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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

「日の丸・君が代」処分攻撃と闘う連続闘争が闘われる
(985号1面)

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 7・24「最高裁判決糾弾、大阪府条例反対 集会」が闘われる

うちつづく最高裁反動判決糾弾

 「石原・大原都教委の暴走を止めよう! 都教委包囲・首都圏ネット」が主催する「最高裁判決糾弾、大阪府条例反対 7・24集会」が7月24日、午後1時30分より文京区民センターで開催された。集会には教育労働者をはじめ労働者人民160人が参加、集会賛同団体に名を連ねた東京・山谷日雇労働組合、東京都地域連合労働組合、神奈川県地域連合労働組合、明治大学学生会中央執行委員会・学苑会中央執行委員会の仲間たちも結集した。
 司会の仲間が「教育現場での『日の丸・君が代』強制の動きをめぐって、最高裁での『10・23通達』合憲判決が相次いでいる。大阪府では9月〜10月「君が代」解雇条例の制定が狙われている。3・11大震災での原発事故によって放射能汚染が広まる福島からの報告も予定している。多彩な内容の集会となった」と集会への集中を訴えた。
 まず、集会は今年4月の入学式での不起立で戒告処分を受けた都立あきる野学園の教育労働者があいさつをおこなった。「ずっと不起立だったが、その時は校長が『現認』せず、処分もなかった。『現認』され、処分を受けなければ『君が代』強制に対して不起立という抗議の意志表示も都教委には伝わらない」と述べ、不起立の闘いは処分と不可分に結びついている現状を説明し、闘いを続けていく意志を明らかにした。
 次に、「10・23通達」による処分撤回闘争や刑事弾圧で裁判闘争を闘って、5月〜7月に最高裁判決を受けた被告・原告の6人の発言がなされた。元板橋高校教員の藤田氏(刑事裁判7・7判決)、「南葛定時制嘱託採用拒否裁判」原告・申谷氏(5・30判決』、「嘱託採用拒否撤回裁判」原告・立川氏(6・6判決)、「東京教組・中島処分撤回裁判」原告・中島氏(7・4判決』、「解雇撤回裁判」原告・相田氏(7・14判決)、「東京教組・安部処分撤回裁判」・安部氏(7・19判決)。それぞれの当該原告は、最高裁判決への怒りを表明し、「君が代」強制に対する闘いの正当性を訴え、また裁判闘争支援への感謝を明らかにした。
 続いて、予防訴訟と解雇撤回裁判の原告でもある金子潔氏が「『日の丸・君が代』強制裁判・最高裁判決の批判」と題する報告を行なった。その報告の中で、一連の最高裁判決は、最高裁の三つの小法廷に所属するすべての裁判官が判断を下した実質的な「大法廷判決」としての性格をもつこと、主文以外に補足意見を述べた裁判官は七人おり(最高裁裁判官の)過半数を上回ること、短期間に連続して判決を下しており先行した三つの判決以外は個別裁判の独自性を無視して「判決内容」を省略した判決になっていること、などを指摘した。そして「卒・入学式」での秩序を何よりも優先して、「10・23通達」に基づく職務命令の必要性・合理性を論証ぬきで認めていること、起立・斉唱行為は「儀礼的所作」で「思想・良心の自由」への侵害ではないと強弁していること、などを批判した。
 休憩をはさんで、後半は、まず横浜における教科書問題の報告がなされ、横浜学校労働者組合が「横浜市教育委員会が『つくる会』系の教科書を全市18区の一括採択によって学校現場の意向を無視して押しつけようとしている」「『つくる会』系教科書の史実の誤りを正し、授業の是正措置を要求し、市教委の独善的な教科書採択制度を改善させるため現場教員、生徒、保護者、市民・研究者とともに天皇中心の『つくる会』系教科書を子どもたちに渡さないために運動していく」と述べた。

大阪府強制条例撤廃・処分条例阻止

 大阪府知事・橋下の会派である「大阪維新の会」によって「君が代」強制の府条例制定が強行された大阪から報告がなされる。「『日の丸・君が代』強制反対ホットライン大阪」の井前氏が「6月3日の条例制定を受け、府立の学校では6月13日から『日の丸』が平日も掲げられるようになっている。9月の府議会では3回不起立した教職員は『クビ』にするという条例を成立させると(橋下が)明言している。橋下は行政による支配・介入を禁じてきた教育の自由をくつがえし、教育を行政が統制することを目指している」と報告した。また橋下が教育観について「教育は2万パーセント強制だ」とツイッターで述べていることなどを暴露した。そして「君が代」強制処分条例阻止に向けて強制条例撤廃、処分条例阻止の署名運動への協力と「9・24『君が代』強制大阪府条例はいらん! 全国集会」への結集を呼びかけた。
 続いて、特別アピールとして福島県教組郡山支部の鈴木書記長が発言を行ない、「私たちは地震、津波、放射能に絶えず悩まされている。3・11地震直後、原発が次々と煙を上げて爆発する。何の情報もなく、ライフラインもストップ、ガソリンもなくなって身動き取れない状態が続いた。情報を発信するため支部機関紙『どんとこい』を約160の分会・学校の職場にほぼ毎日ファックスで送り続けている。原発避難地区になった双葉支部の組合員は県内のほかの学校に分散して勤務している。なかには片道90キロで通勤している人もいる。県外に転出した子どもたちもたくさんいる。親や友だちと離れ離れになって生活している。郡山支部事務所から一歩外に出れば、『放射線管理区域』と同じ高い放射線で汚染されている。支部が保有している放射線計測器を保護者・市民に貸し出しをして自分たちの環境がどうなっているか測っている」「福島で起こっていることを伝えていきたい。みんなにぜひ関心をもち続けてほしい」と訴えた。
 そして、集会のまとめとなる「基調報告」を「都教委包囲・首都圏ネット」の見城氏が行ない、「例年は8月に都教委・都庁を包囲するアクションやデモを行なってきた。大阪の条例の問題、原発の問題、最高裁で矢継ぎ早に棄却判決が出る。そういう情勢をおさえていくため、きちんと議論のできる場が必要ではないかと、今回屋内で集会をもつことにした。小泉構造改革以来続いてきた新自由主義政策で、公の分野である教育・医療・福祉などを破壊してきた結果、秩序の揺らぎが出てきた。その秩序喪失に対する体制側の危機感が天皇主義、『日の丸・君が代』強制の問題として噴出している。大阪府条例制定の動きでは、行政が教育に介入して教育内容を変えていくという問題をはらんでいる。改悪教育基本法の路線が本格的になろうとしている。教科書問題や原発問題などさまざまな課題を取り組んできた市民運動が相互に結びついて勝利を目指そう」と提起する。
 さらに、「教育基本法改悪反対闘争、石原と都教委を糾弾し都庁を包囲してきた闘いの継承・発展をかけて『君が代起立条例』反対、不当処分撤回、最高裁判決糾弾、さらには反原発を闘っていこう」と集会決議を全体の拍手で採択していく。
 行動提起として「。検29都教委への要請行動、■検13第2回『日の丸・君が代』裁判全国学習・交流集会、9・24『君が代』強制大阪府条例はいらん!全国集会」への参加が呼びかけられ、最後にシュプレヒコールで集会を締めくくった。
 都教委による「日の丸」「君が代」強制の攻撃は、橋下大阪府の条例制定へと拡大している。しかし教育現場では処分にも屈せず、また最高裁判決にも動じることなく不起立を貫く闘いがうちぬかれている。闘う教育労働者と結びつき、天皇主義右翼ファシストによる敵対を粉砕し、「日の丸」「君が代」攻撃を打ち砕こう。

7・25東京「君が代」裁判二次訴訟東京地裁判決公判闘争が闘われる

  東京地裁民事第19部(裁判長・青野)は7月25日、東京「君が代」裁判第二次訴訟において懲戒処分等の取消しを求めた教職員の訴えをしりぞけ、原告敗訴の不当判決を下した。
 2003年の「10・23通達」による卒・入学式での「君が代」起立・斉唱・伴奏の強制に対して多くの教育労働者が現場で不起立・不伴奏を闘ってきた。そして、都教委は闘いを鎮圧するため、不起立などの教育労働者に対する処分を強行してきた。
 東京「君が代」裁判第二次訴訟では2005年・2006年で処分を受けた教職員66人が原告となり、処分取消しを求めて裁判闘争が闘われてきた。
 7月25日の判決日をむかえ、原告をはじめ支援する教育労働者、労働者人民が東京地裁に結集し、傍聴闘争を闘った。
 法廷では傍聴席が満席になる中、13時10分開廷すると裁判長・青野は判決主文「請求棄却」だけを読み上げると、法廷から弾劾の声を背に浴びながら、逃げるように法廷を後にした。
 地裁前では、傍聴に入りきれなかった支援者がつめかける中、弁護団の弁護士が「不当判決」ののぼり旗をかざすと、怒りの糾弾集会となった。「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」・東京「君が代」裁判原告団の近藤徹事務局長は先の東京「君が代」裁判第一次訴訟の3・10東京高裁判決(裁判長・大橋)の原告勝訴の判決を引き「一次訴訟では、戒告ですら裁量権の逸脱を認め、処分取消しを命じた。今回の二次訴訟では減給など戒告よりも重い処分となっている。それでも東京地裁・青野裁判長は『10・23通達』『職務命令』『処分』は合憲・合法と言っている。こんなことを認めるわけにはいかない。二次訴訟原告団は全員が控訴し、高裁での裁判闘争を決意している。また一次訴訟は都教委側も最高裁に上告している。この東京『君が代』裁判は最高裁にまで進むことは間違いない。一次も次に控えている三次も全ての原告は一丸となって最高裁まで裁判闘争を闘っていこう」と訴えた。法廷から戻ってきた弁護団事務局長の雪竹弁護士は「不当な判決で残念だ。憲法19条違反に関して訴えたところでは、最高裁判決にならった結論で合憲と断じている。また裁量権逸脱に関しては、行政は広い裁量権をもっている、卒・入学式を秩序ある行事として遂行するために不起立は教員の重大な非違行為で処分は裁量権の濫用・逸脱にはあたらないと判じている」と簡単に紹介した。地裁前での糾弾集会は「不当判決糾弾」「『日の丸・君が代』強制反対」「不当処分を撤回しろ」と怒りのシュプレヒコールをたたきつけ、しめくくられた。

社会文化会館で「判決報告集会」

 午後3時、社会文化会館に会場を移して、「判決報告集会」が開催された。
 澤藤弁護士は「不当判決だが、どこかいいところはないかとさがしてみたが、一つもないひどい判決」と断じた。さらに「160ページになる長い判決文で細かいところは書いてあるが、肝心なところはダメ。青野裁判長は先の最高裁判決の多数意見に迎合した判決を自慢げに書いている。それで自分の出世をはかろうとしている」と批判した。
 加藤弁護士は「最高裁判決が相次いで出されたが、最高裁の補足意見などでは『思想・良心の自由』に対する制約には権力は自重すべきというメッセージもこめられていた。しかし今回の青野裁判長はまったくそれがない。権力追従の姿勢が露骨だ」と批判した。
 記者会見を終えて会場に到着した原告が感想と感謝を述べ、青野判決に屈せず、これからも闘っていく決意を明らかにした。
 記者会見の様子を報告した近藤事務局長に続いて、平松弁護士は「(青野裁判長は)5・30最高裁判決前に用意してた判決文を書き直して、今回の判決を書いた。裁判官個人のプライドもかなぐり捨てて最高裁に従うという態度」。雪竹弁護士は「秩序維持がなりより大事とする発想の判決で、卒・入学式が子どもたちにとって何が大事・重要なのかを考慮することなく行政の裁量権を認めている」。
 7・25東京地裁判決は、憲法19条(思想・良心の自由)、教育基本法10条(不当な支配)については原告側の主張をしりぞけ、さらに「国旗・国家法」制定過程で議論となった「教育現場で義務づけるものではない」とした当時の政府答弁をも無視して、「秩序を確保して式典の円滑な進行を図ること」や「公務員の法令順守義務」を強調して、「10・23通達」、「職務命令」、「処分」を是認し、都教委の裁量権を広範に認めたものである。3・10東京高裁判決で示した「裁量権逸脱」の判断をくつがえし、「日の丸」「君が代」強制、教育現場での義務づけを当然とする7・25判決を徹底的に弾劾していかなければならない。最高裁では5・30「南葛定時制嘱託採用拒否裁判(申谷氏)」、6・6「嘱託採用拒否撤回裁判」、6・14「04年処分取消請求訴訟(都教組八王子支部支える会)」、6・21「広島高教組『君が代』裁判」、「6・22神奈川こころの自由裁判」、7・4「南葛定時制再任用拒否裁判」、「05年処分取消し訴訟(東京教組・府中市民の会)」、7・7「板橋高校卒業式藤田裁判」、7・14「『君が代』解雇裁判」、「北九州ココロ裁判」、7・19「06年処分取消裁判(東京教組)」と原告の請求を棄却する判決が相次いでいる。司法権力を包囲する裁判闘争と教育現場での攻防、「日の丸」「君が代」強制に対決する労働者人民の実力闘争を強化し、闘いぬいていこう。