解』して下さい」と繰り返し、「東京都特別就労対策事業」(輪番紹介)については、「一時的、臨時的、緊急的な就労対策事業だから」なぞと、理由にもならない理由で「『日雇いの雇用見込み』と見なさない」とくり返した。会計検査院に「改善処置」を報告できれば、日雇い労働者が不利益を被ろうと構わないという態度だ。1時間半にわたる追及を闘った交渉団は、ひきつづき追及を闘うことを確認して、当日の交渉を終えていった。

8月13日、玉姫公園での夏祭りに突入

 山谷夏祭りの初日である8月13日、東京・山日労と「実行委員会」の労働者は、東京・山日労が立て看板を出し、月・水・金の労働相談―机出しをやっている活動拠点であるセンター前に結集し、隊列を整えて夏祭り会場である玉姫公園に移動を開始する。警視庁浅草警察の私服デカが遠巻きに監視するが、何一つ手出しはできない。山谷労働者が待ち望んでいる夏祭りへの妨害や弾圧など、山谷労働者の怒りを買うだけだ。玉姫公園では、東京・山日労のビラを読んで、夏祭りの準備作業に合流するために、多くの労働者が待っている。例年以上の結集だ。センター前からの隊列が到着すると、公園のゲートが開かれる。

 山谷夏祭りの初日は、会場設営、炊き出し、屋台の準備、企画の準備を夕方5時からの夏祭り開始時刻までにやり終えねばならない。トラック3台分の機材や食材の搬入、ステージや屋台の建て込み作業、調理作業、企画の準備が一斉に開始される。支援の労働者を含め、40人近くが一斉に作業に取り掛かる。特に、「日雇い労働者の町の、日雇い労働者が作り、日雇い労働者が主人公になり、楽しむ」夏祭りのステージ設営は、建設現場で働いてきた山谷労働者の腕の見せ所だ。「設営班」の労働者が建設現場で使う足場材の単管を組み、屋根付きでスロープも設置された間口6メートル、奥行き4メートルのステージがテキパキと組まれて行く。「炊事班」は、「寄せ場の炊き出し」に不可欠なカマドを作り、木製パレットを薪にするために解体する一方、炊事テントでは、到着した大量の食材の仕分けと3日間鮮度を維持するための保冷作業が開始され、食材の切り込み作業も開始される。「本部班」は、夕方から労働者を迎え入れるために、ゴザの準備、夏祭り以降の闘いを呼びかける看板の作製、綱引き、スイカ割りなどのゲーム、カラオケ大会用の音響機材の設置に取り掛かる。これらの作業には、普段は仕事のために顔を出せない労働者も「盆休み」に入り、工具を持参して参加してくる。「実行委員会」の労働者全員が「俺たちの夏祭り」を時間通りに始めるために奮闘する。午後5時、例年遅れがちな炊き出し開始も、準備作業に加わる労働者が増えたことで20分ほどの余裕を持って完了した。公園の外周で待っていた300人を超える労働者が、一斉に玉姫公園に入ってくる。

全国寄せ場からの連帯メッセージを紹介

 炊き出しを受け取って会場に敷かれたゴザの上で味わう労働者で、会場が段々と埋まって行く。初日の炊き出しメニューは、マーボナス丼だ。無料のウーロンハイやカキ氷の提供を待つ労働者、開店した屋台でビールや焼きソバ、モツ煮などのツマミを買い込んで仲間と歓談する労働者も続々と増えて行く。炊き出しを待っていた労働者全員にマーボナス丼が行き渡る頃、東京・山日労の労働者がステージ中央に立ち、2017年山谷夏祭りの開会を宣言し、開会のあいさつを行なう。「今年は、6月に安倍が『共謀罪』の制定を強行し、秋の臨時国会では改憲案を提案すると公言している。労働者を犠牲にして資本家たちが生き残るための政治がますます強まり、安倍は本格的戦争に向けてまっしぐらに突進している。安倍の攻撃を打ち砕くのは労働者の団結した闘いしかない。アブレ―野垂れ死にを強制される山谷の日雇い労働者が腹一杯食べ、楽しんで、秋からの闘いに撃って出るために『実行委員会』は頑張ってきました。『実行委員会』の仲間と玉姫公園に集まった労働者が一つに力を合わせ、俺たち日雇い・野宿労働者を犲挧蘯圻甍靴い砲靴毒喀する動きを打ち砕こう。『反戦・反失業』の闘いをさらに前進・拡大していこう」。

 続いて、同じ時期に夏祭りを開催している全国の寄せ場からの連帯メッセージの紹介だ。「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」からは、「俺たちは、8月12日に『夏祭り上映集会』を開催しました。『西成特区構想』の下、釜ヶ崎から労働者を追い出し、資本家の儲け優先でホテル等を建設して行くために、センターの縮小を狙った建て替え工事が4月から始まっています。俺たちは、『反戦・反失業』の闘いを粘り強く闘う決意です。安倍極右政府の改憲と労働法制改悪、「精神保健福祉法」改悪を粉砕し、強まる本格的戦争突撃を粉砕する闘いに起ち上がります。共に闘おう」。福岡・築港日雇労働組合からは、「俺たちに失業を強制し、野垂れ死にを強制し、戦争への協力まで強制する安倍と資本家にやりかえす闘いに起ち上がろう。夏祭りの成功をかちとった力で、夏から秋の闘いに突き進もう。金町一家解体! 佐藤さん・山岡さん虐殺弾劾! ファシストの跳梁を粉砕しよう」。沖縄・首里日雇労働組合からは、「沖縄では、名護新基地建設に向けた安倍政府―沖縄防衛局の攻撃が激しさを増しています。『K9護岸』の建設工事に加え、『K1護岸』、『N5護岸』の事前作業が始まっています。しかし、闘いを諦める者は1人もいません。沖日労も全力で辺野古現地に集中し、この攻防をともに闘っています。新基地建設関係の仕事に沖縄の日雇い労働者を動員するために、手配師が暗躍しています。このような連中を断じて許さず、日雇いの仲間たちに『工事を阻止するために、ともにゲート前に座り込もう』、『闘って仕事をかちとろう』という呼びかけを強めていく決意です。われわれも沖縄の地で、8月20日、『暑気払い交流会』を開催します。ともに闘おう」。

山谷夏祭りの成功を寄せ場労働運動の前進へ

 開会の集会が終わると、第1日目の企画が始まる。恒例のビール早飲みと綱引き競争だ。冷え切ったビールの早飲み競争は、会場からの声援と笑いを受け、大いに盛り上がった。綱引き競争には女性も裸足で参戦し、勝利チームへの賞品である「ウーロンハイ引換券」獲得にむけ、力と声を出し切り、会場から圧倒的な声援を受けた。声援と拍手で盛り上がった企画に続いて、カラオケ大会が開かれ、18番を熱唱する労働者、会場全体から歌声が出るような乗りのいい歌を披露する芸達者が登場した。その後は、映画・「山谷(やま)―やられたらやりかえせ」の上映だ。会場からは「桜井パン屋の前で山岡さんは刺されたんだ」「あの頃は俺も火炎瓶を機動隊に投げた」といった会話が続き、山谷の労働者にとって金町一家解体の闘いが山谷労働者の闘いの中心に位置することが確認されていった。プログラム最後の盆踊りには、今年も太鼓の名手が登場し、山谷に泊まっている外国人旅行者も太鼓の響きに誘われて踊りの輪に入ってきた。こうして、山谷夏祭りの初日は、労働者が主人公になる夏祭りとして盛況のうちに終了時間を迎えていった。

 2日目は、午後5時からの炊き出しから始まり、スイカ割り、綱引き競争、カラオケ大会が行なわれた後、これも恒例となった「山日労一座」の寸劇・「人生山あり谷あり」の迷演が披露された。悪徳業者や悪徳手配師、被害に遭う労働者、山日労組合員の役を「実行委員会」のメンバーが台本の順番を間違えたり、棒読みしながら倏演瓩掘会場から大きな拍手を受けていった。

 最終日の8月15日は、準備中から大雨が降り、カマドの火が消えたり、玉姫公園に大きな水溜りができたりしたが、「実行委員会」のメンバーは「腹を空かした労働者に炊き出しだけでも渡そう」と、飯を炊き直し、グランドの水溜りをタオルで搾り取り、炊き出しを食べるためのテントを作り、奮闘した。奮闘のかいがあり、1時間遅れの炊き出し配食の頃には雨も弱まり、多くの労働者が炊き出しで腹を満たした。雨の中を駆けつけてくれた「東京大衆歌謡楽団」も予定した楽器の使用はできなかったが、労働者と一緒にカラオケ大会で何曲も熱唱し、アンコールにも応えてくれた。

 3日間の山谷夏祭りでは、アブレ―野垂れ死に攻撃に直面する山谷労働者が同じ境遇にある山谷の仲間のために奮闘した。焼きソバの屋台を担当した労働者は、「『焼きソバの兄ちゃん』と呼ばれるようになった」と笑い、初めて夏祭りに参加し、準備を担った労働者は、「労働者が力を合わせれば何でもできると思った。雨の中の炊事やグランドの水抜きは大変だったが、やってよかった。山日労のやっていることがわかってきた」と感想を語った。

 夏祭り終了後も、東京・山日労と「実行委員会」の労働者は、8月23日には東京都山谷対策係との交渉を闘い、「輪番の仕事を増やせ」「センターはカード発行拒否をやめろ」と迫って闘った。今年の山谷夏祭りには、昨年以上の支援カンパと物資が寄せられた。「実行委員会」に結集する労働者も増えた。労働者を犠牲にする資本や安倍政府への怒りがますます強まり、「反戦・反失業」を基調にして闘うことへの支持が広がっているということだ。東京・山日労は、この成果を寄せ場労働運動の更なる飛躍・前進、安倍政府打倒にむかう隊列の拡大に結びつけることを決意している。