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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

11・8 パナソニックPDP争議・中央労働委員会闘争を闘う
 (996号6面)

 「中央労働委員会・第1回調査」が行なわれる

 11月8日、東京・芝の労働委員会会館において午後3時30分から「中央労働委員会・第1回調査」が行なわれた。パナソニックPDP争議当該吉岡力氏を先頭に、東京・山谷日雇労働組合、東京都地域連合労働組合、神奈川県地域連合労働組合もともに中央労働委員会闘争を闘いぬいた。

 パナソニックは、「偽装請負」状態で多くの労働者をこき使い、膨大な利益を上げてきた。吉岡氏が組合に加入し大阪労働局に「偽装請負」を告発したところ、パナソニックは吉岡氏を元の職場から排除し真っ黒なテントで隔離し「見せしめ労働」をさせたあげく、2006年1月、5ヵ月で「雇い止め解雇」を強行した。最高裁は2009年12月、吉岡氏とパナソニックとの間にあった「黙示の労働契約」を認めず、吉岡氏とパナソニックの雇用関係を認めた大阪高裁判決を覆し、雇用関係を認めない不当判決を下した。しかし、その最高裁ですら、吉岡氏の内部告発に対しパナソニックが報復として行なった黒テントでの「見せしめ労働」と「雇い止め解雇」を不法行為と認定し、損害賠償を認めざるをえなかった。

 吉岡氏は最高裁判決後、大阪府労働委員会に「不法行為である不当労働行為の救済の申し立て」を行ない、原職復帰をかけて闘いぬいてきた。だが大阪府労委は、今年5月、不当にも理由を述べることなく、救済申し立てを却下・棄却し、パナソニックを擁護する極めて不当な命令を出した。

 労働委員会での闘いは、この日11月8日、中央労働委員会での闘いに場を移して開始された。
 東京・芝の労働委員会会館に闘う労働者が続々と結集し、午後3時30分から、「中労委・第1回調査」が行なわれた。

 労働側代理人より委員に対し、新たな証拠として吉岡氏の元同僚の証人申請を行ない、事実認定を求めていくことが明らかにされた。また、今後の進行について最高裁判決をふまえた判断を行なうよう迫っていった。

 「調査」終了後、吉岡氏代理人の村田弁護士より、労働委員会による救済のポイントは、 峺曚せ澆甓鮓曄廚紡个垢覽澪僉↓吉岡氏以外の期間従業員が期限の定めのない直接雇用になったのに対し、吉岡氏を除外した差別的取り扱いに対する救済、最高裁判決後、パナソニックが団体交渉に応じないということに対する救済の3点であることが明らかにされ、あくまで事実認定にもとづく救済を中労委に迫っていく決意が述べられた。

 最後に、争議当該の吉岡氏より、「証言予定の元同僚はパナソニックから『吉岡とは口を聞くな』と言われていた。これは不当労働行為の新たな証拠になる。就労闘争に取り組んでいく。中労委闘争だけでなく、パナソニック内部の労働者にも働きかけていく」と闘う決意が明らかにされ、中労委での闘いを締めくくっていった。

パナソニック本社前での抗議行動を闘う

 「中央労働委員会・第1回調査」終了後、闘う労働者は労働委員会会館直近のパナソニック東京本社前に移動し、かたくなな団交拒否の態度に終始するパナソニックに対する抗議行動にたちあがった。

 最初に「吉岡さんをパナソニックの職場に戻し、人権侵害・不当な雇い止めをなくす会(吉岡会)」代表より、この間の闘いの経過報告を受け、続いて結集した仲間の連帯発言を受けていく。

 キヤノン非正規労働者組合の阿久津氏は「パナソニックは不法行為は不当労働行為ではないと言って団交を拒否している。労働者をモノ扱いして切り捨てるのをやめろ。吉岡さんが職場に戻るまでともに闘う」と発言した。

 新産別運転者労働組合(新運転)、「首都圏なかまユニオン」に続いて、韓国・韓進重工業で本年2011年2月に「整理解雇」され、解雇撤回を闘う争議当該パク・テジュン氏が紹介され、発言を行なう。パク氏は「『非正規』労働をなくすために闘っている日本のみなさんと連帯してともに闘う」と決意を明らかにした。

 続いて、試用期間中の解雇撤回を闘う日本基礎技術争議当該の本田氏は当日早朝、東京本社前行動を闘ったことを報告し、「いつでも労働者を辞めさせられるんだという会社を許さない」と発言した。

 「吉岡会」の発言後、最後に争議当該の吉岡氏が決意表明を行なう。吉岡氏はパナソニックが「雇用確保」と「地域活性化」名目で兵庫県から出させた補助金で建設したパナソニックPDP尼崎工場で、テレビ事業の縮小を口実に1000人以上の首切り合理化を強行しようとしていることを弾劾し「みんなが安心して働くことのできるパナソニックを作っていこう」と訴えた。

 最後に、パナソニックにむけたシュプレヒコールと団結ガンバロー三唱でパナソニック社前での行動を締めくくり、このあとの報告集会に移っていった。

「中労委報告・日韓交流集会」が行なわれる

「吉岡会」が基調報告

 午後6時45分より、東京・田町の女性就業センターにおいて、「中労委報告・日韓交流集会」が開催された。

 集会のはじめに、「吉岡会」より基調報告を受ける。このなかで、「2009年12月の最高裁判決以降、偽装請負・違法派遣と闘い『正規雇用』労働者としての地位確認(黙示の労働契約)を求める一連の裁判では、労働者側敗訴の流れが続いている。派遣法違反を認定しても、派遣労働者には『不法行為法上、法的保護に値する利益』はないとまで言い切る反動判決まで飛び出している(パナソニック若狭事件の福井地裁判決2011年9月)。本日の中労委闘争はこのような流れを断ち切り押し返していく闘いだ」と闘いの意義が強調された。

 続いて吉岡氏の代理人の奥田弁護士より、この日の中央労働委員会闘争についての報告をうけていく。
 まず、大阪府労委の決定について3点にわたって批判を行なった。まず1点目として、大阪府労委は吉岡氏が2006年1月に「雇い止め解雇」されてから申し立てまでに1年以上経過しているという、労働組合法27条2項をタテにした形式的な理由でパナソニックが吉岡氏に対して行なった一連の不当労働行為について、何一つ判断しなかったこと。2点目として、パナソニックが吉岡氏を職場から排除した上で直接雇用制度を作り、吉岡氏を雇用しなかったのは差別的取り扱いだとしたことに対する救済申し立てで、大阪府労委は「雇い止めの効果が存続しているにすぎない」として判断しなかったこと。これについてパナソニックが期限の定めのない直接雇用制度を作ったのは吉岡氏の闘いがあったからであり、吉岡氏を雇用しなかったのは明らかに不当労働行為だということを、中労委でも引き続き訴えていくとした。3点目として、最高裁判決後のパナソニックの団交拒否への救済申し立てについて、大阪府労委は何一つ理由のない判断で団交応諾義務はないとしたこと。最高裁判決で認定された不法行為であり、パナソニックは当然ながら団交応諾義務がある。中労委でも引き続き、最高裁判決を根拠に、不当労働行為救済を求めていくとした。最後に奥田弁護士は、「府労委命令は、労働委員会の役割をみずから放棄するような不当なものだ。今回の闘いは、まさに中労委の意義を問う闘いだ。引き続きの支援を」と訴えて報告を終えた。

争議当該・吉岡氏が決意表明

 「なかまユニオン」委員長の井手窪氏よりパナソニックPDP争議のこの間の闘いの経過報告を受ける。

 井手窪氏は現在、大阪府労委に二次・三次の救済申し立てを行なっているとした上で、人事権は請負会社ではなくパナソニックPDPそのものが持っていたことを示す事実を粘り強く掘り起こしてきたことを明らかにし、「府労委は公益委員が不当な審問指揮をする厳しい条件だが、粘り強く闘って、中労委にも反映していく」とした。また、翌日の9日に予定されている兵庫県・尼崎市での対パナソニック・デモについて触れ「多額の税金で工場を建てたが、それをポケットに入れたまま都合が悪くなったら逃亡して、大量の労働者を解雇しようとしている。儲けるためには何でもするパナソニックの姿が明らかになってきている。『非正規雇用』労働者をはじめ労働者の権利を守ろうと闘ってきた吉岡闘争の意義はますます重要になってきている」と発言した。

 報告の最後に、争議当該の吉岡氏は「労働者派遣法は『抜本的改正』ではなく、ないほうがいい。労働委員会は、労働組合法にのっとって判断すべきだ。ここで勝たないと先がないと考えている。最高裁判決で認定された不法行為という言葉はそっくり不当労働行為という言葉に置き換えることができる。それを大阪府労委はまともに判断しようとしなかった。救済されないのはおかしい。これからもあきらめずに闘っていく」と決意を明らかにした。

韓国・韓進重工業被解雇当該労働者と交流

 中労委報告を終え、集会後半の韓国・韓進重工業被解雇当該労働者との交流に移る。
 司会より、「希望のバス企画団」・メディア活動家のソン・ミヌ氏、韓進重工業整理解雇撤廃闘争委員会、被解雇当該のパク・テジュン氏、パク・テジュン氏の連れ合いで韓進重工業家族対策委員会のホン・ミエ氏が紹介された。

 2011年2月に、韓進重工業は170人余りの労働者の整理解雇を強行。しかし被解雇当該を先頭に、韓進重工業労働者は解雇撤回をかかげて粘り強く闘いぬいている。そうした闘いの中でキム・ジンスク氏は2011年1月6日より、釜山・影島造船所85号クレーンでの籠城闘争を続けている(11月9日、韓進重工業との交渉妥結でキム氏はクレーン籠城を終結)。

 まずはじめに、ソン・ミヌ氏より、2011年5月より第5次にわたって行なわれている「希望のバス」運動についてパワーポイントを使った説明が行なわれた。「私たちは韓進重工業労働者を支援しようと、2011年6月から今日まで5次にわたる『希望のバス』を企画してきた。6月11日の第一次『希望のバス』参加者は710人だったが、7月9日第2次『希望のバス』参加者は1万人、第3次『希望のバス』参加者は1万5000人と増え、10月8日の第5次『希望のバス』では59人が連行されるなど、弾圧は回を追うごとに激しくなっているが、粘り強く取り組まれている」ことが闘いの映像も交えて分かりやすく説明される。最後に、11月12日、26日の両日、第六次『希望のバス』が企画されていることを明らかにして、ソン氏は発言を終えた。

 続いて、韓進重工業整理解雇当該のパク・テジュン氏が発言を行なった。パク氏は2011年2月14日に整理解雇された当該労働者である。パク氏は「韓進重工業では2009年から整理解雇がはじまった。3000人が『非正規雇用』になった。フィリピン・スービックに造船所を建設し、現在2万5000人働いているが、韓進重工業に直接雇われている労働者は1人もいない。韓進重工業の目的は『非正規雇用』を100パーセントにすることだ。整理解雇のもう一つの目的は安い賃金と労働争議の可能性のないところへの移転だ」とし、韓進重工業の大合理化攻撃を弾劾した。「組合員たちは『希望のバス』に希望を見た。『希望のバス』以前はわれわれの闘いは孤立したものだった。多くの労働者が闘いに起ちあがったことが希望だ。吉岡氏の闘いは必ず勝利する。われわれも必ず勝利する」と決意を明らかにした。

 続くホン・ミエ氏の発言ののち、最後に司会より、12月15日の東京総行動など当面の行動が提起され、集会を終了した。