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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

―朝鮮半島情勢ー (989号4面)

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 一触即発の朝鮮反革命戦争突入の危機

南原 悠

連続する米韓合同軍事演習

 3月22日から24日にかけて、米・韓が黄海沿岸で、米韓合同野外機動演習「フォール・イーグル」の一環として上陸訓練を実施した。米・韓軍が水深の浅い黄海で上陸訓練を行なうのは初めてだ。当初訓練は欧州かアフリカで行なう計画だったが、昨年11月の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による延坪島砲撃を受け、急遽韓国での実施に切り替えている。5月3日、韓国海兵隊は、黄海の南北境界水域に近い白ニョン島と延坪島付近で海上射撃訓練を実施し、米軍関係者も訓練を参観したという。5月9日から14日まで、米・韓陸軍の航空部隊による合同大隊戦術訓練が忠清北道・忠州一帯で行なわれた。侵透・局地挑発対応訓練、部隊移動、戦術集結地の防護訓練などが行なわれ、米・韓航空部隊の大隊クラスの合同訓練としては初めて実施された。5月16日から22日まで、韓国陸海空軍が参加する海兵隊の合同上陸訓練が南東部の浦項沖で行なわれた。延坪島砲撃以降、韓国海兵隊の合同上陸訓練としては初めてである。アジア最大級の輸送艦「独島」(1万4500トン級)を上陸機動部隊の指揮艦とし、海兵隊隊員約2000人と海軍特殊部隊(UDT/SEAL)も投入された訓練では、19日に上陸作戦訓練を行なっている。航空機と艦艇の大規模火力支援を受け、上陸機動ヘリや上陸突撃装甲車、空気浮揚艇などにより海上と空中から同時に侵攻するというものだ。上陸機動部隊司令官は「各軍の協力体制強化が目標。陸海空軍による合同作戦能力が一段階高められる」としている。6月7日から10日までの4日間にわたって戦車部隊の交戦演習が強行された。「戦時作戦統制権」の韓国軍への移行を見据えて、韓国軍が初めて指揮権を行使した。韓国軍は戦車40両など60両を越える戦闘車両と500人を超える兵力を投入、米軍は装甲車28両などと兵力320人を投入した。両軍は、今後もこの演習を持続的に行なうとしている。韓国国防省は6月13日、「北朝鮮は核実験とミサイル発射が可能な状態を維持するための活動を続けている」「多様な手段と方法で奇襲的な挑発を行なう可能性が増している」と国会に資料を提出し、「北朝鮮脅威」を煽った。6月27日から5日間、軍事境界線近くの京畿道北西部の坡州市で韓国陸軍が戦車や兵力などを大量に投入した野外戦闘訓練を強行している。特筆しなければならないのは、攻撃判断を、「政治判断を待たず各部隊の判断で攻撃せよ」としている点だ。6月17日には仁川沖を警備していた韓国海兵隊の攻撃判断により民間旅客機への誤射がひき起こされている。
 これらの連続した訓練や発言は、文字通り切迫する朝鮮反革命戦争突入に身構えたものだ。しかし、一般的な訓練や発言ではない。北朝鮮を執拗に挑発し、北朝鮮から一発でも砲弾が飛んでくれば、即、朝鮮反革命戦争の開戦に踏み切る、そういう意志と体制をもって強行されているのだ。
 韓国軍は朝鮮反革命戦争遂行のために、北朝鮮の首都・平壌が射程に入る「戦術地対空ミサイル」を南北軍事境界線付近の基地に今年はじめに配備している。車両に搭載した多連装ロケット発射台から発射し、ミサイル一発に約900個の子爆弾を搭載して、広範囲の標的を破壊できるというものだ。韓国産多連装ロケット「九龍」が、延坪島と白ニョン島に固定配置されることも明らかにされている。多連装ロケット「九龍」は、射程距離23キロメートル〜36キロメートルで、130ミリロケット36門をトラックに搭載し発射する兵器であり、北朝鮮の122ミリ放射砲より威力が強いとされている。さらに北朝鮮・平壌をも射程圏内に入れる戦術地対空ミサイル(ATACMS)の配備や、新型偵察機の導入などを推し進めている。2012年末までの大型攻撃ヘリH―60アパッチの白二ョン島への配備や、2013年までの「艦対地ミサイル」の開発を行なうとしている。また、2014年から北朝鮮への「侵入特殊作戦」をするための輸送機の配備をうち出している。
 8月10日、韓国合同参謀本部は、午後1時と同7時46分ごろ、北朝鮮の海岸砲と推定される爆発音がそれぞれ3発と2発聞こえ、このうち1発ずつが黄海上の北方限界線(NLL)付近に着弾したとみて、2回にわたり応射したと発表した。北朝鮮の朝鮮中央通信は11日、「延坪島の海上に向け射撃を行なったことはない、韓国側が黄海南道で行なわれていた発破作業を誤認したものだ」「発破音に驚いた韓国軍が、わが軍隊が砲射撃挑発を行なったと捏造し、それを口実に軍事的対応行動に出る醜態をさらした」「(北朝鮮が)中止要求をしたにもかかわらず米韓合同指揮所演習『乙支フリーダム・ガーディアン』を強行し、緊張を高めようとする目的に基づき捏造された」と主張した。
  8月16日から26日にわたって、米韓合同指揮所演習「乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン」(UFG)が強行されている。
 この演習は、北朝鮮との全面戦争を想定した指揮所演習で、コンピューター・シミュレーションを活用した指揮命令系統の確認訓練を中心とするもので、軍団、艦隊、飛行団級以上の指揮部など約5万6000人の韓国軍と、約3万人の米軍(在日―在沖米軍など「海外駐留米軍」3000人を含む)が参加、イギリス、フランス、カナダなど7ヵ国もオブザーバーとして参加している。官民軍の統合防衛態勢の点検を行う「乙支演習」は16日〜19日に実施され、今年の演習には全国の市郡区の行政機関や主要重点管理指定業者など3800を超える機関・企業から44万人余りが参加したという。局地挑発に備えたマニュアル検証や官民軍合同の住民待避・移動訓練、サイバーテロ対応訓練などが実施されている。昨年八月のUFGで、北朝鮮総書記・金正日を捕らえる作戦の演習をしていたことが明らかになっている。今年の演習でも実施する可能性があると言われていた。この作戦の演習は、北朝鮮との全面戦争に備えた「米韓共同作戦計画5027」の一環として実施された。北朝鮮軍による韓国侵攻を防いで平壌に進撃する際に、特殊部隊が金正日の居場所を突き止め、捕らえることを目指し、主にコンピューターを使った指揮所演習として行なわれている。
 北朝鮮は、UFGの強行に対し、「忍耐心にも限界ある」とし、軍事的報復を行なうと警告した。また、朝鮮労働党機関紙・労働新聞は論評で「朝鮮半島情勢は最悪の危機状態に直面している。どんな偶発的な要因でも、全面戦争が起き得る」と警告している。
 朝鮮反革命戦争突入の危機は、一触即発の状態である。
 朝鮮反革命戦争突入の時期は、日本階級闘争の決戦期である。革命的反戦闘争の爆発を実現し、決戦を闘いうる陣形を早急に構築しなければならない。

破綻が明らかな「六ヵ国協議」再開に向けた「三段階構想」

 「北朝鮮の核問題」をめぐる「六ヵ国協議」は、2009年4月に北朝鮮が離脱して中断している。
 2009年4月、北朝鮮はミサイル発射実験を行ない、これを非難する国連安保理議長声明に対抗して、「六ヵ国協議」離脱を表明した。5月には地下核実験を行ない、七月には再度ミサイル発射実験を行ない、2010年11月には延坪島砲撃を行なっている。「瀬戸際外交」をくり返し、米帝を交渉の場に引き出して直接交渉を行ない、「核カード」を背景に「体制存続の保証」を得て、国家的、政治的、経済的危機の打開を図ろうというのだ。しかし、米帝は「対話のための対話には応じない」「北朝鮮の具体的行動が必要」とこの要求をはねつけてきた。
 昨年12月以降、北朝鮮は「六ヵ国協議」への復帰のシグナルを送りはじめた。5月20日から26日にかけて、北朝鮮総書記・金正日が中国を訪問し、中国国家主席・胡錦濤、首相・温家宝と会談し、「六ヵ国協議」の早期再開を合意したことを受けてこの流れが具体的に動き出した。中国は、まず「南北協議」を開き、「米朝協議」から「本協議」へ進めるという「三段階構想」をうちだし日・米・韓に提案していた。日・米・韓は二ヵ国、または三ヵ国での外相会談、あるいは「六ヵ国協議」の各主席代表間での会談をくり返し、対応策を密接に協議し「三段階構想」を進めることを確認した。
 これらを受け、「南北協議」と、「米朝協議」が相次いで行なわれた。
 7月22日、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)閣僚会議の行なわれた、インドネシアのバリ島で「六ヵ国協議」の韓国首席代表を務める外交通商部朝鮮半島平和交渉本部長・魏聖洛と北朝鮮首席代表の外務次官・李容浩が会談した。会談で南北双方は、「六ヵ国協議」再開に向けて努力することを確認したとされている。
 翌7月23日、日・米・韓は同地で、日帝外相・松本、米国務長官・クリントン、韓国外交通商部長官・金星煥が参加して日米韓外相会談を行なった。「南北協議」の総括と「米朝協議」へ向けた基調の意志一致のためのものだ。ここでは次のような点が確認されている。
・2005年の六ヵ国協議共同声明に対するコミットメントを改めて表明。
・六ヵ国協議再開には南北対話を含めた北朝鮮による誠意ある努力が必要。
・7月22日に当地で実施された非核化に関する南北対話を歓迎し,南北対話が今後とも継続され前進するべきプロセスである旨強調。
・北朝鮮に挑発的行為を思いとどまらせるための努力を継続。
・非核化に対する真のコミットメントを示すための具体的行動を促す。
・北朝鮮の挑発的かつ好戦的な態度は三ヵ国すべてを脅かすものであり、そのような態度には三ヵ国すべてが結束をもって対応。
・北朝鮮に、拉致及び離散家族再会の問題を解決するための行動を要求。
・中国・ロシアとの協力を一層拡大。
・北朝鮮による拡散防止、制裁の完全実施のために協力。
・北朝鮮のウラン濃縮計画は安保理決議・六ヵ国協議共同声明の違反。
・六ヵ国協議再開のためにはウラン濃縮計画への対処が必要。
 具体的に11点にわたってあげたこの基調は、これまでよりさらにハードルを高くしている。「南北協議」、「米朝協議」から「本協議」再開へという「三段階構想」はまったく先の見えないものというどころか、破綻することが明白なものとして押し出されているのだ。日・米・韓の魂胆は明らかである。中国の提案した「三段階構想」で対話を進めようとしたが、北朝鮮が誠意を見せないので破綻した、これには中国も責任があるとして、「六ヵ国協議」の破綻から朝鮮反革命戦争の開戦へと突き進もうというのだ。
 7月25日、韓国統一部報道官・千海成は、「昨年の哨戒艦沈没事件と延坪島砲撃事件に対する北朝鮮の誠意ある態度があってこそ、南北関係と朝鮮半島の平和が定着する」「南北の六ヵ国協議首席代表会談後も韓国政府の立場に変化がない」ことを強調している。「南北協議」が進展し、何らかの合意ができるなどとは韓国は思ってもいない。
 7月28日〜29日、ニューヨークで北朝鮮担当特別代表・ボズワースと北朝鮮第一外務次官・金桂寛らが出席し、米朝高官級協議が実施された。米代表団は「六ヵ国協議」の再開に先立ち、ウラン濃縮計画を含むすべての核開発活動の中断、国際原子力機関(IAEA)査察団の復帰、「六ヵ国協議」共同声明の履行確約、核実験と弾道ミサイル発射の中止などを要求し、北朝鮮は、「平和協定」の論議、「米朝関係正常化」、「対北朝鮮制裁」の解除などを提起したと言われている。さらに、双方は米朝関係を改善し、交渉を通じ平和的方法で朝鮮半島非核化を推進することがそれぞれの利益になると認め、今後も対話を続けることで合意したとされている。米国務省は「今回の協議は、北朝鮮が2005年9月の六ヵ国協議共同声明の約束を忠実に履行し、非核化に向けた具体的で後戻りできない措置を取る準備ができているかを判断する狠戯的な対話瓩澄廚箸靴討い襦K鳴鮮がどういう態度を取るのかを見極めるということだ。
 9月21日には、韓国外交通商省平和交渉本部長・魏聖洛と北朝鮮外務次官・李容浩との間で7月23日にインドネシアで行なわれた会談に続いて、「南北高官協議」が北京で行なわれる。
 「南北協議」にしても、「米朝協議」にしても、早々に決裂し破綻するのは誰の目にも明らかである。日・米・韓の真の狙いは、決裂して朝鮮反革命戦争の開戦に突き進むことにあるのである。

李明博政権打倒へと突き進む韓国労働運動

 韓国労働者人民の闘いは、朝鮮反革命戦争突入に対する反戦闘争の爆発、李明博政権打倒へと突き進む労働運動の前進としてうちぬかれている。
 8月24日、済州島江汀村で、済州海軍基地工事再開に対して、「江汀村海軍基地反対対策委」を中心に「不法工事中断しろ」という実力阻止の闘いが闘われ、警察と激しく衝突し、江汀村会長など多数が警察に連行され、多くの負傷者を出している。警察機動隊は、基地に通じる道路に多くの阻止線を敷いているが、各所で連日にわたって実力闘争が闘いぬかれている。9月2日には、警察が海軍基地工事現場正門前の「平和祈祷所」を強制撤去して、神父など11人を連行し、この日、計38人が逮捕されている。3日から4日にかけては、江汀村で2000人が参加して、警察の阻止戦と各所で攻防しながら大規模な済州海軍基地反対闘争が闘われた。検察は「国家安保に直結する国策事業である済州海軍基地建設をめぐる事態が工事妨害の水準を越え、国家権力に正面から挑戦する重大事件」と規定し、警察は韓国本土からの動員を含め1000人の戦闘警察を配備し、闘争破壊を狙っていた。韓国政府は済州海軍基地(イージス艦など艦艇約20隻が停泊できる軍港埠頭などからなるイージス艦基地)建設を2010年から再開し、2014年の完成を予定している。済州島に海軍基地を作る計画は、和順里とユミ里で住民の強い反発で失敗し、海軍は江汀村での建設を計画した。2007年4月、成人1000人ほどが暮らす江汀村で、わずか80人ほどの賛成側住民が集まって海軍基地の誘致が決められ、それ以降、済州道民の95パーセントが基地建設に反対しているという中、地元労働者人民の闘いがこれを阻止していた。
 米韓合同演習「乙支フリーダム・ガーディアン」への闘いなど反戦闘争も頑強に闘われている。
 労働運動においては、この夏、韓進重工業とユソン企業の二つの闘いを頂点にして集中的に闘われ、警察権力の闘争破壊弾圧、資本に雇われた暴力ガードマンと激突し、整理解雇攻撃、労組破壊攻撃を許さない実力闘争が闘いぬかれた。さらに建設労組など産別の闘いも頑強に担われ、李明博政権打倒へ向かう闘いが前進している。
  造船トップの韓進重工業は2009年末に600人の整理解雇を発表したが、金属労組韓進重工業支会(労組)の闘いはこれを粉砕し撤回させた。しかし、2010年12月に再度、400人を整理解雇すると発表した。労組は12月20日以降、釜山影島造船所85号クレーンでの高空座り込み闘争を闘いぬいている金ジンスク氏の闘いを先頭に闘いぬいている。韓進重工業支会委員長が韓進重工業資本との間で、整理解雇に一言も触れない「労使協議履行合意書」にサインし闘争の幕引きを策動したが、金属労組中央執行委員会は、この「労使協議履行合意書」を「誤った合意」として闘争の継続を決定した。6月29日、金属労組は、釜山駅広場で「韓進重工業整理解雇撤回、85クレーンへの公権力投入を中断しろ」を掲げ、嶺南圏決意大会を開き、「すべての組合員が反対した『韓進重工業労使合意書』は無効であることを宣言し、整理解雇が撤回されるまで闘う」と宣言した。7月9日には、ソウル、安養、水原、平沢、蔚山、全州など全国から195台の「希望バス」で、済州地域からは、「希望の飛行機」で、蔚山からは現代自動車社内下請労働者が「希望自転車」で、平沢からは双竜自動車被解雇者が徒歩で、計1万人の労働者が釜山に結集し、「韓進重工業整理解雇反対」「非正規職撤廃」を叫び闘いがうちぬかれた。韓進重工業影島造船所周辺は、数千人の警察機動隊が配備され、デモ隊の進撃を暴力的に阻んだため、デモ隊は深夜にわたって、弾圧と負傷者をだしながらも実力攻防が闘いぬかれた。7月30日夜から31日深夜にかけても、1万5000人が釜山市内に結集し、警察機動隊と対決しながら韓進重工業を追及する闘いがうちぬかれている。8月27日には、ソウル市光化門交差点と清渓広場に数万人が結集し集会とデモが闘われ、決議文では、「韓進重工業が整理解雇を撤回し、金ジンスク指導委員をはじめ、すべての労働者が安全な日常に戻れるまで連帯する」「公務員、教師を含むすべての労働者の政治基本権保障を要求し、全教組、公務員労組への政治弾圧中断を要求する」などが宣言されている。
 ユソン企業(株)と金属労組ユソン企業支会(労組)は、〔覺嶇働を撤廃し「中間連続二交代制」とする、賃金を時給制から月給制へ転換するなどをめぐって交渉を進めてきたが、会社側は具体的な提案をしてこなかった。5月18日、労組は部分的ストライキに突入。これに対しユソン企業は、労組員に対してのみ職場封鎖を強行した。労組はさらに会社を追及する夜間集会を行なった。この集会の終了後、会社に雇われた暴力ガードマンが、偽装ナンバーの車両2台で突入し労組員13人が重軽傷を負った。5月24日には、ユソン企業牙山工場の中で座り込みをしていた約530人の労働者全員が警察に連行されている。6月22日、連日の座り込み闘争を行なっていたユソン企業支会に対し、武装ガードマンは、鉄パイプ、角材、消火器で襲撃を凶行し、22人の労組員が病院に搬送された。警察は2000人を動員したが、会社防衛のためであり、労働者の怒りは武装ガードマン「CJセキュリティ」とユソン企業、警察に対して爆発し、以降も断固とした闘いが展開されている。
 6月22日、建設労組に所属する1万5000人の労働者はソウル市庁広場に集まり、「未払い賃金根絶」「労組弾圧粉砕」などを要求し闘いぬいた。建設労組・金グンチョル委員長は「資本は3ヵ月間交渉を引き延ばしてきた。私たちには労働者の権利、ストライキの権利がある。もうこれ以上交渉に執着せず、ストライキ闘争を決意した」と建設資本への怒りをあらわにし、ストライキ闘争突入を明らかにした。

日帝の朝鮮反革命戦争突撃を粉砕せよ

 「貨物検査特別措置法」が昨年7月に施行されたことを受け、第九管区海上保安本部と東京税関は5月25日、新潟市中央区の新潟西港の沖合などで合同訓練を行なった。訓練は、「新潟西港の沖合で禁輸品を積んだとみられる船を発見した」というもので、明白に北朝鮮船籍を想定している。第九管区から130人、東京税関から約20人が参加している。訓練では、沖合で第九管区の巡視船四隻と航空機2機が不審船を囲んで港に向かうよう「回船命令」を出したが、船が命令を無視したため、航空機から発煙筒を投げるなどして停船させ、港へ向かわせたとされる。港では、船から禁輸品が入っているとみられる木箱四個を降ろし、爆発物探知犬やX線検査装置で調べたという。「法」施行後に第九管区が「貨物検査訓練」を行なうのは初めてで、警備課長は「もっと税関と連携を深めなければ本番で対処ができないことを再認識した。検証により改善点を見つけたい」と語った。まさに「本番」=朝鮮反革命戦争のための実践訓練である。
 陸上自衛隊は南西諸島への配備を強行しようとしている。「沿岸監視部隊」を与那国島に、「有事」の際の「初動担任部隊」を宮古島や石垣島に配備しようとしているのだ。明らかに、中国を牽制しながら朝鮮反革命戦争開戦に突き進む攻撃にほかならない。
 日本名・竹島(韓国名・独島)に近い韓国の鬱陵島を視察するとしていた衆院議員の新藤義孝ら3人の自民党議員が8月1日、ソウルの金浦空港に到着したが、韓国政府は、犂攅颪陵益や公共の安全を害するおそれのある外国人の入国を禁止できる瓩覆匹箸靴申估国管理法の規定に基づき、3人の入国を拒否した。菅連合政府が8月2日に閣議で了承した「2011年版防衛白書」をめぐって、韓国外交通商部が抗議と是正を求めている。韓国外交通商部は「2011年版防衛白書」が独島を自国の領土だと主張する内容を盛り込んでいるとし、日本政府に強く抗議し、即刻是正するように求める報道官名の論評を出した。韓国最大野党の民主党代表・孫鶴圭は、8月3日、「日本の自民党議員らが鬱陵島への訪問を計画して訪韓を強行したのに続き、日本政府が独島の領有権を主張した防衛白書を了承した。日本は自らの侵略犯罪に責任を取る姿勢で東アジアの平和に寄与すべきだ」と指摘している。
 9月20日、首相・野田は訪米し、米大統領・オバマとの日米首脳会談、国連総会での一般討論演説を行ない、韓国大統領・李明博との日韓首脳会談、国連事務総長・潘基文との会談も予定している。いずれ短時間であり、「顔合わせ」と言われている。しかし、野田は、就任早々オバマと電話会談し、「強固な日米同盟がアジア太平洋地域の平和と安定、繁栄に不可欠だというのが自分の信念だ。大統領とともに日米同盟の一層の深化、発展に取り組みたい」と表明しており、単に「顔合わせ」ではなく「日米同盟の一層の深化」の下で朝鮮反革命戦争突入を確認していくものとして日米首脳会談に臨むのだ。
 この日米首脳会談に先立ち、9月7日、民主党政調会長・前原は、米ワシントンでの「日米同盟に関するシンポジウム」で講演し、「日米同盟の深化や日本の国際平和協力活動の強化に向け、武器輸出三原則を見直し、自衛隊の海外派遣時の武器使用基準も緩和する必要がある」との考えを表明した。とくに 「国連平和維持活動」(PKO)参加時の武器使用基準に関して、「自衛隊とともに行動する他国軍隊を急迫不正の侵害から防衛できるように緩和するべきだ」とした。前原のワシントンでの講演は、野田訪米の「地ならし」の意味合いが強いとされ、前原、野田を貫いて朝鮮反革命戦争を軍事的に遂行しうる体制を整えることを、米帝と世界に向かってアピールしたのだ。
 首相・野田は2005年に「A級戦犯と呼ばれた人たちは戦争犯罪人ではない」とする文書を提出している。8月15日の記者会見で、これについて「考え方は基本的に変わりない」と言い放った。 8月30日、韓国の憲法裁判所は、旧日本軍によって「従軍慰安婦」にされた被害者の賠償請求権について、韓国政府が何の措置も講じなかったのは憲法に違反するとの判断を行なった。これを受けて韓国外交通商部は、9月15日、日本政府に対し、「日本統治時代の慰安婦の賠償請求権を確認するための協議」を正式に申し入れた。協議は「従軍慰安婦」問題の他、在韓被爆者に関する戦後補償問題、在サハリン韓国人の戦後補償問題を含んでいる。日帝はこれに対し、「1965年日韓基本条約に伴い、個人の賠償請求権は消滅した」との立場をとり、「法的に解決済みだ」として協議に応じない方針を明らかにしている。
 日帝が戦争責任に居直り、植民地支配と侵略の歴史を正当化することは、朝鮮反革命戦争突入にとって不可欠なのだ。野田政府が朝鮮反革命戦争遂行の政府であると言うことは明白だ。反革命国民統合と戦争動員体制を構築する攻撃を絶対に許してはならない。

強まる排外主義攻撃と対決し、ファシストを撃滅せよ

 在日朝鮮労働者人民、外国人労働者、革命的左翼を標的とする「在日特権を許さない市民の会(在特会)」などのファシストの跳梁を許してはならない。「在特会」は、8月6日、「支那(ママ)朝鮮の核に抗議しない似非平和主義者を瀬戸内海に叩き込め! 二度と核の惨禍を招かないため早期の核武装を求めよう」を掲げて広島(原爆ドーム前)に登場した。呼びかけでは「日本に照準を合わせている支那(ママ)や朝鮮の大量の核兵器には何も言及せずに、日本にだけ核を持つどころか核武装の話すら許さないとする反日極左のやりたい放題をこれ以上許さないため、そして日本人の覚醒を促すために在特会は初めて核武装推進デモを広島にて挙行します」としている。「在特会」は、闘う被爆者(二世・三世)を先頭とした日帝の核武装を阻止する闘いを憎悪し、これに敵対する極悪のファシストだ。8・6広島において、日帝の「核武装推進デモ」なるものを強行した輩は木っ端微塵に撃滅しなければならない。また「在特会」は、全国で、地方自治体が朝鮮学校に交付している補助金の即時差し止めを要求して住民監査請求を行なっている。
 8月7日、東京のフジテレビ本社前にインターネット「2チャンネル」の呼びかけで数百人の右翼が結集した。「韓流ドラマ」を数多く放映するフジテレビに対し、「日の丸」を掲げて登場し、「韓流フジ潰れろ」「朝鮮人は半島に帰れ」などと叫び、排外主義の大煽動を行ない、21日にも6000人が集まりフジテレビへのデモを行なっている。
 反北朝鮮―反共・排外主義攻撃を粉砕し、ファシスト「在特会」を撃滅せよ。
 日帝は北朝鮮への「経済制裁」の一環として、2006年10月に北朝鮮からの入国を禁止しているが、「世界の常識」にならい、アマチュアスポーツ関係者の入国には入国禁止を解除している。これにより7月14日に東京で開催されたアジア・オリンピック評議会(OCA)総会には、「制裁」発動後初めて北朝鮮の代表団が参加した。これに対し、「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)」と「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)」は、OCA会場のホテル玄関で「北朝鮮はすべての拉致被害者を返せ!」と書いた横断幕6枚をかかげ、度し難い反北朝鮮―反共・排外主義煽動を行なっている。
 7月28日、東京都教育委員会は、都立中高一貫校10校で2012年度から使用する歴史と公民の教科書について、「改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会(教科書改善の会)」(代表世話人・屋山太郎)が執筆した育鵬社の教科書を採択した。都立特別支援学校のうち20校については、歴史が育鵬社版、公民は「新しい歴史教科書をつくる会(つくる会)」(会長・藤岡信勝)が執筆した自由社版の教科書を採択した。育鵬社は、2002年度から発行されていた扶桑社の歴史・公民教科書を引き継いでいる。このほか東京では、八月四日、大田区教育員会は来度から中学校(28校)の歴史と公民で使用する教科書として、「教科書改善の会」が執筆した育鵬社の教科書を採択し、5日、武蔵村山市教育委員会は、市立中学校(5校)で来年度から使用する歴史と公民の教科書に同様の育鵬社版を採択した。
 神奈川県では、7月28日に、藤沢市の中学校(19校)の歴史・公民教科書、8月2日に、中高一貫校の平塚中等教育学校の歴史教科書に育鵬社の教科書を採択した。そして8月4日、横浜市教育委員会は、市立中学校全校(149校)で使う歴史と公民の教科書に育鵬社版を採択した。149校(在校生徒数約8万人)は、全国最大の採択・採用となった。横浜市は、2009年夏には市内18区の区ごとの採択を行ない、8区の市立中学校で歴史教科書に自由社版を採択していたが、今回から各区の教育委員会を飛び越え、横浜市教育委員会が市内一括して教科書採択を行なうようにし、市教委の権限を強化していた。
 沖縄においては、8月23日に、八重山採択地区協議会(石垣市、与那国町、竹富町)が中学校の公民教科書を育鵬社版とする採択を行なった。沖縄労働者人民はこの採択に怒りを爆発させ、果敢に闘いぬいた。竹富町教育委員会は選定のあり方に疑義を示し、育鵬社版を不採択としたため「同一地区同一教科書の原則」が崩れさった。小規模の市区町村では、いくつかの自治体が集まった「教科書採択地区協議会」を作り、そこで採択された教科書を参加する各教育委員会が承認・決定する形をとってきたからだ。事態の収拾のために、9月8日、石垣市、与那国町、竹富町の教育委員13人全員が集まって再度協議した結果、育鵬社版の採択が撤回され、東京書籍版の採択が決定した。しかし今度は、石垣、与那国の両教育長がこの決定に反発するという事態になっていた。ところが、文部科学相・中川正春は、「新たな協議については無効」と明言し、9月15日、文科省は、「沖縄県教育委員会」に対し、「三市町で同じ教科書を採択するよう指導することを求める」通知を出した。事実上、八重山採択地区協議会が選定した育鵬社版を中心に検討するよう求めたものだ。実際、文科省副大臣・森ゆうこは「現時点で正式に決定された答申は(育鵬社版を採択した)一つだ。それに基づいて採択するように努力していただきたい」と言い放っている。「つくる会系教科書」採択を阻止する労働者人民の闘いに政府・文科省が介入し、国家権力頂点から「『つくる会系教科書』を採択せよ」と強権を発動しているのだ。
「つくる会系教科書」の全国での採択率は、私立校を合わせると、「歴史」が3・79パーセント、「公民」は4・16パーセントと言われ、今回一気に跳ね上がっている。
 「つくる会系教科書」もろとも政府・文科省の教科書攻撃を粉砕せよ。日帝の朝鮮反革命戦争突入に向けた、反革命国民統合、戦争動員体制形成の一環である教科書攻撃を粉砕しなければならない。朝鮮・中国―アジア労働者人民、在日朝鮮労働者人民の闘いと結びついて闘おう。
(注)「つくる会」会長などをつとめた八木秀次と藤岡信勝らが、利権などを巡り告訴合戦、内紛の末、八木秀次が2006年に「つくる会」とたもとを分かち、「日本教育再生機構」(理事長・八木秀次)を設立、その下で、「改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会(教科書改善の会)」が育鵬社から教科書を出版している。しかし、「つくる会」教科書(出版・自由社)も「教科書改善の会」教科書(出版・育鵬社)も内容はほとんど変わらず、いずれも日帝の植民地支配、侵略戦争の賛美、天皇制の賛美、「日の丸」「君が代」の推進、「道徳教育」の推進などを主張しており、ファシストの手による教科書であり、総称して「つくる会系教科書」と呼ばれている。