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9・15 東京「君が代」裁判四次訴訟判決公判闘争が闘われる  (1242号5面)

東京地裁が、都教委の停職・減給処分を取り消す判決

 9月15日、東京地裁において、東京「君が代」裁判・4次訴訟の判決公判が行なわれた。この訴訟は、2010年〜2013年に、都立学校の教職員14人が卒業式・入学式の「君が代」斉唱時の起立斉唱拒否を闘ったことに対し、東京都教育委員会(都教委)が計19件の懲戒処分をかけてきたことに対する反撃として、闘われてきたものである。14人に対する都教委の懲戒処分の内訳は、停職6月が1件、減給6月が2件、減給1月が4件、戒告が12件である。原告団である14人の請求内容は、…┣処分の取り消し懲戒処分の発令によって生じた損害に対する国家賠償、の2点である。

 午後12時40分に原告団が東京地裁に到着すると、東京地裁入口に陣取っていた支援者たちが、拍手で出迎える。東京地裁527号法廷の傍聴席は、開廷を前に、支援者たちで満席になり、527号法廷近くは、傍聴席に入りきれなかった支援者たちでごった返していた。

 午後1時10分に公判が開始されると、冒頭、裁判長による判決言い渡しが行なわれ、原告に対する懲戒処分のうち、7件の停職・減給処分について、「裁量権逸脱・濫用に当たり違法である」として取り消された。一方、12件の戒告処分については、取り消しを認めず、さらに、国家賠償請求も棄却された。

 この判決は、先に行なわれた東京「君が代」裁判一次訴訟において、2012年に最高裁が示した、「戒告を超えてより重い減給以上の処分を選択することについては…慎重な考慮が必要」なる基準を踏襲したものである。また、都教委は、2012年の最高裁判決で、2回目以降の不起立に対する減給以上の処分が取り消されて以降、3回目までの不起立を「戒告」とし、4回目以降の不起立を「減給」とする攻撃に出てきたが、今回の判決は、回数のみを理由とする懲戒処分の加重を行なってきた都教委の姿勢を、否定するものとなった。その内容を受け、当該教職員たちと弁護団は、今回の判決を「一部勝訴」と評価した。

 判決公判終了後、支援者たちが待機する東京地裁入口前に、原告団の当該教職員が合流し、簡単な報告集会が行なわれる。原告団を構成する当該教職員たちは、「減給が取り消されてホッとしている」「少しは血の通った判決になったと思う」「闘った甲斐はあったと思う」と前向きに考えながらも、戒告処分を取り消すことができなかった点について「全員の課題と受け止めている」「今後、すべての処分をなくすためにも、がんばっていきたい」とした。そして、「最高裁まで闘いは続く」「都教委による2003年『10・23通達』の撤回まで闘う」と、さらに闘う決意を表明した。

処分攻撃を続ける都教委を追いつめる闘いを

 午後2時30分から、東京地裁の直近にある日比谷図書文化館の大ホールにおいて、報告集会が行なわれた。結集する支援者たちが、自身の取り組みを紹介した後、司会が集会の開始を宣言する。原告団の当該教職員たちが、次々に発言に起つ。「公権力が科した処分を全部取り消せ、と闘ってきた。停職・減給処分の取り消しが認められ、都教委に対する歯止めになった点では、意義がある」「一部勝訴ではあるが、未来に希望の灯をともす判決であったと思う。これを足がかりにして、最高裁の壁を破っていきたい」「正直、悔しい思いはある。戒告処分も取り消させないといけない」と、あくまでも闘う決意を表明した。

 司会のカンパアピールの後、弁護団に参加する弁護士たちが、次々に発言に起ち、当該を支えて共に闘う決意を明らかにした。

 その後、記者会見を終えて報告集会に合流した原告団の当該たちが、発言に起つ。今回の訴訟の原告の中で、最も重い停職処分を受けたWさんは、「『教育勅語』が閣議決定で認められたり、憲法が変えられようとする中、原告として、最後の勝利をかちとるまでがんばっていきたい」と決意表明した。原告団の最後に発言に起ったTNさんは、都教委の処分攻撃を繰り返し受けてきた経緯を明らかにするとともに、「2012年の最高裁判決以降の、2013年の都教委の減給処分に対し、東京地裁がどう判断するかが注目されたが、最高裁の枠組みに沿って、減給処分は取り消しになった」「私が『日の丸』『君が代』に敬意を表明できないのは、かつてのアジアに対する侵略戦争と植民地支配があったからであり、私にとっては決して、『慣例上の儀礼所作』ではない。都教委は、『再発防止研修』などで、『教師が生徒に対して模範を示すことが大切である』と言ってくるが、『私は、本来、反対すべきと思っているので、子供たちの前で起立斉唱して敬意を表することが、自分の良心に反することだと思う』と答えた。不当処分を取り消してほしいと思っている」とした。

 報告集会の締めくくりに、「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会(被処分者の会)」の近藤事務局長が「都教委が、何度も、取り消されるような処分をしてくる。今こそ、立ち止まって見直せ、と迫っていきたい」「教育行政を転換させるために、みんなの力が必要だ」と檄を飛ばし、都教委への闘いを呼びかけた。こうして、この日の報告集会は、終了した。

 戦時国家体制形成を急ぐ安倍極右政府は、教育労働者に「教え子を戦場に送り出す教育」を強制しようとしている。教育労働者の現場での闘いを軸に労働者人民の階級的な団結と闘いを前進させ、都教委を追いつめ、「君が代」攻撃を粉砕していこう。